おはようございます。
昨日取り上げたマイケル・ジャクソンの「Love Never Felt so Good」を聴いて思い出す曲があります。
ステファニー・ミルズの「燃える恋心」、1980年にラジオで初めて聴いた瞬間から夢中になった僕の大好きな歌です。
Stephanie Mills - Never Knew Love Like This Before
” こんな恋があるなんて知らなかった
もうさみしくはないわ あなたが現れたから
あなたは愛の光 だから絶対に離さない
わたしのすべて、わたしの体の一部
わたしは迷子になっていたけど 見つけてくれた
そしてわたしの世界が動き出したの
わたしが必要な時は 名前を呼んで
だってこんな恋は初めてだから わたしの目を開いてくれた
だってこんな恋はしたことがないから 驚きだわ
だってこんな恋は初めてだから
わたしの胸の奥にあるこの気持ち なんてやわらかなファンタジー
あなたはわたしの生きる理由
あなたはわたしの太陽の光 そしてわたしの雨
二人が分かち合ったものは 時が経っても変わらない 永遠に
こんな恋があるなんて知らなかった
もうさみしくはないわ あなたが現れたから
だってこんな恋は初めてだから わたしの目を開いてくれた
だってこんな恋はしたことがないから 驚きだわ
だってこんな恋は初めてだから ” （拙訳）
**********************************************************************
**********************************************************************
グラミーも取った大ヒット曲なのに、いたってシンプルな公園ロケのMVというのがまた好感が持てますw。セントラル・パークでしょうか。
マイケルの「Love Never Felt so Good」同様、こちらも、恋をしてこんな気持ちになったのは初めて、というテーマになっています。曲のタイトルの語感も似ています。
キャッチーなポップ・ソングと恋のときめきというテーマの相性がいかに完璧なのかを思い知らされる1曲です。
マイケルが大ブレイクした1980年のヒット曲ですので、彼も当然知っていたことでしょう。
もちろん、メロディが具体的に似ているわけではないので、パクリとかそういうことではないと思いますが、マイケルの頭の片隅か、もしくは無意識にでも、この曲はなかったのかな、と僕は推測するのです。
歌っているのはステファニー・ミルズ。
1970年代に「オズの魔法使い」をブロードウェイ・ミュージカル化した「ザ・ウィズ」で主役のドロシー役に抜擢され一躍有名になった人です。日本では残念ながら熱心な洋楽ファン、特にR＆Bファンにしか知られていないかもしれません。
しかし、この「燃える恋心」は1981年のグラミー賞で最優秀R＆Bソングを受賞し、彼女自身も最優秀女性R＆Bボーカルを受賞するほどのヒットになりました。全米チャート最高6位、R＆Bチャート12位と、黒人シンガーとしてはめずらしくポップ・チャートの方でウケたわけですが、曲調を聞けば納得できる気がします。
また、洗練されたポップなR＆Bを好むイギリスでも4位、他の国でも数多くチャート入りし、彼女にとって唯一の世界的ヒットになりました。
この曲を書いたのはR&Bグループ”エムトゥーメ”のジェイムス・エムトゥーメとレジー・ルーカス。
レジー・ルーカスはその後マドンナの「ボーダーライン」なんて曲も書いていますし、ジェイムス・エムトゥーメが単独で書いたグループの代表作「ジューシー・フルーツ」という曲は、かなりR＆B度が濃いめですから、この「燃える恋心」のポップ感は主にレジー・ルーカスに依るところが大きいのではないかと僕は推測します。
彼女の最初のヒット「What Cha Gonna Do with My Lovin'」（全米22位、R&B8位）もこのコンビの作品でした。アレンジがチャカ・カーンで有名な「What Cha Gonna Do For Me」を思わせる感じもありますが、こちらの方が先なんですよね。
また、この二人はロバータ・フラックとダニー・ハサウェイの「The Closer I Get To You」（1978。全米2位）という素晴らしいバラードも書いています。
Roberta Flack ft. Donny Hathaway - The Closer I Get To You
彼女は「燃える恋心」以降ポップ・ヒットこそ飛ばしていませんが、R&Bチャートに関してはNO.1ヒットを5曲リリースするなど、1980年代を通して大活躍したDIVAの一人でした。
そんなNO.1ヒットの中で1989年リリースした「Home」は、彼女がドロシーを演じた「Wiz」の劇中歌を新たに歌い直したものでした。
最後にこの曲のライヴ映像がありましたのでそちらを是非。
