おはようございます。
今日はザ・ビーチ・ボーイズ「カリフォルニア・ガールズ」。
The Beach Boys - California Girls
ファッションもホント最高
あと、南部の子のしゃべり方 僕はノックアウトされちゃうな
中西部の農家の娘たちはいい気分にさせてくれるよ
あと、北部の女の子のキスのやり方、
夜はそれで彼氏をあたためてあげるんだ
そんな女の子たちがみんなカリフィオルニア・ガールだったらなあ、、
西海岸は太陽にあふれてるし
女の子はみんな陽に灼けている
僕はハワイの人形みたいな女の子たちのフレンチ・ビキニを楽しむんだ
砂浜の椰子の木陰でね
この広い世界中を回って いろんな女の子たちを見て来たよ
でも、アメリカに帰りたくてしょうがなくなるんだ
世界で一番キュートな女の子のいるところにね
そんな素敵な女の子たちがみんなカリフォルニア・ガールだったらなあ、、、”
(拙訳)
” カリフォルニアの女の子賛歌”だと僕はずっと思い込んでいたんですが、カリフォルニア・ガールズについては直接、具体的に褒めてないんです。ビキニ姿だけ楽しんでおいて、、。直接、具体的に褒めてるのはアメリカの他の地域の女の子たちだけ。
ブライアン・ウィルソンはこう語っています。
「<カリフォルニア・ガールズ>のアイディアのもとは、女の子のことばかり考えている男の子だった。女の子のことを考え出すと頭がいっぱい。あらゆるタイプの女の子を思い浮かべるんだけど、本当にいてほしいタイプはひとつだけ。そして、そんな女の子は、まさにこの地元にいるってわけ」 (「ブライアン・ウィルソン自伝」)
"I wish they all could be California girls”
(女の子たちがみんなカリフォルニア・ガールだったらなあ)
というフレーズがまさにポイントなんでしょう。
このフレーズだけは作曲したブライアン・ウィルソンが考えたもので、それをもとにメンバーのマイク・ラヴが歌詞を書いていったと言われています。
他のエリアの女の子とカリフォルニア・ガールをどっちがいいとか”比較”せずに、全ての女の子を肯定しながら、その中でもカリフォルニア・ガールを最も賛美していることがわかる、という、夢想家で平和主義的なブライアンらしさがよく出た言い回しだなあ、と僕は感心してしまいます。
ちなみに、この曲の歌詞がビートルズの曲にも影響を与えているんです。
それが「バック・イン・ザ・U.S.S.R」。
The Beatles - Back In The U.S.S.R. (2018 Mix / Lyric Video)
ビートルズのメンバーがマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの元で瞑想を学んでいる時に、ポールがこの曲を思いつき、同じプログラムに参加したマイク・ラヴに歌って聞かせたそうです。すると、マイクは「ロシアの女の子や、ウクライナの女の子や”ジョージア(英語ではグルジアと同じ綴り)・オン・マイ・マインド”とか、そういう歌詞にすべきだ」と言ったと彼は語っています。
それでポールは「カリフォルニア・ガールズ」をヒントに歌詞を書き、コーラスもビーチ・ボーイズ風にしたようです。
”ウクライナ・ガールズにはほんと、ノックアウトさ
西側の女の子なんて全然かなわないよ
モスクワ・ガールズは僕を歌わせシャウトさせてしまう
ジョージア(グルジア)・オン・マイ・マインドってね、、” (拙訳)
1985年には、ヴァン・ヘイレンのヴォーカリストだったデイヴィッド・リー・ロスがカバー。ビーチ・ボーイズのドリーミーなムードは失せ、80年代らしい明快でパロディっぽくなっています。
David Lee Roth - California Girls (Music Video)
そして、2010年にはケイティ・ペリーがカバーじゃなく、同タイトル(表記は”
California Gurls”ですが)のオリジナル曲をリリース。ラップでスヌープ・ドッギー・ドッグが"I wish they all could be California girls”と言っているので、ビーチ・ボーイズサイドから訴えられたそうですが、
それがなくても、ビーチ・ボーイズのオリジナルを受けて、現代版カリフォルニア・ガールズが自画自賛する内容になっていると思います。
Katy Perry - California Gurls (Official) ft. Snoop Dogg
”カリフォルニア・ガールズ”は明快でインパクトのある”イメージ”なんでしょうね。