まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ストーニー・エンド(Stoney End)」ローラ・ニーロ(1966)

 おはようございます。

 今日はローラ・ニーロの「ストーニー・エンド」です。

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I was born from love, and my poor mother worked the mines
I was raised on the good book Jesus till I read between the lines
Now I don't believe I want to see the morning

 

Going down the stoney end
I never wanted to go down the stoney end
Mama, let me start all over
Cradle me, Mama, cradle me again
(Cradle me, Mama, cradle me again)

 

I can still remember him with love light in his eyes
But the light flickered out and parted as the sun began to rise
Now I don't believe I want to see the morning

 

Going down the stoney end
I never wanted to go down the stoney end
Mama, let me start all over
Cradle me, Mama, cradle me again
(Cradle me, Mama, cradle me again)

 

Never mind the forecast, 'cause the sky has lost control
'Cause the fury and the broken thunder's come to match my raging soul
Now I don't believe I want to see the morning

 

Going down the stoney end
I never wanted to go down the stoney end
Mama, let me start all over
Cradle me, Mama, cradle me
Going down the stoney end
I never wanted to go down the stoney end
Mama, let me start all over
Cradle me, Mama, cradle me again

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私は愛から生まれ
かわいそうな母は鉱山で働いていた
私は行間が読み取れるようになるまで
エス様の良き書を読んで大きくなった
今じゃ信じちゃいないわ 私が朝を迎えたいと思ってることさえ

 

石ころだらけの終わりに向かって落ちてゆく
石ころだらけの結末なんて望んだことなんてないの
ママ、もう一度やり直させて
揺り籠であやして、ママ、揺り籠にもう一度

 

瞳にに愛の光を宿した彼を今でも覚えてるわ
だけど、太陽が昇り始めると
その光はだんだんと消えてしまった
今じゃ信じちゃいないわ  私が朝を迎えたいと思っていることさえ

 

石ころだらけの終わりに向かって落ちてゆく
石ころだらけの結末なんて望んだことなんてないの
ママ、もう一度やり直させて
揺り籠であやして、ママ、揺り籠にもう一度


天気予報は気にしないで だって空はコントロール不能
怒りと止まない雷が私の荒れ狂った魂にマッチしているから
今じゃ信じちゃいないわ 私が朝を迎えたいと思っていることさえ

 

石ころだらけの終わりに向かって落ちてゆく
石ころだらけの結末なんて望んだことなんてないの
ママ、もう一度やり直させて
揺り籠であやして、ママ、揺り籠にもう一度


石ころだらけの終わりに向かって落ちてゆく
石ころだらけの結末なんて望んだことなんてないの
ママ、もう一度やり直させて
揺り籠であやして、ママ、揺り籠にもう一度

      (拙訳)

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  この曲は以前にこのブログにも登場しましたローラ・ニーロのデビュー曲「ウェディング・ベル・ブルース」のB面曲としてリリースされ、彼女のファースト・アルバム『モア・ザン・ナ・ニュー・ディスカバリー (More Than a New Discovery)』(現在は「ファースト・ソングス」というタイトルになっています)にも収録されています。

 

 「ウェディング・ベル・ブルース」は彼女の最初期の曲で、デビューのきっかけとなった音楽出版社のオーディションで彼女が歌ったものですが、そのオーディションでこの「ストーニー・エンド」も歌ったそうです。

 

 まだ18歳の才能溢れる新星はアーティスティックな方向ではなく、いまどきのティーン女子の代表みたいな感じで、ウェディング・ドレス姿の広告を大々的にうたれるというミスマッチぶりで「ウェディング・ベル・ブルース」は売れなかったため、そのB面であるこの「ストーニー・エンド」も陽の目を浴びることはありませんでした。

 

 しかし、彼女の曲に目をつけた音楽関係者もいたようで、1967年の4月にダーレン・ラヴが在籍していたガールズ・グループ”ブロッサムズ”がシングルのB面で取り上げています。

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 この曲をプロデュースしたのは、のちにキャロル・キングの「つづれおり」で知られることになるルー・アドラー。自身で始めたレーベル”ODE"の第一弾としてスコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」とともにリリースされました。プロモ盤ではこちらをA面にしたものも存在しているので、出来上がりに自信があったのではないでしょうか。ともかく、この曲のポップスとしての潜在力をよく示しているヴァージョンだと思います。

 

 そして、その翌年1968年にやはりルー・アドラーの”ODE"から女優のペギー・リプトンがデビュー・シングルとしてこの曲を取り上げています。彼女は1970年代にクインシー・ジョーンズと結婚したことでも知られていますね。

  もともと自分でも曲を書き歌手になりたかった彼女は、ルー・アドラーに売り込んだようです。このブロッサムズの「ストーニー・エンド」に手応えを感じていた(A面にすればよかったとか思っていたりして)ルーがペギーに歌わせたと思われますが、ローラとペギーはほぼ同い年でニューヨーク出身、十代の頃はジャズやドゥワップに熱中したというバック・グラウンドが一致していて、どこかで接点があった可能性もありそうです。

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 実はペギーと同じくロサンゼルスでこの「ストーニー・エンド」をレコーディングし、5ヶ月早くリリースしていたシンガーがいます。リンダ・ロンシュタットです。彼女が組んでいたストーン・ポニーズの三枚目のアルバムのラストにこの曲のカバーが収録されています。

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 そして、この曲を大ヒットさせたのがバーブラ・ストライサンドです。彼女はデビュー以来ブロードウェイものを中心に歌ってきましたが、本格的にポップスのソングライターの曲を集めたアルバムをリチャード・ペリーのプロデュースで作りました。それがアルバムのタイトルであり、シングルにもなった「ストーニー・エンド」です。1970年位リリースされ最高6位と、「スター誕生愛のテーマ」(1976)がリリースされるまで、彼女の最も売れたシングルにだったそうです。

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 さて、彼女の最初期の作品でオーディションで歌った曲が「ウェディング・ベル・ブルース」「ストーニー・エンド」とあともう1曲あります。それが「アンド・ホエン・アイ・ダイ(And When I Die)」で、やはり、彼女のファーストアルバムにも収録され、三枚目のシングルにもなっています。

 "And when I die and when I'm gone 

    there'll be one child born

    and a world to  carry on "

 

  (私が死んでしまったとき 私が行ってしまったとき

  子供が一人生まれるだろう そして世界は続いてゆく)

 十代の女の子が初めて作った曲の一つだなんてとても思えないものです。

 

 彼女のヴァージョンは売れなかったのですが、これまた他のアーティストによって大ヒットしています。ブラッド、スウェット&ティアーズが1969年にこの曲を取り上げ全米2位の大ヒットになりました。

 この曲、実はローラ本人より先にピーター、ポール&マリーがリリース(1966年)していますので、最後にローラ、P,P&M、そしてB,S&Tと3ヴァージョン続けてどうぞ。

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