まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー(Whatcha Gonna Do For Me)」ネッド・ドヒニー(1988)

おはようございます。

今日はネッド・ドヒニーの「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー」です。


Whatcha Gonna Do For Me? - Ned Doheny

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All night and all day, just chippin' away
It's all in a day's work;
Tryin' hard to defend
The time that I spend alone
The ground that you lose exploiting
The blues
Won't get the job done;
Still, as deep as it bites
I'm keepin' my sights on you

 

Whatcha gonna for me
What are you gonna do for me
Whatcha gonna do for me, when
The chips are down

 

In the cool of the night, when
Nothing seems right

The feeling can take you;
Strange as it seems
You make your own dreams
Come true
If you try to conceal the way
That you feel
You're askin' for trouble;
Just as sure as you'll cry
I'm keepin' my eye on you

You don't have to tell me I'm
To blame for this
The thing you hold against me
Is the thing that I miss

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朝から晩までずっと、ただ時間を潰している
いつものことさ
なんとか守ろうとしているんだ
ひとりで過ごす時間を
君が失くした場所から悲しみが生み出されている
その作業は終わりそうもないんだ
じっと、深く噛みしめるように
君を見つめ続けている

僕のために何をしてくれるの?
僕のために何をしてくれるの?
僕のために何をしてくれるの?
いざという時に


夜の冷たさの中で
何もかもしっくりこない時
その気持ちにとらわれてしまう
奇妙に思えるかもしれないけど
君は君の夢を実現するのさ

自分の気持ちを隠そうとすると
トラブルになるだけだ
ただ、泣きをみることになるだけ
君から目を離せない

 

僕のために何をしてくれるの?
僕のために何をしてくれるの?
僕のために何をしてくれるの?
いざという時に


僕のせいだって君は僕に言う必要はない
君が僕に対して耐えているのは
僕が失くしてしまったものなんだ

         (拙訳)

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  この曲をヒットさせたのはチャカ・カーン。1981年の全米R&BチャートNO.1。

ということで、当時巷に流れていたのは、ほぼ彼女のヴァージョンだったと記憶しています。


Chaka Khan - What Cha' Gonna Do For Me

  この曲のオリジナルはアヴェレイジ・ホワイト・バンド(AWB)。メンバーのヘイミッシュ・スチュアート

 

 チャカ・カーンのプロデューサー、アリフ・マーディンがAWBのプロデュースを長くやっていたので、このカバーが実現したのでしょう(ただし「Shine」のプロデュースはアリフじゃなく、デヴィッド・フォスターでした)。AWBからはギターのヘイミッシュ、ドラムスのスティーヴ・フェローンが参加しています。

 それから、ヘイミッシュがAWBのヴァージョンのコーラスにチャカも参加していたと言っていたという記事を見たことがあります。あらためて聴き直してもチャカの声らしきものは聴こえませんが、彼女の存在感が大き過ぎてミュートされてしまったのでしょうか?

 さて、AWBのヴァージョンはこんな感じです。チャカのヴァージョンはオリジナルを踏襲しながらよりパワフルになっていることがわかります。
Average White Band - Whatcha' Gonna Do For Me (1980)

 ”Whatcha Gonna Do For Me(私のために何をやってくれるの)?とチャカが歌うと、厳しくとがめられている感じがするのに、男性が歌うと”何にもやってくれないことはわかってるんだけど、言ってみただけ(苦笑”  みたいに感じられるから不思議なものです。

 

 世間ではこの曲と言えば、チャカかAWBのどちらかのヴァージョンを指しますが、僕が好きなのはネッド・ドヒニーのセルフ・カバー。1988年に日本だけで発売されたアルバム「ライフ・アフター・ロマンス」の冒頭を飾っていました。

 

 このヴァージョンを聴くことで、この曲が本来持つAORらしさ、を再認識できたからです。それから、チャカやAWBよりもサウンドじゃなく”歌”を聴かせているニュアンスが強い。結果、”Whatcha Gonna Do For Me?”と男から言うという、ちょっとやるせない感じもよく出ていると思うんです。

 

  ネッドは1960年代後半にカリフォルニアのフォーク・ロック・シーンから出てきて、ジャクソン・ブラウンイーグルスのメンバーなどと無名時代から交流していた人です。

 しかし、彼は本来フォークじゃなくR&Bに深く傾倒していました。

 ジャクソン・ブラウンは後年こうコメントしています。

「彼は僕の持っていた”The Greatest 64 Motown Original Hits"という四枚組LPを借りていって、ただそれを聴くだけじゃなく、自分の分子構造にまで融合させていったんだ」

 

 1973年のデビュー・アルバムはフォーク・ロックっぽい作品でしたが、1976年の「ハード・キャンディ」は彼本来のR&Bのグルーヴが生かされた作品でした。今では同年に発売されたボズ・スキャッグスの「シルク・ディグリーズ」とともにAORの先駆けの名作と評価されています当時は売れずに終わり、彼は長い沈黙に入ってしまいます。

 

 1982年には、チャカのヒットを受けて、この曲のセッションも行われたのですが結局お蔵入りし2014年になって初めてお披露目になっています。


Ned Doheny - What Cha' Gonna Do For Me (demo with AWB)

 そして、1988年に「ライフ・アフター・ロマンス」が日本だけで発売になったように彼を支持し続け、かつ再評価もしたのは日本のリスナーでした。90年代に入っても日本では作品がリリースされ続け、FMのレギュラー・プログラムも持っていました。

 そして、近年はネットにより様々な国で彼のような音楽を好きな人が認知できるようになり、彼は再評価され始めているようです。

 彼自らも言っていますが、彼の作品は世に出た時よりも今の方がより多くの人に聴かれているのです。

 

 最後に最新カバーを。以前にこのブログで紹介した、イギリスのAORデュオ”ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス”。数日前にアップされたばかり。

AORのマナーをちゃんと心得た、正当派のカバーです。

 



Whatcha Gonna Do For Me? (AWB Cover)

 

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