おはようございます。
今日はシールズ&クロフツの「想い出のサマー・ブリーズ」です。
Seals & Crofts - Summer Breeze (Official Audio)
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See the curtains hangin' in the window
In the evening on a Friday night
A little light a-shinin' through the window
Lets me know everything's all right
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' through the jasmine in my mind
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' though the jasmine in my mind
See the paper layin' on the sidewalk
A little music from the house next door
So I walk on up to the doorstep
Through the screen and across the floor
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' through the jasmine in my mind
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' through the jasmine in my mind
Sweet days of summer, the jasmine's in bloom
July is dressed up and playing her tune
And I come home from a hard day's work
And you're waiting there
Not a care in the world
See the smile awaitin' in the kitchen
Through cookin' and the plates for two
Feel the arms that reach out to hold me
In the evening when the day is through
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' through the jasmine in my mind
Summer breeze makes me feel fine
Blowin' through the jasmine in my mind
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”窓に吊るされたカーテンが揺れているのが見える 金曜日の夕暮れ
窓からこぼれるささやかな灯りを見ていると 僕は安らかな気持ちになれるんだ
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける
歩道で新聞が風でめくれるのが見える 隣の家からはかすかに音楽が聞こえる
だから僕は入り口の階段のところまで行って
網戸越しに聞こえる音楽を確かめてみる
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける
素敵な夏の日々 ジャスミンの花は満開
7月はドレスアップして 曲を奏でている
僕はきつい仕事から家に帰ると 君が待っている
他のことはどうだっていい
目に入ってくるのはキッチンで待っている君と、
君の料理と二人のためのプレート
君は手をのばし僕を抱きしめてくれる
そんな夕暮れ、一日の終わり
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける
夏のそよ風が気持ちいい 僕の胸にジャスミンの香りが吹き抜ける ”(拙訳)
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夏の夕暮れ、帰宅するときの平穏な情景をはっきりと描き出している歌です。
シールズ&クロフツはジム・シールズとダッシュ・クロフツによる男性デュオ。
この曲を書いたジム・シールズはこう語っています。
「”想い出のサマー・ブリーズ”は仕事帰りの男についてのいたってシンプルな歌なんだ、犬が鳴いている声が聞こえてくるとか、そういう感じの。多くの人にとっては安心感が得られる歌なんだ。
僕たちにとってはそれよりもっと意味があって、たとえば、牢獄というのは自分自身の心を閉じ込めてしまうものにもなり得るし、人は自分の生活に方向性を持たないと不安になったり偏執的になったりするということなんだ」
(Songfacts)
彼の意図は僕にははっきりとは掴めないので、これは僕の個人的な解釈になるのですが、目に入るものが全て不安を煽ってくるような今の時代には、自分の中に平穏で心安らぐ情景、記憶があって、それを時折思い浮かべることは大事かもしれないと思いました。
さて、ジムがこの曲を思いついたのは発売の2年前1970年、ニューヨーク、ウッドストックのレコーディング・スタジオでした。メロディと歌詞が同時に浮かび、苦労することなく出来上がりました。
彼の脳裏に浮かんだのは6歳の頃の家の様子で、その場所に運び戻されたような
感覚になったといいます。
そして、この曲を聴いた多くの人たちも、それぞれの遠い夏の懐かしく平和な情景を思い浮かべることができたので、きっと大きなヒット曲になったのでしょう。
あっという間に思いついたこの曲ですが、レコーディングは大変に時間がかかりました。
1970年のアルバム「ダウン・ホーム」と、1971年の「イヤー・オブ・サンデイ」という二枚のアルバムでこの曲をトライしましたが、納得できる仕上がりにはなりませんでした。
そして、1972年のアルバム用に再度トライし、ようやく納得できるものに仕上がったのです。
リリース当初はチャートインすらせず、数ヶ月後にはレコード会社もプロモーションを打ち切ると彼らに通達していたそうです。しかし、マネージャーが懸命にラジオプロモーションを続けたそうで、彼がボストンの人気ラジオ局に行ってDJに直接レコードを聴かせたことから番組のローテーションに入り、それをきっかけに各ラジオ局に火がついてゆき、最終的には全米6位の大ヒットになりました。
ちなみに、ジム・シールズの弟は、やはり同時代の男性デュオ、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーのイングランド・ダン。彼らはシールズ&クロフツのアルバムにも参加したことがあります。
この二組のデュオはもともとは違った音楽性がありましたを持っていましたが、1970年代はじめになると、どちらもポップでメロディアスな曲をハーモニーで聴かせる”ソフト・ロック”のスタイルで、一世を風靡しました。
また、彼らはデュオ結成前に、グレン・キャンベルと”Glen Campbell and the GCs”というバンドで活動していたことがあったそうです。
この曲のカバーは1974年のアイズレー・ブラザースが有名ですね。全米60位、ソウルチャート10位。
同じ年に別のR&Bグループもとりあげています。ニューヨーク、ハーレムで結成されたヴォーカル・グループ、メイン・イングリーディエント。
Main Ingredient - Summer Breeze
新しめのところでは、ジェイソン・ムラーズ。2004年にTVドラマ「エバーウッド 遥かなるコロラド」のために録音したもののようです。