まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「スター誕生 愛のテーマ(Evergreen)」バーブラ・ストライサンド(1976)

 おはようございます。

 今日は「追憶」と並ぶ、バーブラ・ストライサンドの映画から生まれたスタンダードを。2018年にレディ・ガガがリメイクしたことでも知られる映画「スター誕生(A Star Is Born)」の主題歌です。


Barbra Streisand - Evergreen - HQ Audio -- Lyrics

 映画のシーンも。


Barbra Streisand Evergreen A Star is Born

 

Love soft as an easy chair
Love fresh as the morning air
One love that is shared by two
I have found with you

Like a rose under the April snow
I was always certain love would grow
Love ageless and evergreen
Seldom seen by two

You and I will make each night a first
Everyday a beginning
Spirits rise and their dance is unrehearsed
They warm and excite us
'Cause we have the brightest love

Two lights that shine as one
Morning glory and midnight sun
Time we've learned to sail above
Time won't change the meaning of one love
Ageless and ever evergreen

 

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    ”愛は 居心地のいい椅子のように柔らかく

   愛は 朝の空気のように新鮮

   二人で分かち合う たった一つの愛を

   あなたと一緒に見つけた 

 

    4月の雪に覆われたバラのように

    愛はきっと育ってゆくといつも信じていた

       愛は老いることはなく 色褪せもしない

       まれにしか見えないもの

 

  あなたと私  いつも夜は初めての夜のように

  毎日を始まりのように生きましょう

  魂は舞い上がって リハーサルなしに踊るの

  そして、私たちをあたため高揚させてくれる

  それは、私たちには何よりも輝く愛があるから

 

  二つの命が一つになって輝き出す

  朝顔のように 真夜中の太陽のように

        時の海を 渡ってゆくすべも私たちは学んだ

  時は 愛の意味を変えることはない

  老いることはなく

  いつまでもみずみずしい ”                        

 

                               (拙訳)

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 実はバーブラの「スター誕生」の方もリメイクで、オリジナルは1937年に「スタア誕生」という邦題の映画です。ちなみに、その「スタア誕生」も1932年の「栄光のハリウッド」という映画のプロットを下敷きにしていると言われています。

 

 若く無名だった女性が、大物の男性と知り合い、恋をしてスターになり、そのかわりに男性のほうは落ちぶれてゆく、というストーリーです。

 ちなみに「栄光のハリウッド」のメインキャストは女優と監督、1937年の「スタア誕生」は女優と俳優という設定でした。

 

 もうすぐ日本で公開される映画「ジュディ 虹の彼方に」のモデルであるジュディ・ガーランド主演でこの映画が1954年にリメイクされたときには(タイトルは「スタア誕生」)、歌手兼女優と俳優という設定とともに音楽の要素が加わり、彼女が歌う「The Man that Got Away」という曲が大きな話題となりました。

 

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 そして、バーブラが出演した「スター誕生」ではシンガーとロックスターという組み合わせになり、ミュージック・ビジネスへと舞台が移ります。もちろん、レディガガのリメイクもこのヴァージョンが元になっています。

 落ち目になってゆくロックスター役を、当初エルヴィス・プレスリーに打診していたという興味深いエピソードもあります。

 

 さて、この曲の作曲はなんとバーブラ自身。作詞はロジャー・ニコルスとのコンビでも知られるポール・ウィリアムスが手掛けています。

 

  最初バーブラはポールにギターを弾きながらメロディーを歌って聴かせたそうです。

完成版のアレンジもアコギのアルペジオが曲の雰囲気を決定づけていますが、もともとがそうだったんですね。

 

 曲のアレンジはイアン・フリーバン・スミス。ヴァン・ダイク・パークスの「ソングサイクル」に参加したり、ニルソンと「柳の嘆き」を共作した人です。

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 それから、この曲のシングルのカップリングでサントラ盤にも入っている「愛を信じて(I Believe In Love)」はケニー・ロギンス作曲で、作詞したのは連日このブログに登場しているアラン&マリリン・バーグマンです。

 


Barbra Streisand -"I Believe In Love"- A Star Is Born - (Sub. español)

 

ケニーはその翌年にセルフカバーし、ソロ・アーティストとしてのデビュー・シングルになっています。ちなみに、サンダーキャットが一番好きなケニーの曲がこれなんだそうです。

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   さて、結構な時を経てバーブラは 2014年のアルバム「パートナーズ」ではベイビーフェイスとこの曲をデュエットしています。

 バーブラは彼がプロデュースした「ため息つかせて」(ホイットニー・ヒューストン)のサントラ盤がとても好きだったようで、パーティ会場であったときに彼にアルバムに参加してほしいと依頼し、アルバム全体のサウンド・プロデュースと1曲デュエットをやることになったそうです。

 ベイビーフェイスもボーカリストとしてはアコギのバラードがとても似合う人なので

この選曲はバッチリだったように思います。


Barbra Streisand with Babyface "Evergreen"

 

 

 

 

 

 

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