まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます

「ダ・ドゥ・ロン・ロン(Da Doo Ron Ron)」クリスタルズ(1963)

 おはようございます。

 今日はクリスタルズ。1960年代に活躍したガールグループです。

 タイトルの”ダ・ドゥ・ロン・ロン”とは何のことでしょう?(ちなみに日本で最初に発売された時は「ハイ、ロン・ロン」という邦題がついていたらしいです)

 実はこの曲を作った人が、まだ歌詞を決めきれない場所に仮にハメておいた”スキャット”のようなものだそうです。

 それを聴いたプロデューサーがそれをいたく気に入って、いいじゃん、このままで行こうってことなったというわけです。ティーンエイジャー向けの歌だから、歌詞でごちゃごちゃ言うのはよくない、わかりやすく行こう、という考えもあったそうです。

 

 そのプロデューサーとはフィル・スペクター。後にビートルズや、メンバーのソロ作品もプロデュースする、ポップ、ロック史に残る奇才です。

 スタジオにたくさんのミュージシャンを集めて”せーの”で録る、分厚い音の壁、いわゆる”ウォール・オブ・サウンド”を考え出した人で、この「ダ・ドゥ・ロン・ロン」はその最初期の作品でもあります。

 日本のミュージシャンにも影響を与えた曲で、例えばサウンドでは大瀧詠一の「君は天然色」、曲調では浜田省吾の「バックシート・ラブ」はこの曲を下地にしていると思われます。

  歌詞はこんな感じです。

 カッコいい男の子に会ったの、名前はビルっていうの、目と目が合ったの、

家まで送ってくれたの、絶対彼を自分のものにするの、

 

 もう単純明快、恋をして舞い上がった女子のテンションに謎の言葉「ダ・ドゥ・ロン・ロン」がまさにぴったり。ここに普通の英語の歌詞がハマっていたら曲のテンションの目盛りは間違いなくぐっと下がっていたでしょう。

 

 僕がこの曲を聴いたのは発売からもう15年くらいたっていたので、昔の歌はホント単純だなあ、などと思ったのですが、いまあらためて聴くと、この曲に含まれるすべての”勢い”が素晴らしく感じられます。

 

 ポップスというジャンル自体がまだ若く、そしてアーティストもプロデューサーもソングライターもミュージシャンもみんなまだ若くて、そういう時代だからこそ生まれたマジックみたいなものがあるように思います。

 

 「ダ・ドゥ・ロン・ロン」のような、まったく意味はないけど、語呂やリズムがいい言葉がハマって大衆に受ける、ということはポップスでは時折あります。この曲の5年後に出たビートルズの「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ」もそうでしょう。スキャットマンなんて人もいましたね。そして、そういう意味のないフレーズというのは、いろんな「意味」であふれそうになっている脳みそをリセットしてくれるような感じがします。

 さすがに、最近はそういう曲はあまいないですよね。強いて言えば「ペン・パイナッポー・アッポー・ペン」(ちゃんと意味はありますが、、)がそんな感じでしょうか?

 

 さて、この「ダ・ドゥ・ロン・ロン」が大ヒットしたので、曲を書いたエリー・グリニッチとジェフ・バリーに、またこういう意味のないフレーズの曲を作ってくれという依頼が来たそうです。

 でも、「ダ・ドゥ・ロン・ロン」は狙って作ったわけじゃないので、狙って作るのは大変苦労したようです。でも、彼らは書き上げました。それが「ドゥ・ワ・ディディ・ディディ」という曲でエキサイターズというガール・グループに書いたのですが、すぐさま英国のロック・バンド、マンフレッド・マンが歌ってイギリスで大ヒット。ビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」を蹴落として1位にまでなりました。ちなみに、この曲は甲本ヒロトに一番影響を与えた曲でもあるそうです。

 


The Crystals - Da Doo Ron Ron (HQ)

再録音ヴァージョンもありました。まさに「君は天然色」が始まりそうな、、


Da Doo Ron Ron (Re-Recording)

 ついでにエキサイターズの「ドゥ・ワ・ディディ・ディディ」も。


The Exciters - Do Wah Diddy Diddy #HIGH QUALITY SOUND (1963)

 

Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home)

Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home)

 

 

 

Da Doo Ron Ron (Re-Recording)

Da Doo Ron Ron (Re-Recording)