まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋の雨音( Walking in the Rain)」ザ・ロネッツ(1964)

 おはようございます。

 今日はロネッツの「恋の雨音」です。


The Ronettes - Walking In The Rain - 1964

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I want him, and I need him,
And someday someway woo I'll meet him
He'll be kind of shy, and real good lookin' too
And I'll be certain he's my guy by the things he'll like to do

Like walking in the rain (like walking in the rain)
And wishing on the stars (and wishing on the stars) up above
And being so in love

When he's near me, I'll kiss him,
And when he leaves me woo I'll miss him
Though sometimes we'll fight, I won't really care
And I'll know it's gonna be alright 'cause we've got so much we share

Like walking in the rain (like walking in the rain)
And wishing on the stars (and wishing on the stars) up above
And being so in love

(Johnny) no no he'll never do
(Bobby) no it isn't him too
They would never no they'd never never ever ever love
Walking in the rain (like walking in the rain)
And wishing on the stars (and wishing on the stars) up above
And being so in love

Oh oh oh where can he be oh oh

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 ”彼が欲しいの 彼が必要なの

  そしてきっといつか、彼に出会うの

  彼はきっとシャイで、ほんとにカッコよくて

  彼がどんなことをするのが好きかで

  ”その人”なのかがわかるはず

 

  たとえば、雨の中を歩くとか

  星を見上げて願うとか

  そして恋に夢中になったり

 

     彼がそばにいたなら キスしてしまうわ

   彼がいなくなったら ああ すごく恋しくなる

   喧嘩をすることがあっても 構わないわ

      二人たくさんのことを 共にしてきたから

    きっと大丈夫

 

     たとえば、雨の中を歩くとか

   星を見上げて願うとか

   そして恋に夢中になったり

 

  (ジョニー)ノー、彼はそうじゃないわ

  (ボビー)ノー、彼とも違うわ

  彼らは絶対違う 絶対に 愛する人じゃない 

  雨の中を歩くとか(たとえば雨の中を歩くとか)

     星を見上げて願うとか

     そして恋に夢中になったり

 

        おお、彼はいったいどこにいるの?

   おお、彼がやってくるのを 願い続けているのに  ”(拙訳)

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 昨日ピックアップしたカスケーズの「悲しき雨音」は、フィル・スペクター御用達のスタジオ、スタッフで作られましたが、今日はそのフィル・スペクターの”雨の歌”をご紹介します。

 

 歌詞を読んでみると、これは雨の日の歌じゃないですね。女の子がまだ見ぬ彼氏はきっと雨の中を歩くのが好きな人、なんて妄想している内容です。たとえ喧嘩しても、ふたりで雨の中歩いたりいろんなことを分かち合ってきたから大丈夫、なんて妄想がエスカレートしていってます、、。

 

 曲を書いたのは、このブログではおなじみのバリー・マンとシンシア・ワイル(スペクターも共作のクレジットが入っています)。

  フィル・スペクターものでは「ふられた気持ち」が有名ですね。

 

 この曲は全米チャート23位まで上がり、これは彼女たちの代名詞「ビー・マイ・ベイビー」(全米2位)に次ぐものでした(2018年に「Sleigh Rideリバイバルヒットで21位になっていますが、、)。

 

 この時期、ロネッツは「ビー・マイ・ベイビー」の大ヒットを受けて、ストーンズとイギリス・ツアーをやっていたそうで、帰国してこの曲をレコーディングしたそうで、メインボーカルはなんとファースト・テイクなのだそうです。

 

 冒頭に雷と雨の効果音を入れるというのは、エンジニアのラリー・レヴィンのアイディアだったそうで、これが前年の大ヒット「悲しき雨音」と同じ手法だったため、日本のレコード会社の担当者がそれにあやかって邦題を「恋の雨音」にしたんじゃないか?などと勝手に想像してしまいました。

 

 この時期、フィル・スペクター作品のチャート・アクションが低迷し始めていたので、フィルも相当この曲に力を入れていたので23位というのはかなり不本意なものだったようです。

 

 しかし、スペクターの作品にはなにかマジックがあるのか、他のアーティストがカバーしたくなるようで、いくつか最後にピックアップしてみます。

 

  イギリスのウォーカー・ブラザーズが1967年にカバー(全英26位)。アレンジはやはり、「太陽はもう輝かない」などを手がけた”擬似スペクター・サウンド”の最高峰の編曲家、アイヴァー・レイモンドじゃないかと推測します。


Walking In The Rain

 ジェイ&ジ・アメリカンズが1969年にカバー。全米最高19位と、ロネッツ以上の成績を残しています。こうやって聴いいてみると、バリー・マンのメロディーはちょっと男っぽいボーカルが一番映えますね。


Jay & The Americans - Walkin' In The Rain - [STEREO]

 

  1970年代に日本でも放送されていたTV番組「パートリッジ・ファミリー」(デヴィッド・キャシデイがアイドルとして日本でも大人気でした)でもカバー。1972年にイギリスで最高10位となかなかのヒットになっています。


Partridge Family "Walking In The Rain, (High quality)

 

最後にバリー・マン&シンシア・ワイルが書いたロネッツの作品をもう2曲。

僕が大好きな「ユー・ベイビー」そして、「ボーン・トゥ・ビー・トゥゲザー」です。

 

www.youtube.com

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リー・マン&シンシア・ワイル&フィル・スペクターの最高峰

popups.hatenablog.com

 ロネッツと言えばこれですね

popups.hatenablog.com

 

 

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