まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ラヴ・コーリン(When Love Comes Calling) 」デニース・ウィリアムス(1979)

 おはようございます。

 今日はデニース・ウィリアムスの「ラヴ・コーリン」です。

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I saw you, you saw me
Tell me are we sharing the same fantasy?
I'll kiss you, kiss me too
I just got the message, yes, it's me and you

Your smile gives me the go ahead
It's good to know...

That love is calling
Knocking, knocking, knocking at the door
When love comes calling
Won't you open, open up for more?
Your love is calling
Calling, calling, calling, calling on you

To my surprise, you hypnotized
A little girl but made a woman come alive
It's no mystery, baby, can't you see
You are everything I ever promised me?

Your touch gives me the go ahead
And it's good to know...

That love is calling
Knocking, knocking, knocking at the door
When love comes calling
Won't you open, open up for more?
Your love is calling
Calling, calling, calling, calling on you

Your love is calling, calling, calling on you, baby
Your love is calling, calling, calling on you, baby

Your touch gives me the go ahead
And it's good to know
Good to know, good to know...

That love is calling
Knocking, knocking, knocking at the door
When love comes calling
Won't you open, open up for more?
Your love is calling
Calling, calling, calling, calling on you

Your love is calling, calling, calling on you, baby
It's calling on you
Your love is calling, calling, calling on you, baby
It's calling on you, baby, baby, baby, baby...

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あなたを見た、あなたは私を見た
教えて、二人は同じファンタジーを分かちあってるの?
あなたにキスをするわ、あなたも私にキスをして
ちょうどメッセージを受け取ったの、そう、それは私とあなた

あなたの笑顔が僕にGOサインを出す
わかってよかったわ...
愛が呼んでいるって
ドアを何度もノックする
愛が呼びに来たなら
扉を開かない?もっと開けるでしょ?
あなたの愛が呼んでいる
呼んでいる、呼んでいる、あなたを呼んでいるわ

驚いたことに、あなたは小さな女の子に催眠術をかけて
ひとりの女性を生き返らせたの
ミステリーなんかじゃない、 ベイビー わからない?
あなたは私が自分の約束したすべてなの?

あなたのタッチは私にゴーサインを出す
わかってよかったわ...
愛が呼んでいるって
ドアを何度もノックする
愛が呼びに来たなら
扉を開かない?もっと開けるでしょ?
あなたの愛が呼んでいる
呼んでいる、呼んでいる、
あなたに呼びかけている

あなたの愛が呼んでいる 呼んでいる
あなたに呼びかけているの ベイビー
あなたの愛が呼んでいる 呼んでいる
あなたに呼びかけているの ベイビー

あなたのタッチが私にゴーサインを出す
わかってよかった、よかった、、
愛が呼んでいるって
ドアを何度もノックする
愛が呼びに来たなら
扉を開かない?もっと開けるでしょ?
あなたの愛が呼んでいる
呼んでいる、呼んでいる、あなたに呼びかけている

あなたの愛が呼んでいる 呼んでいる 呼んでいる あなたに ベイビー
あなたに呼びかけている
あなたの愛が呼んでいる 
あなたに訪れたのよ ベイビー ベイビー ベイビー...

 (拙訳)

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  デニース・ウィリアムスはインディアナ州出身のシンガー。

 歌を歌っていた両親からの影響もあって、子供の頃から教会で歌いはじめました。彼女は一度は看護師を目指しますが、音楽をあきらめきれずナイト・クラブで歌い始め、まだ、10代後半だった1968年から1970年にかけて、彼女ははシカゴのローカル・レーベルから、本名のデニス・チャンドラー名義で6枚のシングルを録音しています。

 その中には、のちにイギリスのノーザン・ソウル・シーンで人気になった曲もありました。

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 その後、彼女はいとこの紹介でスティーヴィー・ワンダーのバックコーラス”ワンダー・ラヴ”に参加し、モータウンのセッションでも歌う仕事を得ます。

 そして、スティーヴィーのステージで彼女を見たE,W&Fのモーリス・ホワイトが、彼とプロデューサーのチャールズ・ステップニーのプロダクションで彼女を契約したことがきかっけとなり、1976年にメジャー・デビューを果たします。

 デビュー曲は「Free」。全米25位、R&B2位といきなり大ヒットを飛ばします。彼女のレパートリーでは、やはり一番の名曲かもしれませんね。

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 そして、1978年にはジョニー・マティスとのデュエット「涙のデュエット(Too Much, Too Little, Too Late)」が全米1位に輝きます。

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 そして、大ヒット受けて二人はデュエット・アルバムを作り、その次に制作されたソロ・アルバムがこの「ラヴ・コーリン」を表題曲にしたアルバムでした。

 それまで、彼女のソロ・アルバムはモーリス・ホワイトとチャールズ・ステップニーが手がけていましたが、このアルバムのプロデュースをしたのはデヴィッド・フォスターとレイ・パーカーJr。

 実はアルバムはさほどヒットしなかったのですが、スティーヴ・ルカサージェフ・ポーカロマイク・ポーカロデヴィッド・ハンゲイトといったTOTOのメンバーやビル・チャンプリン、などが参加していて、日本のAORファンからは大人気でした。

 特にこの「ラヴ・コーリン」は、TOTOのメンバーにデヴィッド・フォスターとレイ・パーカーJ r、ビル・チャンプリンが加わり、ホーンのアレンジはE,W&Fでおなじみジェリー・ヘイと完璧な布陣。

 このアルバムと録音スタジオがいくつかかぶっていて、やはりデヴィッド・フォスターが参加していて、同年同月に発売されたE,W&Fの「黙示録(I AM)」とちょっと近い空気を感じます。

 

 またこのアルバムからのシングル「I Found Love」のイントロは松原みきの「愛はエネルギー」のイントロの、元ネタ(ほぼまんまですが、、)になっています。

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 最後は彼女の最大のヒット「レッツ・ヒア・イット・フォー・ザ・ボーイ」を。大ヒット映画「フットルース」に使われ全米1位になりました。

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 レコード会社を通じて彼女に「フットルース」の楽曲に参加しないかという依頼があったときには、すでに他の楽曲の歌い手は決まっていて、残り1曲になっていたそうです。当時ジョージ・デュークと作業していた彼女は、二人でその曲を聴くとレコーディングに取り掛かったそうです。

 ちなみに、この頃彼女が不倫の歌は歌いたくないと断った「すべてをあなたに(Saving All My Love For You)」をホイットニー・ヒューストンが取り上げてNO.1ヒットになったばかりで微妙な心境でいたところ、「レッツ・ヒア・イット・ボーイ」が大ヒットしたことで、すっきりしたと後になって語っています。

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