まいにちポップス

1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、勝手な推理、などで紹介していきます

「悲しき雨音(Rhythm of the Rain)」ザ・カスケーズ(1962)

 おはようございます。

 今日は”雨のポップ・ソング”の横綱クラスの大定番「悲しき雨音」です。


Rhythm of the Rain (Digitally Remastered)

 

 ”雨のリズムに耳をすますと 

  僕の馬鹿さ加減を雨が教えてくれる

     僕は、雨が行ってしまって

  ただ空しく泣かせてくれることを、

  またひとりに戻れることを願っている

 

 僕が想っていたただひとり女の子は

 新しい人生を始めるために行ってしまった

    だけど彼女は知るはずもない 旅立ったあの日に

 僕の心まで一緒に持って行ってしまったことを

 

 雨よおしえてほしい これってフェアなことなの?

 気づかぬうちに僕の心を奪ってしまったなんて

 僕の心はどこか遠くに行ってしまったのに

 誰かを愛するなんて無理だよ

 

    僕が想っていたただひとり女の子は

 新しい人生を始めるために行ってしまった

    だけど彼女は知るはずもない 旅立ったあの日に

 僕の心まで一緒に持って行ってしまったことを

 

    雨よ 彼女に伝えてくれないか 僕がこんなに愛していることを

 太陽に彼女の心を照らすようにどうか頼んでほしい

 雨が彼女の心に降ることで 僕たちの愛が育っていくように

 

  雨のリズムに耳をすますと 

  僕の馬鹿さ加減を雨が教えてくれる

     僕は、雨が行ってしまって

  ただ空しく泣かせてくれることを、

  またひとりに戻れることを願っている

 

     降り注ぐ雨の音に耳をすませて」

  ぽつぽつ ぱらぱら(piter pater piter pater)

  降り注ぐ雨の音に耳をすませて

  ぽつぽつ ぱらぱら(piter pater piter pater)  ”(”拙訳”)

 

 

 

 雨が降る音を表す擬音は英語では、piter paterっていうんですね。

 

 さて、このブログでも時おり参考にしていますが、アメリカの著作権団体BMIが発表した20世紀で最も演奏され放送された曲ベスト100で、この「悲しき雨音」は9位に入っています。リアルタイムでは1963年に全米3位まであがっています。

 雨の歌などという”しばり”の必要のない、アメリカン・ポップスの頂点の1曲なんですね。

 

 この曲を歌っているザ・カスケーズはこれ以外ヒットのないまさに一発屋です。そこそこのヒットすらありません(1967年の「May Be Tha Rain Will Fall」の61位が最高です)。

 ポップ・ミュージックの歴史で”一発屋”は数知れないほどいますが、”インパクト”や”つかみ”の強いものが多く、大スタンダード曲になったものを1曲だけ残したアーティストはとてもめずらしいと思います。

 

 ザ・カスケーズはアメリカ海軍の工作船”ジェイソンAR-8"の乗組員をベースに結成されました。

    ちなみに、「悲しき雨音」を作ったメンバーのジョン・ガモーによると、この曲の歌詞は"ジェイソンAR-8"でサンディエゴから日本(佐世保)に向かう途中の見張り番の時に激しく雨の降る太平洋を見つめて思いついたのだそうです。

 おだやかな曲調からは想像のつかないシチュエーションですね。

 

    そして、この曲がスタンダードになったのは、ただ曲が良かっただけじゃなく、その影でちゃんと相応の”重要人物”がいい仕事をしていたのです。

 

  まずアレンジャーのペリー・ボトキン・ジュニア。日本のポップス・マニアには「悲しき雨音」と同じ年(1963)にヒットしたロビン・ワードの「ワンダフル・サマー」という曲で知られています。


Wonderful Summer

   他にもハーパーズ・ビザール、レターメン、二ルソンの傑作「パンディモニアム・シャドウ・ショウ」(うち2曲)など数多くアレンジを手がけています。

 個人的に注目したいのは彼がフィル・スペクターと仕事をしていること。ライチャス・ブラザースの「引き潮(Ebb Tide)」、チェックメイツ・リミテッドの「ブラック・パール」などが彼のアレンジだと言われています。

 


THE RIGHTEOUS BROTHERS - EBB TIDE 1965


Black Pearl

 「悲しき雨音」はフィル・スペクターサウンドを生み出した”ゴールド・スター・スタジオ”でレコーディングされたそうです。

 エンジニアはスタジオのオーナーの一人で、フィルが在籍していたテディ・ベアーズを手がけたスタン・ロス。

 そして、演奏者には”レッキング・クルー”のハル・ブレイン、キャロル・ケイ、グレン・キャンベルの名前があります。

 

 フィル・スペクターが自身のレーベル”フィレス”を立ち上げたのが、「悲しき雨音」が録音されたのと同じ1962年です。

 フィル・スペクターが”ウォール・オブ・サウンド”をまさに作り上げようとし始めたのと同じ時期、同じ場所で、しかも、かなり重なるメンツで作られたのが「悲しき雨音」だったわけです。

 

 最後にカバー・ヴァージョンを。

 フランスではシルヴィー・バルタンがいち早く(1963年)にカバーしてNO.1ヒットになりました。


Sylvie Vartan En Écoutant la Pluie Rhythm of The Rain

 1990年にはアメリカでダン・フォーゲルバーグが、イギリスでジェイソン・ドノヴァンがカバーしてそれぞれスマッシュ・ヒットを記録しています。


Dan Fogelberg - Rhythm Of The Rain


Jason Donovan - Rhythm Of The Rain - Official Video

 

悲しき雨音

悲しき雨音

 

 

 

 

 

 

 

The Best of Jason Donovan

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  • 発売日: 2018/02/16
  • メディア: MP3 ダウンロード