まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「涙のリメンバー(A NIGHT TO REMEMBER)」シャラマー(1982)

  おはようございます。

 今日はシャラマーの「ナイト・トゥ・リメンバー」です。

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When you love someone, it's natural, not demanding
And that's one thing I'm proud to say I found in you
I'm so glad we reached an understanding
Now I know my heart is safe with you


So now my love to you, baby, I surrender

Get ready tonight
Gonna make this a night to remember
Get ready (Oh, baby) tonight
Gonna make this a night to remember

Celebrations in the heart 'cause we're united
And there's nothing in this world to come between me and you
We're together and it keeps me so excited
To think of what the power of love can do
And I'm filled with a love that's, oh, so tender

Get ready (Baby) tonight (Girl)
I'm gonna make this a night to remember
Get ready (Get ready) tonight
I'm gonna make this a night to remember


Make this a night to remember
Get ready tonight
Gonna make this a night to remember
Get ready (Get ready) tonight
Gonna make this a night to remember

 

Get ready (Baby) tonight (Darling)
Gonna make this a night to remember
Get ready (Darling) tonight (Baby)
Gonna make this a night to remember


This night you won't forget
Gonna make this a night to remember
‘Cause your love I won't regret
Gonna make this a night to remember

 

Get ready (Baby) tonight (Darling)
Gonna make this a night to remember
Get ready (It won't be like the past) tonight (I will make it last)
Gonna make this a night to remember

Tonight
Make this a night to remember
Tonight
Make this a night to remember

 

Let's make a toast to those who helped make this occasion
They turn their back on love
And that's what drove you straight to me
Now to you, I make a lasting dedication
I'll show you all that love and life can be
And each day that I live I will deliver

 

Get ready (This night you won't forget) tonight
Gonna make this a night to remember
Get ready (‘Cause your love I won't regret) tonight
Gonna make this a night to remember
Get ready (Baby) tonight (Darling)

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誰かを愛するとき、それは自然なこと、無理やりじゃない
それをあなたに見出すことができたと
私は誇りを持って言うわ
手を差し伸べ、理解し合えたことがとてもうれしい
私の心はあなたと一緒なら安全だとわかってる
だから今、この愛をあなたに、ベイビー、捧げるわ

準備して、今夜
忘れられない夜にしよう
準備して、今夜
忘れられない夜にしよう

心の中でお祝いしよう、だって二人はつながっているから
君と僕の間を邪魔するものはなにひとつないんだ
僕たちは一緒、だから心はずっと高ぶっている
愛の力で何ができるのか考えると
僕は愛に満たされる、とてもやさしく

準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
思い出に残る夜にするの
準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう

準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう

この夜を 君は忘れないさ
思い出に残る夜にしよう
だって、君の愛を後悔なんてしないさ
思い出に残る夜にしよう

準備して、今夜
忘れることのできない夜にしよう
準備して (前とは違う) 今夜(ずっと続けてみせる)
思い出に残る夜にしよう

今夜は
思い出に残る夜にしよう
今夜は
思い出に残る夜にしよう

この機会を作らせてくれた人たちに乾杯しよう
彼らは愛に背を向けている
だからが君は僕の元へまっすぐ来てくれた
今、君に、永遠に僕のすべてを捧げるよ
僕は君にこの愛のすべてと
人生がどうなるのか見せてあげるよ
そして、僕が生きているその日ごとに、君に届けよう

準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
準備して、今夜
思い出に残る夜にしよう
忘れることのできない夜にしよう

 (拙訳)

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 シャラマーは、テレビのR&B番組「ソウル・トレイン」のブッキング・エージェントだったディック・グリフィーが結成したグループです。

 

 グリフィーは「ソウル・トレイン」の生みの親であるドン・コーネリアスと”ソウル・トレイン・レコード”を1975年に設立し、1977年にはセッション・シンガーを集めモータウンのヒット曲をディスコ風にメドレーにした「Uptown Festival」という曲をシャラマーの名義でリリースし、全米25位のヒットにしています。

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 ヒットに味をしめたグリフィーはシャラマーを継続させるために、「ソウル・トレイン」を通じて、ダンサーだったジョディ・ワトリー、ジェフリー・ダニエルズにソウル・トレイン・レコードの最初の契約アーティストだったヴォーカル・グループ”ソウル・トレイン・ギャング”のメンバーだったジェラルド・ブラウンという三人を集めます。

 ドン・コーネリアスがソウル・トレイン・レコードを撤廃することにしたため、グリフィーは 1977年末に法的手続きを経てソウル・トレイン・レコードを”ソーラー・レコード”に改変しました。ソーラー(Solar)は、”Sound of Los Angeles Records”の略称です。

 

 そして、1979年にシャラマーはジェラルド・ブラウンの代わりに加入したハワード・ヒューイットをメイン・ヴォーカルにした「セカンド・タイム・アラウンド」を大ヒットさせます。(全米8位、R&B1位)。アメリカでの彼らの最大のヒットはこの曲です。

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  シャラマーをブレイクさせた最大の貢献者は、プロデューサーのレオン・シルヴァーズIIIでした。彼はシルヴァーズというファミリー・グループのメンバーで、この頃ソーラーの専属プロデューサー、A&Rになるとともにグループを脱退しています。

 シルヴァーズの代表作「ブギー・フィーバー」(1975年全米1位)

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  レオン・シルヴァーズIIIのポップでダンサブルな曲を生み出す才能が開花したことで、ウィスパーズ、ミッドナイト・スター、自身もメンバーとして参加したダイナスティといったグループを手がけたことで、ソーラー・レコード自体も発展していったのです。

  そして、この「涙のリメンバー」とこの曲の入ったアルバム「Friends」はレオンの最高傑作の一つと言ってもいいように思います。

 「涙のリメンバー」を書いたのは、レオンの一つ下の妹チャーメイン・シルヴァーズ、ダイナスティのメンバー、ニドラ・ビアード、レオンの会社と作家契約をしていたソングライター、ダナ・マイヤーズの三人。

  この曲で彼らはイギリスで全英5位とブレイクします。「Friends」からはもう2曲、イギリスでトップ10ヒットが生まれ、アメリカ以上の成功を収めています。

 そして、1984年には映画「フットルース」の挿入歌「ダンシング・イン・ザ・シーツ」で全米17位になっています。

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 この曲を書き、プロデュースしたのはビル・ウルファー。AORマニアには人気の人で、グリフィーがソーラーの大人向けレーベルとして発足させた”Constellation Records”からアルバムを出しています。

 

 1986年にハワード・ヒューイットがソロ活動のために脱退したことがきかっけになり、グループを低迷していき、それぞれがソロで活動するようになりましたが、ソロで最大の成功をおさめたのはジョディ・ワトリーでした。

 (ちなみに、ジェフリーはマイケル・ジャクソンにムーン・ウォークを教えたそうで、「Bad」や「スムース・クリミナル」などの振付師として有名になっていました)

 全米2位。「Looking For A New Love」

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 1996年には、ソーラーのレーベルメイトだったベイビーフェイスが彼らの「For The Lover In You」をカバーし、そこに三人が久しぶりに集まりました。

 

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  1999年に、ハワードとジェフリーはジョディの枠を開けたままシャラマーを再活動させますが、ジョディは再び加わる意思がなかったため、2001年にディック・グリフィーの娘キャロリンをメンバーに入れて活動を続けています。

 ジョディのほうは長い間、シャラマーのレパートリーは封印していたようですが、2013年から解禁し、長い裁判の結果2018年にシャラマーという名義の正式な所有者になったようです。

 そして、彼女自身もメンバーを新たに集めてシャラマーを組み、ライヴもやったようですが、彼女の本来の目的は、昔の彼女の写真をハワードとジェフリーのシャラマーが勝手に使いプロモーションしていたことをやめさせることだったようです。

 

 現在ネットを見る限りジョディの方のシャラマーはほとんど活動しておらず、ハワードとジェフリーのほうは現在も精力的に活動を続けているようです。

 

 

「涙のリメンバー」収録のアルバム。12インチ・リミックスもボーナストラックで収録。

 

 

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