まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ふたりのラヴ・ソング(All You Get from Love Is a Love Song)」スティーブ・イートン(1973)

 おはようございます。

 令和元年の初日から毎日アップしてきました「まいにちポップス」、今日で1000日目、取り上げたポップ・ソングが1000曲になりました。

 そして、大変突然なんですが、今日をもちまして、一旦このブログをお休みさせていただきます。

 

 今日がひとまず最終回になりますが、だからといって気張らず、なるべく何気ない曲がいいなと思って選んでみたのが、スティーヴ・イートンの「ふたりのラヴ・ソング」です。

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Like sailing on a sailing ship to nowhere
Love took over my heart like an ocean breeze
As seagulls fly I knew that I was losing
Love was washed away with the drifting tide

 

Oh it's a dirty old shame
When all you get from love is a love song
It's a dirty old shame
When you have to sign your name to a love song
It's a dirty old shame
When you have to take the blame for a love song
Because the best love songs
Are written with a broken heart

 

Now the tears in my eyes are ever blinding
The future that lies before me I cannot see
Although tomorrow I know the sun is rising
Lighting up the world for everyone but not for me

 

Oh it's a dirty old shame
When all you get from love is a love song
It's a dirty old shame
When you have to sign your name to a love song
It's a dirty old shame
When you have to take the blame for a love song
Because the best love songs
Are written with a broken heart

 

Oh it's a dirty old shame
When all you get from love is a love song
It's a dirty old shame
When you have to sign your name to a love song
It's a dirty old shame
When all you get from love is a love song、、、

 

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行き先のない船で航海するみたいに
愛は海風のように僕の心を奪った
カモメが飛んでいくように、僕は道に迷ったことに気づいた
愛は漂う潮に洗い流されてしまったんだ

 

ああ、おなじみのひどい話さ
愛から得られるものがラブソングだけだなんて
いつものひどい話さ
自分の名前でラブソングを書くなんて
なんてひどい話なんだ
ラブソングの責任を取らされるなんて
だって最高のラブソングは
恋に破れたハートで書かれるものだから

 


今、瞳に浮かんだ涙が邪魔をして
目の前にある未来も見えないんだ
たとえ、明日になれば陽が昇るってわかっていても
照らすのは世界中で僕以外のみんなのためなのさ

 


ああ、おなじみのひどい話さ
愛から得られるものがラブソングだけだなんて
いつものひどい話さ
自分の名前でラブソングを書くなんて
なんてひどい話なんだ
ラブソングの責任を取らされるなんて
だって最高のラブソングは
恋に破れたハートで書かれるものだから

 


ああ、おなじみのひどい話さ
愛から得られるものがラブソングだけだなんて
いつものひどい話さ
自分の名前でラブソングを書くなんて
ああ、おなじみのひどい話さ
愛から得られるものがラブソングだけだなんて、、、

            (拙訳)

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 「ふたりのラヴ・ソング」はカーペンターズのシングルとして知られ、1977年にリリースされ全米35位まであがっています。

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 もともとは曲の作者であるスティーヴ・イートンが1973年にデビュー・シングルとしてリリースし、翌1974年発売のデビュー・アルバム「ヘイ・ミスター・ドリーマー」にも収録されていました。

   (アルバムにはリーランド・スクラー(B)、ジム・ゴードン(D)、ディーン・パークス(G)、ラリー・ネクテル(Key)など当時の米西海岸の名プレイヤーたちが参加し、彼のバックを支えていました)

 

 

 カーペンターズのほうは、トム・スコットのサックス・ソロなんかも入って、1977年という時代のせいもあってか、ぐっと都会的に洗練されたアレンジになっています。それから、サビの2行目の歌詞も<It's got you laying up nights Waiting for the music to start>に変更されていますね。

 

 実はこの曲、カーペンターズより前に、とても有名なコンビがカバーしていました。それが、ライチャス・ブラザーズ。1975年のアルバム「The Sons of Mrs. Righteous」に収録されていました。プロデュースはデニス・ランバートとブライアン・ポッター。

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  2行目の歌詞もすでに変わっていますので、カーペンターズはカバーする際にスティーヴのオリジナルじゃなく、ライチャス・ブラザーズのヴァージョンを聴いていた可能性が高いですね。おっと、調べてみたら、この曲のサックス・ソロもトム・スコットですからこれは間違いないでしょう。

 

 さて、この曲を書いたスティーヴ・イートンですがオペラ歌手の両親の元アイダホ州生まれています。AORアーティストとして日本でも人気の高いビル・ラバウンティと”Fat Chance"というグループを組んで1972年にアルバムをリリース、シングルの「Country Morinig」は彼の作品でした。

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 "Fat Chance"は一枚アルバムを残して解散、その後ソロ・アーティストとしてデビューした曲がこの「ふたりのラヴ・ソング」だったわけです。

 

 残念ながらシングルもアルバムもヒットはしませんでしたが、ソングライターとしては評価されたようで、アルバム「ヘイ・ミスター・ドリーマー」からは「悲しきラグ・ドール (Rag Doll)」がアート・ガーファンクルのアルバム「愛への旅立ち(Breakaway)」に収録され、サイモン&ガーファンクルのリユニオンとして話題になったシングル「マイ・リトル・タウン」のカップリングにもなっています。 

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  この曲は1985年にグレン・キャンベルもカバーしています。

 

 1979年にはアルバム「Steve Eaton」を自主制作していますが、これが後に("Light Mellow"で知られる金澤寿和さんがきっかけだったと思いますが)日本のコアなAORファンから注目され、日本でのみCD化されています。

 僕もCD化されて初めてこのアーティストを知って購入しました。特に、当時この曲が好きでよく聴いていました。

「Got Me Moanin'」

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  彼のポップとカントリーの中間くらいの音楽スタイルは、当時はなかなか自分の居場所を見つけられないことにもつながったようです。

「僕がLAに住んでいた頃は、レコード会社お偉いさんたちはみんな、お前はカントリー・シンガーだからナッシュビルに引っ越せと言われたよ。次にナッシュビルに引っ越すと、LAに行ったほうがいいと言われたんだ」

  (IDAHO STATE JOURNAL 

 

 イートンは生まれ故郷のアイダホをベースに現在もミュージシャンとして活動し、昨年、2021年には自主制作で「Lucky Me」というアルバムをリリースしています。

 ブルース色は中心にありながら、さまざまな音楽が融合したような作品になっています。

 

「僕の音楽への愛情は、あらゆる音楽のレッテルを超越しているんだ。一般的には僕は単なるポップスのライターさ。だけど、僕はブルーグラス、ロック、フォーク、ジャズ、カントリー、R&B、ブルースからインスピレーションを受けている。だから、僕の最も近い定義は、今言った全部のハイブリッドさ。一番愛しているのはブルースだ。両親がオペラ歌手だったことを考えると、かなり変な話だけど」

(IDAHO STATE JOURNAL 

 

 考えてみると音楽のジャンルはいろいろありますが、フォークでもブルースでもロックでも、使う楽器やサウンドのイメージはある程度浮かびますが、ポップスってそれとはちょっと違うように思います。

 たとえどんなジャンルの音楽でも、それが、大衆に受け入れられ人々の生活に溶け込むようになると”ポップス”になる、そんな気もします。

 

 最後に、この曲のセルフカバーを。2005年に日本の企画としてリリースされた彼のアルバム「Out of The Blues」から。

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 <御礼>

 このブログを読んでいただき本当にありがとうございました!

 

 ある時期から読んでくださる方の数がどんどん増えたのですが、これは読者のみなさんがご自身のブログやTwitterなどに記事を貼って広めていただいたおかげです。本当に感謝しかありません。

 

 そして、みなさんからコメントや”はてなスター”をいただいけたことも大きなモチーベーションになって、ここまでがんばってきましたが、いよいよ、ガス欠でヘロヘロになってきてしまいました(苦笑。 数日前は書き終えた記事がちゃんと保存できてなくて、ものすごい中途半端なものがアップされ、長い時間そのままになっていました、、💦。

 

 今後は、僕は年齢的にもあまり時間が残されていませんので(笑)、今の音楽の仕事に集中していきます。いろんな曲のことを調べてこのブログに書いて学んだことは必ず何か役に立つのではないかと思っています。

 

 ただ、このブログについては、毎日書いていたので、中身が雑になったものもけっこうありますし、和訳できていない曲もありますので、時々見直して、記事の訂正、追加は随時やっていきます。

 

 そのあたり、何か更新などありましたらお知らせしたいと思い、少し前にTwitterを始めましたので(今さらですが、、)、もしよろしければフォローしていただけるとうれしいです。

 

 このブログが、音楽を聴く楽しみのお供として、またマニアックな”ポップス沼のガイドのひとつ”として、ほんのちょっとでもみなさんのお役に立つことができましたらすごくうれしいのですが、、、。

 

                                         堀 克巳 Twitter   https://twitter.com/horikatsumi

<追記:2022年4月4日>

 このブログを休止して2ヶ月以上たつのですが、今も更新していた時期と変わらないほどたくさんの方から毎日アクセスしていただいています。本当にありがとうございます!

 ご紹介した曲やアーティストについて、皆さんがご存知のネタや情報、個人的な思い出やエピソードなどぜひお聞きしてみたいので、コメント欄にどんどん書いていただけるとうれしいです。今後もよろしくお願いします!

 

            堀 克巳

 

 

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