おはようございます。
今日は昨日ご紹介した「ベスト・オブ・マイ・ラブ」(エモーションズ)と並ぶ”スウェイ・ビート”の両巨頭と呼ぶべき曲、シェリル・リンの「ガット・トゥ・ビー・リアル」です。
What you find ah!
What you feel now
What you know ah!
To be real!
What you find now (I think I love you baby)
What you feel now (I think I need you baby)
What you know ah
Oooh ah To be real!
Your love is for real now
You know that...
Your love is my love
My love is your love
Our love is here to stay
What you find ah (I think I love you baby)
What you feel now (I think I need you baby)
What you know ah
Oooh ah
To be real!
Your love's for real now
You know that...
Your love is my love
My love is your love
Our love is here to stay
What you find ah (I think I love you baby)
What you feel now (I think I need you baby)
What you know ah
Oooh ah
To be real!
What you find ah (I think I love you baby)
What you feel now (I think I need you baby)
What you know ah
Oooh ah
To be real!
It's got to be real
To be real!
It's got to be real
To be real!
What you think ah!
What you feel now
What you know ah!
To be real!
Got to be real
It's got to be real
...To be Real、、、
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あなたが見つけるもの
あなたが今感じていること
あなたが知っていること
それは本物なの
あなたが今見つけるもの (愛しているのベイビー)
今感じるもの (あなたがほしいのベイビー)
あなたが知っていること
それはリアルなものなの
あなたの愛は本物
知っているはず
あなたの愛は私の愛
私の愛はあなたの愛
私たちの愛はここにある
あなたが今見つけるもの (愛しているのベイビー)
今感じるもの (あなたがほしいのベイビー)
あなたが知っていること
本物に違いないわ
あなたの愛は本物
知っているはず
あなたの愛は私の愛
私の愛はあなたの愛
私たちの愛はここにある
あなたが今見つけるもの (愛しているのベイビー)
今感じるもの (あなたがほしいのベイビー)
あなたが知っていること
それは本当のことに違いないわ
本物に違いないわ
本物に違いないわ
本物なの (拙訳)
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私事なんですが、レコード会社勤務時代にR&Bのコンピレーション・アルバムを作る機会があって、、1,2曲目を「ベスト・オブ・マイ・ラブ」~「ガット・トゥ・ビー・リアル」とつなげました。この2曲を続けたコンピレーションはたぶん世界初だ!と自己満足に浸ったことをおぼえています。この2曲を続けて聴くと最高に気持ちがアガる、ただそれだけを伝えたかった企画でした、、(他の収録曲のみなさんゴメンナサイ!)。1991年くらいのことです。
↓それがこのアルバム。
マライアの「エモーションズ」がやはり1991年ですから、この頃から、”スウェイ・ビート”(日本だけの呼称ですが)の再評価が高まったのでしょう。
それから、1996年には本国アルバムでもベスト盤が出ていなかった時期に、日本独自企画でシェリル・リンのベストを出させてもらいました。
監修と選曲、解説は松尾”KC"潔さん。彼が邦楽アーティストのプロデュースを始めるずっと前で、若きR&Bライターとして精力的に活動されていた時期でした。もともと彼からシェリルのベストを出せないかという提案があったように記憶しています。ジャケット・デザインは僕が考えました。会社の会議室で同じ部署にいた指のきれいな同僚にお願いしてレコードジャケットを持ってもらい、仲のいいデザイナーに撮影してもらったことをよくおぼえています。シェリル・リンの世界初のベストで、前年に彼女が復活作をリリースしていたこともあって、当時は想定よりもずっと売れました。。
↓それがこのアルバムです
さて、この「ガット・トゥ・ビー・リアル」、リアルタイムでは最高全米12位。R&Bチャートでは1位。彼女のデビュー曲ですから、上々の出来でしょう。このブログで紹介してきた通り、1978年は”ディスコの年”で、1位になるような曲は”こってこての”ディスコで、それに比べたら「ガット・トゥ・ビー・リアル」はすごく洗練されています(だから後年評価が上がっていったのでしょうけど)。
曲を作ったのは当時TOTOを結成して間もないデヴィッド・ペイチとこの数年後に大ヒットプロデューサーになるデヴィッド・フォスター。彼らが作ったベーシックに合わせて、シェリルが歌いながらメロディーを決めていったようです。
また、黒人でなくデヴィッド・ペイチ、デヴィッド・フォスターという(R&B好きな)白人が作ったということもこの曲にはよく表れている気がして、粘っこいファンキーさが薄い感じがしますし、その代わりストレートで洗練されているので、より幅広い層にアピールしたのではないかと思えます。
キレのいいブラスによるキメのフレーズから入り、2拍4拍を強調しハンドクラップを入れているビートが基盤になっているところが、「ベスト・オブ・マイ・ラブ」と「ガット・トゥ・ビー・リアル」の大きな共通点になっています。
しかし、そのビートに乗って”揺れ”を演出しているのが、前者ではギター、後者では鍵盤という違いがあります。これはそのまま、曲の作者の担当楽器であるから当然でしょう。
あらゆるジャンルのアーティストが、ディスコっぽいものを作ることを強いられて(?)いたようなこの時代、規則的な4つ打ちのビートに対して、どういうリフでグルーヴを作るか、ということは演奏者、ソングライターにとってはとても重要なアプローチ法になっていたように思います。
この曲のドラムスはジェームス・ギャドソン、ベースはデイヴィド・シールズ、という名プレイヤー、名コンビ。
実はこの二人、エモーションズの「ベスト・オブ・マイ・ラブ」が収録されているアルバム「リジョイス」でも4曲演奏しています。スウェイ・ビートの2大名曲は実に近いところで生み出されていたんですね。
また、ギターにはレイ・パーカーJrと、この時代のLAの売れっ子ミュージシャンが結集して作られていたわけです。
歌っているシェリル・リンについても少し。本名はリンダ・シェリル・スミス。
音楽のキャリアは1976年にミュージカル”The Wiz"に出演したのがスタートで、その後TVのタレント発掘番組「ザ・ゴング・ショー」でジョー・コッカーでヒットした「ユー・アー・ソー・ビューティフル」を歌ったのをマーティ・ペイチが見て気に入り、当時息子が結成したバンド”TOTO"にコーラスとして参加させます。
ちなみに、芸名の”シェリル・リン”はマーティ・ペイチがデヴィッド・ペイチたちに彼女の名前を伝える時に”リンダ・シェリル”を逆に伝えてしまったのがきっかけだったと、松尾さんの解説に書かれていました。
さて、彼女がコーラスで参加したTOTOの曲というのは、この名曲でした。
その後、彼女は「ガット・トゥ・ビー・リアル」を超えるようなヒット曲は生み出せませんでしたが、レイ・パーカー.JRやルーサー・ヴァンドロスやジャム&ルイスといったプロデューサーたちとクオリティの高い楽曲を多数残しています。
その中からジャム&ルイスの曲で彼女にとって2曲めのR&Bチャート1位になった「アンコール」を。
最後にもう1曲。「ベスト・オブ・マイ・ラブ」を明らかになぞっていたマライア・キャリーの「エモーションズ」を作ったC+Cミュージック・ファクトリーは、「ガット・トゥ・ビー・リアル」も好きだったようで自身のシングルのミックスでサンプリングしていますので、そちらを。
C&C Music Factory "Do You Wanna Get Funky/Got To Be Real" (Robi-Rob's Hip Hop Junkies Remix w/o Rap)