おはようございます。
今日も雨の歌で。ディオンの「オールウェイズ・イン・ザ・レイン」です。
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You'll always find me in the rain
I've done some things I can't explain
I walk the streets alone
The darkness is my safety zone
Yes always
Always in the rain
The street lights print my silhouette
Upon the pavement dark and wet
I find my childhood in the ghosts
Of the old neighborhood
Yes always
Always in the rain
It's a melancholy feeling
Shakes my senses takes my feeling
Then I find I just surrender
To the moment it's so tender
I watch the neon city swirl
Just like a mystic dancing girl
Beneath the stormy weather
All those colors flow together
Always
Always in the rain
My dream to lie again with you
Beneath a boundless sky of blue
It's just a fantasy
A wish within a memory
Yes always
Always in the sun
It's a melancholy feeling
Shakes my senses takes my feeling
Then I find I just surrender
To the moment it's so tender
We all return in times of pain
To days of laughter in the rain
When all the world seemed new
The future gleamed and love was true
Yes always
Walking in the rain
Always in the rain
Always in the rain
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君はいつも僕を見つけてくれるだろう 雨の中だって
僕は説明できないことをしてしまった
ひとりぼっちで街を歩く
暗闇が僕の安全地帯さ
そうさ、いつも いつも雨の中なんだ
街灯が僕のシルエットを映し出す
暗くて濡れた舗道の上
懐かしい近所の街並みのかすかな痕跡に
僕の子供時代を見つける
そうさ、いつも いつも雨の中
それは憂鬱な感情
感覚を揺さぶられ、感情を奪ってしまう
そして気づけば 身を委ねていたんだ
そのやさしい瞬間に
まるで神秘的な踊り子のように
回り続けるネオンの街を見つめながら
嵐のような天気の中で
すべての色が一緒になって流れてゆく
いつも いつも雨の中
僕の夢は君ともう一度一緒に横たわること
果てしない青空の下で
それはただのファンタジー
思い出の中にある願い
そう、いつも いつも太陽の下で
それは憂鬱な感情
感覚を揺さぶられ、感情を奪ってしまう
そして気づけば 身を委ねていたんだ
そのやさしい瞬間に
僕たちはみな、つらい時間の中で
雨の中で笑い合う日々に戻ってゆく
世界がすべて新しく見えた時
未来は輝いていて、愛は本当だった
そう、いつも雨の中を歩く
いつも雨の中 いつも雨の中で
(拙訳)
*歌詞の”the ghoarts”という言葉の意味が判明しませんでした。ご存知の方はぜひ教えてください。→読者の方から"goasts"ではないかとご意見をいただき、完全に納得し修正しました。
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ディオンはニューヨーク、ブロンクス出身のイタリア系のシンガー。1950年代から60年代にかけてドゥワップ、R&B、R&Rの要素を取り入れたスタイルで大人気だった人で、ポール・サイモンやブルース・スプリングスティーンなど多くのアーティストからリスペクトされる存在です。ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のアルバム・ジャケットにも入っているほどの人なんですね。
彼はまず「ディオン&ザ・ベルモンツ」というヴォーカル・グループでデビューし、1959年に「恋のティーンエイジャー(A Teenager in Love)」が全米5位の大ヒットを記録します。
1960年からソロになり、1961年から1962年はまさに破竹の勢い。ヒットを立て続けにリリースします。
「浮気なスー(Runaround Sue)」1961年全米1位。
「ワンダラー(The Wanderer)」1961年全米2位
「ルビー・ベイビー(Ruby Baby)」1962年全米3位。ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー作。ドナルド・フェイゲンも名盤「ナイトフライ」でカバーしていました。
その後、ビートルズなどのイギリスのバンドのブームの影響もあってか、彼の勢いは下がっていき、古典的なブルースの影響を受けた作品を作るようになったり、ベルモンツと再結成したり、試行錯誤が続きます。
1968年には、エイブラハム・リンカーン、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ジョン・F・ケネディ、ロバート・ケネディへの鎮魂歌である「アブラハム、マーティン・アンド・ジョン(Abraham, Martin and John)」が全米4位と、久しぶりの、そして今のところ最後の大ヒットになりました。
1974年にはフィル・スペクターのプロデュースのアルバム「Born To Be With You」を発表しますが、セールス的には成功しませんでした。
1970年代終わりから彼はキリスト教徒として、CCM(コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック)の作品を数多くリリースしていましたが、1989年に久々に王道のポップ・ミュージックに回帰したのがこの「オールウェイズ・イン・ザ・レイン」の収録された「Yo Frankie」というアルバムでした。
実は1987年にNYのラジオ・シティ・ミュージック・ホールでかつての大ヒット曲を演奏するコンサートをやってほしいというオファーが彼にあり、そのライヴに彼に憧れていたスプリングスティーン、ルー・リード、ポール・サイモンなどがゲストで参加したのです。
そのライヴの成功からの流れで、この復帰作が生まれたわけです。
アルバムにはルー・リード、ポール・サイモン、ブライアン・アダムスなどが参加、プロデュースをデイヴ・エドモンズがやっています。
デイヴ・エドモンズは1970年代からフィル・スペクター・サウンドに何度もチャレンジしてきた人なので、「オールウェイズ・オン・ザ・レイン」のサウンドはお手のものだったのでしょう。
フィル・スペクター本人がプロデュースした曲が重苦しかったのに対して、明るすぎる感じが対照的ですが。
曲自体は、ディオンが薬物治療センターで知り合った少女との交流から生まれたものなのだそうです。
彼は2020年に、ジェフ・ベック、ポール・サイモン、スプリングスティーンなどをゲストに迎えたアルバム「Blues With My Friends」をリリースしています。もうすぐ82歳になりますが、まだまだ健在、正真正銘の”レジェンド”です。
最後は「Blues With My Friends」からブルース・スプリングスティーン&パティ・スキャルファ夫妻をゲストに迎えた「Hymn To Him」を。