まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ガット・トゥ・ビー・リアル(Got To Be Real)」シェリル・リン(1978)

 おはようございます。

    昨日ご紹介した「ベスト・オブ・マイ・ラブ」(エモーションズ)と並ぶ”スウェイ・ビート”の両巨頭と呼ぶべき曲がこれです。 

 私事なんですが、レコード会社勤務時代にR&Bのコンピレーションアルバムを作る機会をもらったときに、1,2曲目を「ベスト・オブ・マイ・ラブ」~「ガット・トゥ・ビー・リアル」とつなげて、この2曲を続けたコンピレーションは世界初(たぶん、少なくとも日本初ではありました)だ!と自己満足に浸ったことをおぼえています。この2曲を続けて聴くとたまらなく気持ちがアガる、ただそれだけを伝えたかった企画でした、、、。1991年くらいのことです。

   マライアの「エモーションズ」がやはり1991年ですから、この頃、”スウェイ・ビート”(日本だけの呼称ですが)の再評価が高まったのでしょう。

 

  リアルタイムでは最高全米12位。R&Bチャートでは1位。彼女のデビュー曲ですから、上々の出来でしょう。このブログで紹介してきた通り、1978年は”ディスコの年”で、1位になるような曲は”こってこての”ディスコで、それに比べたら「ガット・トゥ・ビー・リアル」はすごく洗練されています(だから後年評価が上がっていったのでしょうけど)。

  曲を作ったのは当時TOTOを結成して間もないデヴィッド・ペイチとこの数年後に大ヒットプロデューサーになるデヴィッド・フォスター。彼らが作ったベーシックに合わせて、シェリルが歌いながらメロディーを決めていったようです。

  

 キレのいいブラスによるキメのフレーズから入り、2拍4拍を強調しハンドクラップを入れているビートが基盤になっているところが、「ベスト・オブ・マイ・ラブ」と「ガット・トゥ・ビー・リアル」の大きな共通点になっています。

 しかし、そのビートに乗って”揺れ”を演出しているのが、前者ではギター、後者では鍵盤という違いがあります。これはそのまま、曲の作者の担当楽器であるから当然でしょう。

 あらゆるジャンルのアーティストが、ディスコっぽいものを作ることを強いられて(?)いたようなこの時代、規則的な4つ打ちのビートに対して、どういうリフでグルーヴを作るか、ということは演奏者、ソングライターにとってはとても重要なアプローチ法になっていたように思います。

 

"  あなたが見つけたこと あなたが今感じていること あなたが知っていること

 それはきっと現実のことなの”

     恋愛の至福感を歌っていた「ベスト・オブ・マイ・ラブ」に対して、こちらは、二人の愛は本物なんだから、迷わないでいいのよ、とメッセージを投げかける歌なので、サウンドもよりアグレッシヴな感じがします。

 また、そして、ソングライターがデヴィッド・ペイチデヴィッド・フォスターという白人でR&B畑の人ではないせいか、ファンキーさが薄く、ストレートな感じなので、ディスコファン以外の広い層にアピールするのかもしれません。

 


Cheryl Lynn - Got To Be Real

 

 「ベスト・オブ・マイ・ラブ」をなぞったマライアの「エモーションズ」を作ったC+Cミュージック・ファクトリーは、「ガット・トゥ・ビー・リアル」も好きだったようで自身のシングルのミックスでサンプリングしています。

 


C&C Music Factory "Do You Wanna Get Funky/Got To Be Real" (Robi-Rob's Hip Hop Junkies Remix w/o Rap)

 

Got to Be Real (Single Version)

Got to Be Real (Single Version)