まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋のかけひき(Don't Pull Your Love)」ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズ(1971)

 おはようございます。

 今日はハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズの「恋のかけひき」です。

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Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years
Don't pull your love out on me, honey
Take my heart, my soul, my money
But don't leave me drownin' in my tears


You say you're gonna leave
Gonna take that big white bird
Gonna fly right out of here
Without a single word
But you know you'll break my heart
When I watch you close that door
'Cause I know I won't see you anymore


Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years
Don't pull your love out on me, honey
Take my heart, my soul, my money
But don't leave me drownin' in my tears


Haven't I been good to you
What about that brand new ring
Doesn't that mean love to you
Doesn't that mean anything
If I threw away my pride
And I got down on my knees
Would you make me beg you pretty please


Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years
Don't pull your love out on me, honey
Take my heart, my soul, my money
But don't leave me drownin' in my tears


There's so much I wanna do
I've got love enough for two
But I'll never use it, girl, if I don't have you


Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years
Don't pull your love out on me, honey
Take my heart, my soul, my money
But don't leave me drownin' in my tears


Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years
Don't pull your love out on me, baby
If you do then I think that maybe
I'll just lay me down and cry for a hundred years

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愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
横たわって100年ただ泣き続けるよ
愛をひきあげないで、ハニー
僕の心と魂とお金を奪って
涙に溺れている僕を見捨てないで


君は出てゆくと言った
あの大きな白い鳥を連れて
ここから飛び立っていくんだ
一言も残さずに
だけど、君は僕の心を傷つけるのさ
君がドアを閉めるのをじっと見るとき
だって、君にはもう会えないから


愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
ただ横たわって100年泣き続けるよ
愛をひきあげないで、ハニー
僕の心と魂とお金を奪って
涙に溺れている僕を見捨てないで


僕は君によくしていなかったかい
その新しい指輪はどうなんだ?
それは君にとって愛を意味しないのかい
それは何の意味もないのかい
もし僕がプライドを捨てて
跪いてたら
どうぞお願い!って懇願させてくれるかい


愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
ただ横たわって100年泣き続けるよ
愛をひきあげないで、ハニー
僕の心と魂とお金を奪って
涙に溺れている僕を見捨てないで


やりたいことはたくさんある
二人に十分なほどの愛があるのに
でも使うことができないよ、ガール、もし君がいなければ


愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
ただ横たわって100年泣き続けるよ
愛をひきあげないで、ハニー
僕の心と魂とお金を奪って
涙に溺れている僕を見捨てないで


愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
ただ横たわって100年泣き続けるよ
愛を僕からひきあげないで、ベイビー
君がそうするなら、僕はたぶん
ただ横たわって100年泣き続けるよ

             (拙訳)

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   ダン・ハミルトン、ジョー・フランク、トミー・レイノルズの3人がロサンゼルスで結成したグループ。スリー・ドッグ・ナイトに触発されたと書いてある記事もありました。

 

 このグループのルーツを探ってゆくとこの曲にぶつかります。

 1965年に全米3位になったインスト曲「ビートでOK(No Matter What Shape (Your Stomach's In))」です。

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 演奏しているグループはTボーンズ。このグループ、実はドラムスがハル・ブレイン、ベースがキャロル・ケイ、ギターがトミー・テデスコ、、といった当時の超凄腕スタジオ・ミュージシャン集団”レッキング・クルー”がメンバーなんです。

 解熱鎮痛剤のアルカセルツァーのTVCMの曲をシングル化してヒットさせようという企画もので、実際に大ヒットになりました。

 そこでレーベルのリバティ・レコードが、もうちょっと儲けようとツアーを計画しますが、レッキングクルーのメンバーは売れっ子ですから無理ということで、別のメンバーを集めることになります。

 そこで声がかかったのがダン・ハミルトンのお兄さんのジャッドで、彼はシンガー、ミュージシャンとしてベンチャーズとも仕事をしていたような人でした。ジャッドは弟にも声をかけバンドが集められます。そして、そこから二人脱退して、代わりに入ってきたのがジョー・フランクとトミー・レイノルズだったのです。

 

 Tボーンズは日本にも来日したことがあるようで、”ベンチャーズの弟分”という宣伝文句で、こちらの曲の方がヒットしたようです。

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 さて、この「恋のかけひき」を書いたのがデニス・ランバートとブライアン・ポッターのコンビ。

 ランバートはニューヨーク、ブルックリン生まれ、ポッターはイギリス生まれでそれぞれの国で活動していましたが、1969年にランバートがロンドンに行った時に出会い、その後チームを組みLAを拠点にして活動を始めます。

 彼らが最初に仕事を始めたT.A(タレント・アソシエイツ)というレーベルが”ダンヒル・レコード”に買収されたことで、そのままダンヒルで仕事を続けることになります。ダンヒルキャロル・キング「つづれおり」のプロデューサーで知られるルー・アドラーが中心になって設立されたレーベルです。

 

 そのレーベルのオーディションを受けに来たのが、ダン・ハミルトン、ジョー・フランク、トミー・レイノルズの3人、Tボーンズは1967年末に解散していました。ウィキペディアによると、彼らはCCRの曲を演奏したそうですが、ダンヒルのプロデューサーのスティーヴ・バリがこの「恋のかけひき」を歌ってみないかともちかけ、彼らが歌えるようになるとそのまま契約になったそうです。

(「恋のかけひき」は当初、同じダンヒルに所属するグラス・ルーツに提案されましたが却下されたと言われています。グラス・ルーツはのちにライヴで”俺たちのために書かれた曲だった”と説明してこの曲を演奏していたという記述が”Songfacts"にありました)

 

 そして彼らは「恋のかけひき」でデビューするといきなり全米4位の大ヒットになりますが、その後は失速していき、1972年にはレイノルズが脱退、その後ダンヒルとの契約も切られてしまいます。

 しかし、粘り強く活動を続け、レイノルズの代わりにアラン・デニソンが加入しますが、彼らが新しいレーベルと契約するときに、かつての知名度を使うために、アーティスト名は”ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズ”を維持することにします。

 

 そして、リリースされたシングル「フォーリン・イン・ラヴ」は見事全米1位に輝きました。作曲はダン・ハミルトン。歌詞に苦労していたのを助けたのが奥さんのアンで、夫婦の共作曲になっています。

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  この曲の大ヒット受けて、ようやく彼らは"ハミルトン、ジョー・フランク&デニソン"に名前を変えることができました。

 その後ヒットは出ませんでしたが、1976年のアルバム「Love And Conversation」はAORファンからはよく認知されている作品です。

 

 最後はそのアルバムから1曲。「Now That I've Got You 」。

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