まいにちポップス

1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、勝手な推理、などで紹介していきます

「コール・ミー(Call Me)」ブロンディ (1980)

 おはようございます。

 今日も「コール・ミー」。

 ただし、昨日はソフトで優しい「コール・ミー」でしたが、今日は真逆で、激しい「コール・ミー」。ブロンディの1980年の大ヒット曲です。

 


Blondie - Call Me (Official Video)

  

 ”あなたの色で私を塗って、ベイビー

   私を塗って あなたの車みたいにね

   あなた色で私を染めて、ダーリン

   あなたが誰か知ってるわ

      あなたのカラー・チャート(色見本)をちょうだい

   あなたがどこから来るのか知ってるわ

 

   私に電話して 呼んで いつでもいいの

   電話して かけつけるから

   昼でも夜でもいつだって 電話してね

  

   キスで私を包んで、ベイビー

    愛で包み込んで 

    デザイナー・シーツで私をくるんでよ

    もっと欲しいのよ

    情熱が高まってゆく なぜだかわからないけど

  愛のアリバイをもみ消して

 

       私に電話して 呼んで いつでもいいの

  電話して かけつけるわ

  ワインを一緒に楽しめる準備ができたら

  呼んで

 

  彼は愛の言語を話すの

        愛しい人よ 電話しておくれ、電話しておくれ(イタリア語)

  電話しておくれ 愛しい人よ 電話しておくれ(フランス語)

  いつでも、どこでも、どこへでも、どんなやり方でも

  いつでも、どこでも、どこへでも、どんなやり方でも ”  (拙訳)

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Colour me your colour, baby
Colour me your car
Colour me your colour, darling
I know who you are
Come up off your colour chart
I know where you are coming from

Call me (call me) on the line
Call me, call me any, anytime
Call me (call me) I'll arrive
You can call me any day or night
Call me

Cover me with kisses, baby
Cover me with love
Roll me in designer sheets
I'll never get enough
Emotions come, I don't know why
Cover up love's alibi

Call me (call me) on the line
Call me, call me any, anytime
Call me (call me) I'll arrive
When you are ready we can share the wine
Call me

Oooh, he speaks the languages of love
Oooh, amore, chiamami, chiamami
Oooh, appelle-moi mon cherie, appelle-moi
Anytime, anyplace, anywhere, any way
Anytime, anyplace, anywhere, any day, any way

Call me (call me) on the line
Call me, call me any, anytime
Call me (call me) for a ride
Call me, call me for some overtime
Call me (call me) I'll arrive
Call me, call me in a sweet design
Call me (call me), call me for your lover's lover's alibi
Call me (call me) on the line
Call me, call me any, anytime
Call me (call me)
Oh, call me, oo-hoo-hah
Call me (call me) on the line
Call me, call me any, anytime

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 「コール・ミー」は1980年の映画「アメリカン・ジゴロ」のために作られた曲です。監督はポール・シュレイダー。「タクシー・ドライバー」、「レイジング・ブル」というマーティン・スコセッシの代表作で脚本を手がけた人です。

 また、主演の”男娼”を演じたリチャード・ギアは、この作品で一躍世界的なスターになりました。

    

    音楽を担当したのが、ジョルジオ・モロダードナ・サマーの曲で大ヒットを連発していた時期ですが、同時に初めて映画音楽を手がけた「ミッドナイト・エクスプレス」でアカデミー賞、ゴールデン・グローヴ賞両方で作曲賞を取り、映画界でも注目されていました。


Chase

 「アメリカン・ジゴロ」の映画音楽を依頼された彼が曲をつけたシーンの中で、冒頭のリチャード・ギアが車を走らせるシーンがありました。

 当初は彼が大ファンだというフリートウッド・マックスティーヴィー・ニックスに依頼しますが、契約の問題で成就せず、やることになったのがブロンディでした。

 

 ブロンディは女性ボーカル、デボラ・ハリーを中心とするバンド。ニューヨークのアンダーグラウンドのパンク・ニューウェイヴ・シーンで活動していました。ちなみに、マドンナは自分のスタイルを作るために、当初デボラ・ハリーから多くを学んだと言われています。

 1976年に「X Offender」という曲でデビューしますが、全くヒットしませんでした。


Blondie - X Offender

 最初にオーストラリアでブレイク、そしてイギリスのニュー・ウェイヴ・シーンとうまくシンクロしてヒットを飛ばし、そして1979年「ハート・オブ・グラス」で見事全米1位に輝きます。


Blondie - Heart Of Glass (Official Music Video)

    「アメリカン・ジゴロ」の仕事を受けた彼女は、ジョルジオが適当な歌詞をつけたデモをもらい、映画のシーンを見ながら、それに合った歌詞を考えたそうです。

 リチャード・ギアの演じるジゴロは、電話で仕事をもらい、顧客の好みに完璧に合わせます。そこで、"Call Me"や"Color Me Your Color(あなたの色に塗って)”というフレーズが出てくるわけです。

 また、スウェーデン人の顧客のためにスウェーデン語の勉強をしたり、フランス語を話している女性にフランス語で話しかけたり、”自分はイタリアで生まれてフランスで育ったんだ”などと語るシーンもあって、そこからこの曲の最後" Call Me,My Love”をイタリア語、フランス語で言うところと繋がりが生まれます。

 また主人公が殺人の嫌疑をかけられる話なので、”愛のアリバイ ”なんてフレーズも入っています。

 エキセントリックなデボラのイメージからすると、意外なほど徹底して映画に寄り添った作詞をしているんですね。

 デビューが31歳と遅く、この時には彼女はもう35歳だったので、青臭いことなど言わない”大人”だったのかもしれませんが。

 

 このブログに登場した多くの曲に共通することですが、何用の曲なのか、または誰用の曲なのか、といった”具体的で限定された条件”の中で書かれたものの方が、結果として万人にウケる作品になることが圧倒的に多いようです。

 

 この曲もそのいい例なのでしょう。もちろん、今では映画と関係なしに楽しめる曲なのですが、あらためて久しぶりにこの曲が使われた映画のシーンを観てみると、ピッタリ合ってるなあ、と思います。

 

 


American Gigolò - Intro (Music: Call Me by Blondie)