まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー(I Wanna be Your Lover)」プリンス(1979)

 おはようございます。

 今日はプリンスの「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」です。


Prince - I Wanna Be Your Lover (Official Music Video)

 

I ain't got no money
I ain't like those other guys you hang around
And it's kind of funny
But they always seem to let you down
And I get discouraged
'Cause I never see you anymore
And I need your love, babe, yeah
That's all I'm living for, yeah


I didn't wanna pressure you, baby
But all I ever wanted to do

 

I wanna be your lover
I wanna be the only one that makes you come running
I wanna be your lover
I wanna turn you on, turn you out, all night long, make you shout
Oh, lover!
Yeah, I wanna be the only one you come for


I wanna be your brother
I wanna be your mother and your sister, too
There ain't no other
That can do the things that I'll do to you
And I get discouraged
'Cause you treat me just like a child
And they say I'm so shy, yeah
But with you, I just go wild, woo!


I didn't wanna pressure you, baby, no
But all I ever wanted to do


I wanna be your lover
I wanna be the only one that makes you come running
I wanna be your lover
I wanna turn you on, turn you out, all night long, make you shout
Oh, lover!
Yeah, I wanna be the only one you come for, yeah

*************************************************************************

僕はお金は持ってないよ
君が付き合っている他の奴らとは違ってね
それで、おかしなことだけど
いつもヤツらは君を失望させてるみたい
僕はくじけそうになる
だって、きみにもう会えないから
君の愛が必要なんだ ベイブ
それだけが僕の生きがいさ

 

無理強いはしたくなかったよベイビー
だけど僕が望むのはこれだけ

 

君の恋人になりたい
君が駆け寄ってくるただ一人の存在でありたい
君の恋人になりたい
君に火をつけ、燃え上がらせ、一晩中、叫ばせてあげたい
ああ、恋人よ!
君が求めるただ一人の存在になりたいんだ

 

君の兄弟になりたい
君の母にも妹にもなりたい
他にはいないよ
僕が君にしてあげるようなことができるヤツは
それで僕はめげてしまう
君が僕を子供扱いするから
みんな僕をすごくシャイだって言うけど
君と一緒なら ワイルドになれるさ!

 

無理強いはしたくなかったよベイビー
だけど僕が望むのはこれだけ

 

君の恋人になりたい
君が駆け寄ってくるただ一人の存在でありたい
君の恋人になりたい
君に火をつけ、燃え上がらせ、一晩中、叫ばせてあげたい
ああ、恋人よ!
君が求めるただ一人の存在になりたいんだ

                     (拙訳)

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 彼の音楽は夜っぽい濃密なイメージが強い(?)気がしますが、これは彼のレパートリーの中でも一番軽快で爽やかで、陽射しの中でも全然合いそうです。何度繰り返し聴いても、気分をよくさせてくれるパワーがまったく磨り減らない魔法のような曲だと僕は思います。

 君の恋人になりたい、というストレートな歌ですが、途中からエスカレートしていって、終いには君の兄弟になりたいし、君のお母さんになりたい、姉妹にもなりたい、などとどんどん突っ走ってしまうのですが、そのあたりも、まあプリンスらしいということでしょう。

 

 星野源のエッセイにこの曲に触れている文章があります。

  くも膜下出血の手術のあと退院して家で療養していたあるとき、iPodを持って外出し、ランダム選曲の設定して再生ボタンを押すと流れてきたのがこの曲だったといいます。

「スネアの音が耳の鼓動をつんざき、イントロが鳴った瞬間、目の前がキラキラと輝きだした。不安であることに疲れ、憔悴しきっていた気持ちが、呼吸を取り戻したように動き始めた。気がつけば誰もいない夜道で、一人きりで踊っていた。」

星野源「いのちの車窓から」)

  一曲のポップスが人の心に働きかける瞬間を、これほど簡潔に感動的に表現している文にはなかなか巡り会えません。

  そして、これを読むと彼の代表作「恋」につながる深い動機を感じとることができるような気がします。

 「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」を聴いた時のキラキラした気持ちを、自分の創作に大きく反映させたのが「恋」だったんじゃないのかと。

 

 さて、この「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」は彼のセカンド・アルバム「愛のペガサス(Prince)」(1979)からのファースト・シングルで全米11位、R&B1位の大ヒット、今では”プリンスをスターにした曲”と呼ばれいています。

 

  こんなエピソードがあるそうです。

「実は「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」という曲は、ファースト・アルバムに参加しシンセサイザーの一部をプログラミングしパトリース・ラッシェンからインスパイアされたと言われている。プリンスは彼女の美しさに惹かれ、求愛を試みたが、実を結ぶことはなかった。彼は「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」と「I Feel For You」をラッシェンに提供しようとしたが、彼女はその2曲を辞退した」

 (FAR OUT   3RD JUN 2022)

 

 パトリース・ラッシェン!「フォーゲット・ミー・ノッツ」でよく知られていますね。彼女がシンセのプログラミングをしたのは「Baby」と言う曲だったそうです。アルバムのエンジニアのトミー・ヴィカーリを介して知り合ったようです。プリンスがまだ若く音楽的にもいろいろ吸収していた時期ですから、彼女がシンセのテクニカルなことも彼に教えてあげたようです。

www.youtube.com

 それにしても、この曲と「フィール・フォー・ユー」という今では大名曲となっている2曲を拒否するなんてもったいないとも思うんですが、どちらともあまりにもストレートな求愛ソングだったので、彼女としても気まずかったのでしょうか、、。

PRINCE

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