おはようございます。今日はカーペンターズの「愛は木の葉のように(Love Me for What I Am)」です。
We fell in love
On the first night that we met
Together we've been happy
I have very few regrets
The ordinary problems
Have not been hard to face
But lately little changes
Have been slowly taking place
You're always finding something
Is wrong in what I do
But you can't rearrange my life
Because it pleases you
You've got to love me for what I am
For simply being me
Don't love me for what you intend
Or hope that I will be
And if you're only using me
To feed your fantasy
You're really not in love
So let me go, I must be free
If what you want
Isn't natural for me
I won't pretend to keep you
What I am I have to be
The picture of perfection
Is only in your mind
For all your expectations
Love can never be designed
We either take each other
For everything we are
Or leave the life we've made behind
And make another start
You've got to love me for what I am
For simply being me
Don't love me for what you intend
Or hope that I will be
And if you're only using me
To feed your fantasy
You're really not in love
So let me go, I must be free
And if you're only using me
To feed your fantasy
You're really not in love
So let me go, I must be free
You're really not in love
So let me go, I must be free
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二人は恋に落ちた
初めて出会ったその夜に
一緒にいれば幸せで
後悔なんてほとんどなかった
たいていの問題なら
大したことはなかった
でも最近は小さな変化が
ゆっくり起こり始めてる
あなたはいつも
私のすることに欠点を見つける
でもあなたは私の人生を変えるなんてできない
それがあなたを満足させるとしても
愛してほしい ありのままの私を
ただ、そのままの私を
あなたの思惑や希望する姿の私を
愛さないで
もし私を、あなたの空想を満たすために
利用しているだけなら
本当に愛してるわけじゃない
だから私を行かせて、私は自由でなければ
もしあなたが望むものが
私にとっては自然でないなら
あなたといるために偽ることはできない
私は私でなければならない
完璧な姿なんて
あなたの頭の中にしか存在しない
あなたの期待全部に応えるように
愛はデザインできるものじゃない
私たちはお互いの全部を受け入れるか
二人で築いた人生を手放して
新たなスタートを切るしかない
愛してほしい ありのままの私を
ただ、そのままの私を
あなたの思惑や希望する姿の私を
愛さないで
もし私を、あなたの空想を満たすために
利用しているだけなら
本当に愛してるわけじゃない
だから私を行かせて、私は自由でなければ
もし私を、あなたの空想を満たすために
利用しているだけなら
本当に愛してるわけじゃない
だから私を行かせて、私は自由でなければ
あなたは本当に愛してるわけじゃない
だから私を行かせて、私は自由でなければ (拙訳)
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サブスクの時代になって、有名アーティストの人気曲がどんどん書き換わってきています。リアルタイムで聴いていたファンが驚くような現象もよくあります。代表的なものだとビートルズです。ずっと長い間Spotifyで世界中で一番聴かれている曲が「ヒア・カムズ・ザ・サン」なんです。もうぶっちぎりの1位です。レノン=マッカートニーの曲じゃなくジョージ・ハリスンの曲なんですからちょっとびっくりですよね。
カーペンターズの場合はこの「愛は木の葉のように」でしょう。現在(2025年7月)、Spotifyでは彼らの曲の中では5番目に人気なんです。1位が「遙かなる影」、2位「イエスタデイ・ワンスモア」、3位「トップ・オブ・ザ・ワールド」、4位「愛は夢の中に( I Won't Last a Day Without You)」とお馴染みの曲が続きますが、その次なんですよね。
「あれ、どんな曲だったっけ?」正直僕はすぐには思い出せませんでした(苦笑)。カレン・カーペンターの声によく合ったメロディのバラードなのですが、でも、なぜ今人気なんだろう?と不思議に思って、今回取り上げてみることにしました。
「愛は木の葉のように」は1975年に発売されたアルバム『緑の地平線〜ホライゾン』に収録され、アルバムからシングルカットされた「ソリティア」のB面にも入っていました。
リアルタイムではヒットしなかったのに何十年か経ってサブスクの人気曲になったもののほとんどが、映画やドラマ、CMなどに使われているのですが、この曲に関してはそういった情報も見つかりませんでした。
作詞作曲家のクレジットを見ると、カーペンターズ作品を多く手がけている作詞家ジョン・ベティスに加え、パルマ・パスカル(Palma Pascale)という名前がありました。
パルマ・パスカルという人も本当に情報が本当に少なくて、ソングライターとしては「愛は木の葉のように」以外は目立った実績はなさそうでした。
しかし、カーペンターズ関連のwebを運営し本も出しているリック・ヘンリーという人物が彼女にインタビューしたものを掲載したブログ(https://martinis-musings.blogspot.com/2009/03/)が見つかり、彼女についてのプロフィールを知ることができたので、ぜひご紹介したいと思います。
パルマ・パスカルはアメリカニューヨーク州出身。彼女に絶対音感があることを知った母親からしっかりと音楽の教育を受け、6歳で地元のコンサートでピアノの弾き語りをし、12歳からはニューヨークでデモシンガーの仕事も経験していたそうです。ロングアイランドのホフストラ大学に入るとオーケストラの指揮者もつとめ、大学卒業後はソングライターになるために曲を書き続けていました。
「私は、インスピレーションが湧くのは決まってピアノの前に座って、コードを弾きながら自由連想でメロディーや歌詞を流すときでした。でも「Love Me For What I Am」は、まったく異なる方法でやってきたんです。ある晩、私は眠っていました。すると夢の中でこういう言葉が聞こえたんです:
“Love me for what I am, for simply being me,
Don’t love me for what you expect or hope that I will be.”
私は眠りながら「起きてこれを書き留めるべきか」自問していました。正直、起きるのは面倒だったし、「まあ、明日も覚えてるはずでしょ」なんて考えて、何とか眠り続けようとしていました。でも…運命の手が私を動かしたんでしょうね。結局、起きてメモを取り、また眠りに戻りました。本当に、書き留めておいてよかった!翌日、その夢の中のフレーズをもとに、約45分で曲を完成させました。」
彼女はこの曲のデモを録音した後に、この曲はカーペンターズにぴったりだ、と思ったそうです。そして、数日後に母親が買ってきてくれたアーティスト名鑑にカーペンターズの事務所の連絡先も書いてあったのですぐに電話して、デモを送付しました。
すると2週間後には、リチャード・カーペンターがその曲を気に入って次のアルバムに収録することを検討しているという連絡が来たそうです。また、今後彼女が書く曲は最初にカーペンターズに聴かせるという条件を出してきたと言いますから、カーペンターズ側は彼女の才能を気に入ったのでしょう。
まずわかったのは「愛は木の葉のように」は最初はパルマ・パスカルが”一人で書いた曲”だったということです。ただ歌詞は違っていました。
例えば一番はこんな感じだったそうです。
We fell in love and you say I changed your life
(私たちは恋に落ち、あなたは「人生が変わった」と言った)
I made you feel like someone, now you want me for your wife
(私のおかげであなたは自分が何者かに思えて、今あなたは私を妻にしたいと言う)
But if you really love me and what you say is true
(でも、もしあなたが本当に私を愛し、それが本心なら)
Why are you forever trying to change the things I do?
(なぜ、いつも私のやることを変えようとするの?)
You’re never really happy with me the way I am
(あなたは私がありのままでいることに満足してくれない)
But I can’t rearrange myself, so you must understand
(でも私は自分を作り変えることなんてできない。だから、理解して)
「この歌は、数年前に私が付き合っていたあるとてもハンサムな男性との関係をもとにしています。彼は私を深く愛してくれていたように思いますが、実際には私の人生や決断をコントロールしようとしていました。当時の私は彼に強く惹かれていて、彼を理想化していました。そのため、彼の望みに従って行動することが「愛」だと思っていたのです。でも、次第に私は自分の本当の気持ちを無視していることに気づきました。私自身のニーズが後回しにされ、全てが彼中心だったのです。」
カレン・カーペンターが歌うには、歌詞がリアルで具体的すぎたのかもしれません。あなたは私を妻にしたいと言う、なんてカレンは歌わないような気がしますし。そこで、カーペンターズの世界観をよく知るジョン・ベティスが歌詞を修正することになったそうです。
この「愛は木の葉のように」が「ソリティア」とカップリングでシングルされる時に、ビルボードなどの業界誌は「愛は木の葉のように」の方を”推し(Pick)”にしていたそうで、彼女はA面になるのではないかと期待したそうですが、結局B面でのリリースになりました。
その後、彼女が書いた「Box Office Movie King」という曲もカーペンターズの次のアルバムの収録曲の候補になっていたようですが、残念なことに実現せず、数年後にカレン・カーペンターが亡くなってしまったことで、彼女が楽曲提供するチャンスは永久になくなってしまいました。その後、バーブラ・ストライサンドの1979年のアルバム「WET」用に歌詞を書くチャンスがあったそうですが、結局採用されなかったそうです。
音楽業界特有の”運の波”に彼女はうまく乗ることはできなかったんですね。僕自身、今までたくさんの作曲家の楽曲提供を仲介する仕事をやってきたのですが、有名なアーティストに楽曲提供しながら、”セカンド・チャンス”をうまくつかめなかった人もやはり少なくありません。こういうのは音楽の才能とは別のものだと僕は思っています。
その後、彼女はポップ・ミュージックの世界ではなく、ブルードウェイ・ミュージカルやバレエ、またクリスチャン・ミュージックのフィールドで活動を続けていったようです。2006年と2009年にソロアルバムをリリースしていて、それはサブスクで聴くことが出来ます。
そして、調べていくと彼女は2009年9月にまだ58歳の若さで亡くなっていたんです。自身がカーペンターズに唯一提供した楽曲が、長い年月をかけて彼らの代表的なヒット曲に劣らないほどたくさん聴かれるようになる、ということを知ることができなかったのですから、とても残念なことです。
この曲がなぜ人気なのかについては決定的な理由を知ることはできませんでしたが、パルマは「遙かなる影」をラジオで聴いて以来カーペンターズのファンで、カレンのことを”歴代最高のアーティスト”とまで評していますから、そういう影響がメロディラインによく現れていると思います。
あた、リック・ヘンリーはパルマとのインタビューで
”この曲の歌詞は、世界中の熱心なカーペンターズファンにとってほぼアンセムのような存在です”
と話していて、確かにこの曲のテーマは恋愛においてきっと誰もが必ず感じたことのある、リアルで普遍的なものだと思います。ジョン・ベティスが少しカーペンターズ風に調整したとはいえ、彼らの曲の中では率直に聴き手に訴えかけてくるものだと思います。
YouTubeのコメント欄を見ると、両親が好きで良く聴いていた、といった内容も少なくないので、本当にファンから長く愛されてきた曲だということも間違いなさそうです。
ちなみに彼女は昔から歌声がカレンに似ていると言われていたらしく、カーペンターズのためにせっせとデモを作っていた頃に、カーペンターズの出版社からの依頼で、他の作家が書いた曲のデモにカレンに似せて歌うという仕事もやっていたそうです。
最後に彼女が「愛は木の葉のように」を歌っている音源がありますのでそちらを是非お聴きください。アレンジはぐっと明るくポップになっていますが、コーラスの重ね方はカレン・カーペンターぽさをあえて演出しているように僕には聴こえました。

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