まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「スター誕生 愛のテーマ(Evergreen)」バーブラ・ストライサンド(1976)

 おはようございます。

 今日は「追憶」と並ぶバーブラ・ストライサンドの映画から生まれたスタンダードを。2018年にレディ・ガガがリメイクしたことでも知られる映画「スター誕生(A Star Is Born)」の主題歌です。


Barbra Streisand - Evergreen - HQ Audio -- Lyrics

 映画のシーンも。


Barbra Streisand Evergreen A Star is Born

 バーブラの「スター誕生」もリメイクで、オリジナルは1937年、「スタア誕生」という邦題でした。ちなみに、1932年の「栄光のハリウッド」という映画のプロットを下敷きにしていると言われています。

 若く無名だった女性が、大物の男性と知り合い、恋をしてスターになり、そのかわりに男性のほうは落ちぶれてゆく、というストーリー・ラインになっています。

 「栄光のハリウッド」は女優と監督、1937年の「スタア誕生」は女優と俳優という関係でした。

 もうすぐ日本で公開される映画「ジュディ 虹の彼方に」のモデルであるジュディ・ガーランド主演でこの映画がリメイクされたときには、歌手、女優と俳優という設定とともに音楽の要素が加わり、彼女が歌う「The Man that Got Away」という曲が大きな話題となりました。

 そして、バーブラが出演した「スター誕生」ではシンガーとロックスターという組み合わせになり、ミュージック・ビジネスへと舞台が移ります。もちろん、レディガガのリメイクもこのヴァージョンがもとになっています。

 落ち目になってゆくロックスター役を、当初エルヴィス・プレスリーに打診していたという興味深いエピソードもあります。

 

 さて、この曲の作曲はなんとバーブラ自身。作詞はロジャー・ニコルスとのコンビでも知られるポール・ウィリアムスが手掛けています。

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 ”愛は 居心地のいい椅子のように柔らかく

   愛は 朝の空気のように新鮮

   二人で分かち合う たった一つの愛を

   あなたと一緒に見つけた 

 

    4月の雪に覆われたバラのように

    愛はきっと育ってゆくといつも信じていた

       愛は老いることはなく 色褪せもしない

       まれにしか見えないもの

 

  あなたと私  いつも夜は初めての夜のように

  毎日を始まりのように生きましょう

  魂は舞い上がって リハーサルなしに踊るの

  そして、私たちをあたため高揚させてくれる

  それは、私たちには何よりも輝く愛があるから

 

  二つの命が一つになって輝き出す

  朝顔のように 真夜中の太陽のように

        時の海を 渡ってゆくすべも私たちは学んだ

  時は 愛の意味を変えることはない

  老いることはなく

  いつまでもみずみずしい ”                        

 

                               (拙訳)

 

 

  最初バーブラはポールにギターを弾きながらメロディーを歌って聴かせたそうです。

完成版のアレンジもアコギのアルペジオが曲の雰囲気を決定づけていますが、もともとがそうだったんですね。

 曲のアレンジはイアン・フリーバン・スミス。ヴァン・ダイク・パークスの「ソングサイクル」に参加したり、ニルソンと「柳の嘆き」を共作した人です。

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 それから、この曲のシングルのカップリングでサントラ盤にも入っている「愛を信じて(I Believe In Love)」はケニー・ロギンス作曲で、作詞は連日このブログに登場しているアラン&マリリン・バーグマンです。

 


Barbra Streisand -"I Believe In Love"- A Star Is Born - (Sub. español)

 ケニーは翌年にセルフカバーし、ソロデビュー時のファーストシングルになっています。ちなみに、サンダーキャットが一番好きなケニーの曲がこれなんだそうです。

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Kenny Loggins / I Believe In Love

 

   さて、結構な時を経てバーブラは 2014年のアルバム「パートナーズ」ではベイビーフェイスとデュエットしています。

 バーブラは彼がプロデュースした「ため息つかせて」(ホイットニー・ヒューストン)のサントラ盤がとても好きだったようで、パーティ会場であったときに彼にアルバムに参加してほしいと依頼し、アルバム全体のサウンド・プロデュースと1曲デュエットをやることになったそうです。

 ベイビーフェイスもボーカリストとしてアコギのバラードがとても似合う人なので

この選曲はバッチリだったように思います。


Barbra Streisand with Babyface "Evergreen"

 

 

 

 

パートナーズ

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