おはようございます。
関東も梅雨入りしたということで雨の歌。ジェラルド・ケニーの「メイド・イット・スルー・ザ・レイン」です。
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A true musician plays
Thru all the rainy days
And every song survives
He takes the stage by storm
And keeps the music warm
Until his luck arrives
Then a melody appears
Taking hom past the weather beaten years
I made it through the rain
And kept my songs protected
I made it throught the rain
And play my point of view
I made it through the rain
And found myself respected
By the others who
Got rained on too
And made it through
No matter how it rains
A singer entertains
And music must be made
Before you draw the cloud
You pour heart out loud
And start your own parade
Then you play the cloud away
Waiting until you hear your music say
I made it through the rain
And kept my songs protected
I made it throught the rain
And play my point of view
I made it through the rain
And found myself respected
By the others who
Got rained on too
And made it through
Then you play the cloud away
Waiting until you hear your music say
I made it through the rain
And kept my songs protected
I made it throught the rain
And play my point of view
I made it through the rain
And found myself respected
By the others who
Got rained on too
And made it through、、、
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真摯なミュージシャンは演奏する
どんな雨の日だって
そうして全ての曲は生き残っていくんだ
彼は嵐の中ステージに上がり
音楽のぬくもりを守ってくれる
彼の運がやってくるまで
そしてメロディがあらわれて
彼を風雨に耐えてきた年月の先へと連れてゆく
雨を乗り越えてやりとげたんだ
僕の歌を守ったんだ
雨を乗り越えてやりとげたんだ
僕の考えを音楽にするよ
雨を乗り越えてやりとげたんだ
自分に誇らしく思えるようになった
同じように雨に打たれた人たちのそばで
やりとげたんだ
どれほど雨が降ろうと
シンガーは聴衆を楽しませ
音楽は生み出されなくてはいけないんだ
心に雲を描く前に
君の心を外に向けて放つんだ
そして自分自身のパレードをはじめれば
君は雲を消し去れるんだ
君の音楽が語るのが聴こえてくるまで待ちながら
雨を乗り越えてやりとげたんだ
僕の歌を守ったんだ
雨を乗り越えてやりとげたんだ
僕の考えを音楽にするよ
雨を乗り越えてやりとげたんだ
自分に誇らしく思えるようになった
同じように雨に打たれた人たちのそばで
やりとげたんだ
(拙訳)
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1970年代後半、ビリー・ジョエルが世界的なスーパースターの座にのぼりつめると、その追い風に乗って何人かのピアノマンが現れました。
ジェラード・ケニーもそんな一人でした。
ニューヨーク出身の彼はビリーより二つ上、エルトン・ジョンと同い年です。
1967年に彼はThe Phaetonsというグループでデビューを果たします。
そして、1968年には”ジェラード”というアーティスト名でソロ・デビューを果たしています。この曲はディオン&ザ・ベルモンツやシフォンズがいたニューヨークのレーベル”Laurie"からリリースされています。
翌年にも一枚シングルを出しますがヒットしなかったようで、1970年から71年頃はビリー・ジョエルと”Primo"というバンドで一緒に活動していたそうです。しばらくブランクが空いた後、1973年にはラヴィン・スプーンフルで知られるカーマスートラから”G.W.Kenny"名義でシングルを一枚出しています。
その後またぷっつりとリリースが途絶え、その間に彼はニューヨークからイギリスに拠点を移していたようで1979年にイギリスRCAからこの「メイド・イット・スルー・ザ・レイン」を表題曲としたアルバムをリリースしました。
その中から「ニューヨーク、ニューヨーク」が全英43位の小ヒットになっています。
ビリー・ジョエル感がありますね。
そして、以前からジェラードと面識があり、イギリス・ツアー中にパーティでたまたま再会したことをきかっけにこのアルバムを聴き、「メイド・イット・スルー・ザ・レイン」という曲に目をつけたのがバリー・マニロウでした。
翌1980年に、この曲をカバーしシングルでリリースすると全米10位の大ヒットになりました。
バリー・マニロウはこの曲をカバーするにあたり、二人の作詞家と共同で歌詞を大幅に変えています。
この歌は、このときすでに10年以上の下積みがあったジェラルド自身を投影させたようなミュージシャンが主人公したが、バリーはもっと広く一般の人々に対応できるものに変えたんですね。
例えば冒頭の歌詞はこうなっています。
We dreamers have our ways Of facing rainy days
And somehow we survive
We keep the feelings warm Protect them from the storm
Until our time arrives
(僕たち、夢見る者には 雨の日に対処する方法がある
そうやってなんとか乗り越えてきた
僕たちはあたたかい気持ちを持ち続け
僕たちの時代が来るまで 嵐からそれを守るんだ)
ただ大スターのバリーがカバーするだけじゃなく、広い層にアピールするように改編していたわけです。
彼はすでに発売されている曲をカバーするときも、いつも売れるために、歌詞、アレンジ、構成などを細かく吟味して、変更するんですよね。
この曲の場合、正直な気持ちが伝わってくるジェラードのオリジナルの歌詞のほうが、個人的には好きなんですが、、、。
ともかく、バリー・マニロウという人は、良い曲を書くのに陽の当たらなかったソングライターたちの曲を取り上げて、結果的に彼らのキャリアに大きく貢献しているんですね。
リチャード・カー、ランディ・エデルマン、デヴィッド・ポメランツ、、。
このジェラード・ケニーもそうです。彼も、この曲のヒットのおかげでその後もアルバムを何作かリリースでき、作曲家としてのキャリアを築くことができています。
それにしても、長く困難な日々を乗り越えたミュージシャンが主人公の歌を作ったことによって、実際に本人も長い”雨の日”を乗り越えることになったわけですから、音楽の世界は不思議なものですね。
最後は2016年に彼がこの歌を歌っているライヴ動画を。
(参考:ジェラード・ケニー「メイド・イット・スルー・ザ・レイン」ライナーノーツ)