まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「Dance With Me」オーリアンズ(1975)

 おはようございます。

 今日はオーリアンズの「Dance With Me」。気候がいい日に聴くにはまさにぴったりの曲だと思います。


Orleans - Dance With Me

 

 ”ダンス・ウィズ・ミー 君のパートナーになりたいんだ

 わかるだろ? 音楽は始まったばかり 夜が呼んでいる

    僕はそんな気分さ 一緒に踊ろうよ

 

    ファンタジーだってそんな悪いもんじゃない 僕は自由を感じる

 君もその気になってるといいな 

    ビートを感じて 足を蹴り上げて 一緒に踊ろうよ

 

    宙に舞い上がるような気持ちで 星のように瞳を輝かせて

 僕らは愛にかこまれている さあ君の行きたいところに僕が連れてゆくよ” (拙訳)

 

  爽やかなコーラス・ワークがちょっとウエスト・コーストっぽくもありますが、実はニューヨークが拠点のバンドです。

 この曲はバンドの中心メンバーであるジョン・ホールが曲を書き、当時の奥さんのジョアンナさんが歌詞を書いています。オーリアンズのほとんどの曲はこの夫婦が手がけているのです(1985年に二人は別れてしまいます)。

  二人は1971年に結婚しますが、その年に二人はジャニス・ジョプリンに曲を提供しています。ロック史上屈指の名盤と呼ばれている「パール」に収録された「ハーフ・ムーン」という曲です。


Janis Joplin - Half Moon (Audio)

  そして翌72年にジョンはオーリアンズを結成しますが、なかなかヒットには恵まれませんでした(デビュー・アルバム「オーリアンズ」では「ハーフ・ムーン」をセルフカバーしています)。

 そして75年にこの「ダンス・ウィズ・ミー」がようやく大ヒットするわけです。

 実はその前の年にジョンとジョアンナ夫妻はイギリスでヒットを出しています。

  アカペラの代名詞「ソー・マッチ・イン・ラブ」のザ・タイムスが歌った「Ms Grace」という曲で、アメリカでは全く売れなかったのにイギリスではNO.1になったのです。


THE TYMES -ms. grace

 「ダンス・ウィズ・ミー」は自宅でジョンがアコギ一本でメロディを作っていたのを別の部屋で耳にしたジョアンナが「それ、ダンス・ウィズ・ミーって感じね」と彼に言ってきたそうです。

 ジョンはそれはありきたりだと感じたらしく、もうちょっと普通っぽくないものを考えられないかな、と言ったそうです。彼女は”わからないけど、ほんとに”ダンス・ウィズ・ミー”って感じがするのよ、と答えたそうです。

 二人は解決案が出せず、「ダンス・ウィズ・ミー」案に納得できなかったジョンは結局インスト・ヴァージョンだけ作ったそうです。そしてあるときメンバーに聴かせたところ、これはヒットしそうだから仕上げたほうがいいという話になったそうです。

 そしてライヴの後、車で家に帰る途中ジョアンナが歌詞の一節を思いつき封筒の裏に書き留めはじめ、家に着く頃には出来上がっていたそうです。

 「ダンス・ウィズ・ミー」でよかったわけですね。”ファースト・インスピレーションが正解”というのは、音楽に限らず、誰の人生でも多々見受けられる法則のように僕は思います。

 

 この曲にはなかなかいいカバーがありますが、僕がオリジナルにも引けを取らないと思っているのが村田和人のヴァージョンです。1985年リリースのシングル「Show Must Go On」のカップリングでした。


Dance With Me/村田和人

  もうひとつ、兄ジェイムス・テイラーよりも爽やかなリヴィングストン・テイラーもこの曲はぴったりだと思います。1980年リリース、AORファンからも人気の「Man's Best Friend」に収録されています。


livingston taylor - dance with me

 

 

 

ダンス・ウィズ・ミー

ダンス・ウィズ・ミー

 

 

SHOWDOWN

SHOWDOWN

  • アーティスト:村田和人
  • 発売日: 2012/05/23
  • メディア: CD