まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「スイート・キャロライン(Sweet Caroline)」ニール・ダイアモンド(1969)

 おはようございます。

 今日は昨日に続いて、キャロラインさんの歌。キャロラインもの(?)としては1番のヒット曲はこれでしょう。ニール・ダイアモンドの「スイート・キャロライン」です。

www.youtube.com

 

Where it began
I can't begin to know when
But then I know it's growing strong
Was in the spring
And spring became the summer
Who'd have believed you'd come along


Hands, touchin' hands
Reachin' out, touchin' me, touchin' you


Sweet Caroline
Good times never seemed so good
I've been inclined
To believe they never would


But now I look at the night
And it don't seem so lonely
We fill it up with only two
And when I hurt
Hurtin' runs off my shoulders
How can I hurt when holdin' you


Warm, touchin' warm
Reachin' out, touchin' me, touchin' you


Sweet Caroline
Good times never seemed so good
I've been inclined
To believe they never would
Oh no no

Sweet Caroline
Good times never seemed so good
Sweet Caroline
I believe they never could
Sweet Caroline
Good times never seemed so good

 

*******************************************************************

 ”こんな気持ちがどこで始まったのか よくわからないけど

  どんどん強く なっているのはわかる

  それは春のことだった  そして春は夏へと変わった

  君が現れるなんて 誰も信じちゃいなかっただろう

 

 手と手が 触れ合って もっと手を伸ばして

 僕に触れ 君に触れる

 

 愛しいキャロライン 

 素敵な時間はそんなにいいものに見えなかった

 それまでの僕はいいものだとは信じられなかったんだ 

 だけど、今は、、

 

 夜を見つめても そんなに孤独に思えない

 二人だけでお互いを満たしあっている

 僕が傷ついても 痛みは体を走り去ってゆくさ

 君を抱きしめているのに 僕が傷つくなんてありえない

 

 あたたかい ぬくもりに触れると

 もっと手を伸ばして 僕に触れ 君に触れる

 

 愛しいキャロライン 

 素敵な時間はそんなにいいものに見えなかった

 それまでの僕はいいものだとは信じられなかったんだ 

 だけど、今は、、     ”               (拙訳)

 

<広告>

「スィート・キャロライン」の楽譜はこちら

****************************************************************************

 

 ジョン・F・ケネディの長女キャロラインがモデル?

 

 

    この曲の最大のトピックは、ジョン・F・ケネディの長女で、2013年から2017年まで駐日アメリカ大使だった、キャロライン・ケネディがこの曲のモデルだったということでしょう。

    そして、その事実をニールが2007年の彼女の50歳の誕生日パーティーで歌うときに、初めて明かしたのだそうです。

 

   彼がメンフィスのホテルにいた時に見た雑誌の表紙がまだ9歳だった彼女で、完璧な格好でポニーと一緒にいる姿が、あまりに純粋で素晴らしく、すぐに曲になりそうな感じがしたのだと語っています。

 

 その雑誌だと推測されているのが1962年の「ライフ」です。

f:id:KatsumiHori:20200528104450j:plain

 

 しかし、彼は2014年にアメリカのTV番組「Today」に出演したときにそれを少し修正しています。

「メンフィスでセッションのためにこの曲を書いたんだ。そこで3音節の名前が必要になったんだ。書いたときには、そのときの妻についての曲だった、マーシャと言うんだけど、それだとうまく韻が踏めなかったんだよ」

 

 さて、どうして、彼はコメントを修正したのでしょう?

 もちろん僕には真意はわかりませんが、推測するとすれば。。。

 

・9歳の少女がモデルなのに”Touching You 、Touching Me”というような歌詞で盛り上がるのは危険なんじゃないか、というようなコメントが国民から巻き上がった(実際にそんな風に揶揄をしている記事もありました)。

・発売から40年近く経って聴き手にはそれぞれのイメージがとっくに出来上がっていたのに、今ごろモデルを告白して幻滅させるなよ、といったような声が上がった。

キャロライン・ケネディに媚びていると思われた

・実際のところは、キャロライン・ケネディは曲のアイディアのヒント程度で、思ったより騒ぎが大きくなってかえって罪悪感が芽生えてきた

 

 

 まあ、ともかく、この曲はキャロライン・ケネディをずっと念頭に置いて作ったものじゃなく、最初のインスピレーションくらいに過ぎなかったんじゃないかな、と僕は思います。

 

 さて、余計な詮索はやめておくことにして、ニール・ダイアモンドのプロフィールを少し。

 

 ニューヨーク、ブルックリン出身の彼は、エヴァリー・ブラザースに憧れていたそうで、まず高校時代の友人とニール&ジャックというデュオを結成し、自作曲で1962年にシングルをリリースします。


Neil Diamond & Jack Packer - You Are My Love At Last

 

 そして1963年、彼はソロ・アーティストとして1970 年代に在籍することになるコロンビア・レコードと一度契約して、シングルをリリースしています。


NEIL DIAMOND-At Night

 

 しかし、全く売れなかったため、彼はソングライターとしてのキャリアを目指します。バート・バカラックキャロル・キングニール・セダカ、バリー・マンなどが活動していたニューヨークの”ブリル・ビルディング”で彼は修行時代を送ったのです。

 

 そして、彼が最初に放ったビッグ・ヒットモンキーズの「アイム・ア・ビリーヴァー」(1966年全米1位)でした。

 


I'm a Believer (2006 Remaster)

 

 そして、それに合わせてアーティスト活動も再開し、「アイム・ア・ビリーバー」とノリが似ている「チェリー・チェリー」という曲が全米6位のヒットになります。


Neil Diamond - Cherry Cherry (1966)

 ちなみに作ったのはニール本人で、ロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」やクリスタルズの「ダ・ドゥ・ロン・ロン」の作者ジェフ・バリー&エリー・グリニッチがプロデュースしています。

 

 そして、その後2~3年ヒットに恵まれなかった彼が久しぶりに出した大ヒットがこの「スイート・キャロライン」だったというわけです(1969年全米4位)。

 

 この曲のもうひとつ大きなトピックは、スポーツでよく使われるということです。

特に大リーグのボストン・レッドソックスの試合では8回表が終わると必ずこの曲がかかるそうです。

 

 2013年ワールド・シリーズ


Sweet Caroline at the 2013 World Series

 

 調べてみると、彼のレコード総売上は1億枚を超えていて、ある統計ではエリック・クラプトンと同じくらいだとされています。それぐらいのスーパースターなんです。しかし、日本ではなかなかピンとこないですよね。

 

 しかし、そんな彼の「スイート・キャロライン」が日本のスタジアムでも高らかにかかっていた事実を僕は初めて知りました。

  2019年のラグビーW杯、南アフリカVSウェールズ戦、場所は横浜国際競技場です。


スイートキャロラインの大合唱! ラグビーワールドカップ準決勝 in 横浜国際総合競技場 | Sweet Caroline at RWC2019 Wales vs South Africa

 アメリカだけじゃなく、イギリスのサッカーやラグビーでも使われているようなんです。

 歌詞はまったくスポーツとリンクしていないのに。なぜこんな現象になったのか、わかる人はぜひ教えてください、、。

 

 最後は1970年代の彼の代表作「ソング・サング・ブルー」(1972年全米1位)を。こちらも観客が合唱する歌ですが、ご本人はそういうことも意図せずヒットもするとは思わなかった、と語っていたようです。

www.youtube.com

 

 

 

All-time Greatest Hits

All-time Greatest Hits

Amazon

 

popups.hatenablog.com

 

popups.hatenablog.com

popups.hatenablog.com

popups.hatenablog.com

 

popups.hatenablog.com