おはようございます。
いよいよ、今年もあとわずか。今年のイヤなことをすぱっと忘れて盛り上がりたいところです。
僕は、実際のパーティは、人疲れしてしまって苦手なんですが、パーティ気分の歌は昔から好きです。
その中でも好きなのはこれです。
Got To Give lt Up - Marvin Gaye
黒い夜、なんていうと、ハードボイルドとか犯罪の匂い(?)がしますが、全然そんな歌ではありません。
”僕はパーティに行くといつもただ突っ立っていた。
だって、緊張しすぎて楽しめなかったから
でも、体はノリたがっていたんだ
それでもう壁の前で立ってるのをやめて
フロアに出てみたんだ ”
ディスコがかなり盛り上がってきていた時期の大ヒット曲です。
飛行機の墜落事故で22歳の若さで亡くなってしまった、1990年代を代表するR&Bの歌姫アリーヤもカバーしていました。
Aaliyah - Got To Give It Up [1080p HD Widescreen Music Video]
なんと、小沢健二もカバーしています。マーヴィン のトリビュートアルバムの日本盤に収録されていました。
2013年にアメリカ、イギルス他25カ国以上で1位になり、全世界で1480万枚以上売れたと言われるロビン・シックの超大ヒット曲「ブラード・ラインズ」がこの曲の盗作じゃないかと、マーヴィン の遺族に訴えられるということがありました。
Robin Thicke - Blurred Lines ft. T.I., Pharrell (Official Music Video)
ロビンが、ファレル・ウィリアムスとスタジオに入って「黒い夜」みたいなノリの曲を作ろうと言ったという趣旨の発言を雑誌のインタビューでしていたことが決定的だったようで、裁判でロビンとファレルに484万ドルの損害賠償の支払いが命じられたそうです。
僕個人としては、楽曲の盗作というのはよほど安直、確信犯的なものでない限りジャッジできないものだと思います。どんな楽曲も意識、無意識を問わず、既存の曲の影響なしでは作り得ないからです。
ちなみに、特にこのケースに関しては「セーフ」だと僕は思います。全体のグルーヴの”ムード”以外は、似ていない。これが盗作だとされると、うかうか曲なんて作れなくなるんじゃないでしょうか。それに、単に「黒い夜」の真似だけだったらこれほどの特大ヒットにはなっていないはずです。強いオリジナリティがちゃんとあったわけです。
でも、この曲があまりに売れすぎて、マーヴィンの遺族も看過できなかったんでしょうね。最初に確認しておくとか、いっそ少しサンプリングして最初から共作扱いにすればよかったのかもしれないですけどね。でも、ロビン・シック側もこんなに売れるとは夢にも思わなかったはずです。
でも、視点を変えれば、似たサウンドの多かったディスコ時代の曲の中で、裁判で本家であると堂々と主張できるほど、マーヴィンの作ったサウンドのオリジナリティは際立っているということも言えます。
この曲は「ダンシング・レディ」というタイトルで着想されたそうです。1976年にジョニー・テイラーの「ディスコ・レディ」という曲がむちゃくちゃヒットしていて、マーヴィンはそれを意識したようです。
Disco Lady - Johnnie Taylor '1976
ディスコと一口で言っても、1970年代中ごろと後半ではビートの速さが結構違います。マーヴィンだったら本来「ディスコ・レディ」くらいのテンポのほうが似合いそうですが、「黒い夜」ではテンポを早くした、これが大きな勝因のひとつだったと思います。
ちなみにその「黒い夜」をさらにアップデートしたのがマイケル・ジャクソンの「今夜はドント・ストップ」です。
正確に言えば、「今夜はドント・ストップ」の雛形になったジャクソンズの「Shake Your Body」という曲が「黒い夜」にインスパイアされているわけですが。
ともかく、「ディスコ・レディ」〜「黒い夜」〜「今夜はドント・ストップ」というアップデートの流れを、追って聴き通すことで、ディスコのグルーヴの”進化”を最短で感じることができると思います。
最後にマーヴィン・ゲイの貴重なライブとそしてジャスティン・ティンバーレイクのライブ映像を。あれ、ジャスティンが歌ってるとなんだか「ブラード・ラインズ」みたいに聴こえるような、、。
Marvin Gaye - LIVE Got To Give It Up 1981
Got To Give It Up - Justin Timberlake