まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「レッツ・ゴー・ラウンド・アゲイン (LET'S GO ROUND AGAIN )」アヴェレイジ・ホワイト・バンド(1980)

 おはようございます。

 今日はアヴェレイジ・ホワイト・バンドの「レッツ・ゴー・ラウンド・アゲイン (LET'S GO ROUND AGAIN )」です。

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Baby, I'm back
And right away I thought I'd come to you
To see if the love that we knew before
Has passed the test of time

 

Time, that changes almost everything
Can sometimes let us see the better side
If the feelings we once shared

 

Let's go 'round again
Maybe we'll turn back the hands of time
Let's go 'round again
One more time

 

Baby, I know that you think
I will be different now
Inside of me nothing has changed
So, I'm asking you again, please

 

No one else that could have brought me back
And no one that ever could set me free
From the memory I kept within my heart

 

Let's go 'round again
Maybe we'll turn back the hands of time
Let's go 'round again
One more time

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ベイビー、帰って来たよ
そしてすぐに、君のところに行こうと思った
僕たちが知っていたあの愛が
時の試練を乗り越えたのか確かめたくて

 

時は、ほとんどすべてを変えてしまう
時には良い面を見せてくれる
もし、あの頃分かち合えた気持ちが、、

 

もう一度やり直そうよ
時間の針を戻すことができるかもしれない
もう一度やり直そうよ
もう一度

 

ベイビー、君が思っていることはわかる
今は違う自分になれるよ
僕の心の中は何も変わっていない
だから お願いするよ、もう一度、どうか

 

他の誰かじゃ僕を連れ戻すことはできなかった
誰も僕を自由にすることはできなかった
僕の心の中にしまってあった記憶からは

 

もう一度やり直そうよ
時間の針を戻すことができるかもしれない
もう一度やり直そうよ
もう一度

              (拙訳)

 

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 アヴェレイジ・ホワイト・バンドはスコットランド出身で一緒にバンドをやったことがあったメンバーが、ロンドンで再会し、ジャムセッションをやったことから1972年に結成されたと言われています。

 

 シンガー/ベーシストのアラン・ゴリー、ギタリストのヘイミッシュ・スチュアートとオニー・マッキンタイヤー、テナー・サックスのマルコム・ダンカン、キーボード/サックスのロジャー・ボール、そしてドラマーのロビー・マッキントッシュというのがオリジナルのラインナップでした。

 

 彼らは1973年にエリック・クラプトンのレインボー・シアターでのカムバック・ギグのオープニング・アクトとしてデビューし、すぐにデビューLP「Show Your Hand」をリリースしますが、注目を集めることはできませんでした。

 

 しかし、クラプトンのツアー・マネージャーだった人物が彼らを気に入りマネージャーになると、アトランティック・レーベルとの契約を成立させ、メンバーはアメリカに渡り、1974年にリリースされたセカンドアルバム「AWB」が全米1位の大ヒットを記録します。

 

 ヒットのきっかけになったのが全米1位になったシングル「Pick Up the Pieces」です。

 

 Pick Up the Pieces→ バラバラになったかけらを拾う→困難な事態を収拾する、ということで、物事がうまくいっていないときに、自分を奮い立たせる言葉のようです。

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 しかし、大ヒットの余勢をうけて行われたアメリカ・ツアーの後のパーティでドラムのマッキントッシュがコカインの過剰摂取で亡くなってしまいます。アラン・ゴーリーも過剰摂取していたそうですが、その場にいたシェールが、彼を自宅まで連れて帰り、救急隊員が駆けつけるまで昏睡状態に陥らないように歩き回らせていたため一命をとりとめたのだそうです。

 

 マッキントッシュの代わりに加入したのがスティーヴ・フェローンでした(のちに、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのメンバーになった人ですね)。

 彼が加わって制作されたサードアルバム『カット・ザ・ケイク』からはタイトル曲がヒットしました(1975年 全米10位)。

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 そして、彼らがレーベルを移籍してリリースした8枚目のアルバム「Shine」(1980)からのシングルがこの「レッツ・ゴー・ラウンド・アゲイン」でした。

 

 このアルバムをプロデュースしたのがデヴィッド・フォスター。1978年にシェリル・リンの「ガット・トゥ・ビー・リアル」翌1979年にはE,W&Fの「黙示録」を大ヒットさせて、ダンス・グルーヴものに自信を深めていたころでしょう。

 

 しかし、メンバーとフォスターの相性は良くなかったようです。フォスターには満足いかない曲がけっこうあったようですし、メンバーは彼に強いられてやった感が強かったようです。フォスターは自分のやり方をかなり押し通すタイプらしく、シカゴも彼のおかげで大ヒットしたものの、彼のことはあまりよく思っていない発言をしていました。

 そんなアルバムの中でも、メンバーが好んでライヴで演奏しているのがこの「レッツ・ゴー・ラウンド・アゲイン」。

 フィラデルフィア・ソウル風のストリングスが心地よいダンス・チューンで、こういう曲は昔からイギリス人が好きなんですよね。いわゆるノーザン・ソウル風。

 アメリカでは最高53位とふるいませんでしたが、イギリスでは12位まであがるヒットになっています。

 

  最後はアルバム「シャイン」に収録されていた、AORの鉄板曲、ヘイミッシュ・スチュワートとネッド・ドヒニーが共作した「Whatcha Gonna Do For Me」を。

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