まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「街のドルフィン」濱田金吾(1982)

 おはようございます。

 今日は濱田金吾の「街のドルフィン」です。

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 濱田金吾はフォーク・バンド「クラフト」のベーシストとしてメジャー・デビューを果たし、さだまさしが作った「僕にまかせてください」が大ヒットしています。

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 実はクラフトはザ・バンドアメリカのウェストコースト・ロックが好きでそういう音楽をやっていたそうですが、当時ヒットさせるためにさだまさしの曲を歌うことになったようです。そして当時50万枚の大ヒットになったので、ほとんどの人がクラフトをこの曲のイメージでとらえるようになってしまいました。ちなみにバンドのギターでメイン・ソングライターだった三井誠は、のちに稲垣潤一の「クリスマス・キャロルの頃には」を作曲しています。

 

 1978年にクラフトが解散すると、翌79年に彼は山下達郎らとAir Recordsの立ち上げに参加し、1980年にニューヨーク録音したアルバム『Manhattan in the Rain』でソロ・デビューします。

 

 そのころ、僕が鮮明におぼえているのが音楽雑誌の広告に載っていた彼のキャッチコピーです。

 ”ハマダといえばキンゴです”

 本人はのちに”最初から負けを認めているようなもんですね”と語っていましたが、当時、浜田省吾が売れ始めた時期でした。

 何と無く気になって調べてみると、この二人のハマダさんは同い年で誕生日が半月ほどしか違わないんですね。

 

 そういえば、この数年後にアメリカのR&Bシンガー、ピーボ・ブライソンの宣伝コピーで、80年代にあった飲料メーカー”VIVO(ビーボ。懐かしいですね)”の「ビーボより美味いのはビーボだけ」というキャッチコピーを真似た、「ピーボよりうまいのはピーボだけ」というのがありました。

 「ハマダといえばキンゴです」と「ピーボよりうまいのはピーボだけ」は、僕を果てしなく”脱力させた”キャッチコピーとして、ずっと記憶に残っています。

 

 1980年代を通して彼は真剣にAORに取り組んだ上質な作品を作っていました。

 昨日このブログに登場し、濱田のサードアルバムにアレンジャーとして参加している松下誠はこう語っています。

「金吾のような曲作りができる人っていなくて、スタイリッシュな世界観をちゃんと持っていたんですよ。その世界観を崩さないようにしつつ、同じ方向に発展させようとしたって感じかな」

 (ギターマガジン 2020年1月)

 

 1981年には“JAPACON”【Japanese Contemporary Sounds】と称し、日本の新しいポップスの担い手の一人として、佐野元春杉真理・網倉一也と共同プロモートを開始、新宿ルイードで4人で4夜連続LIVEを行なっています。

 

  この「街のドルフィン」は彼の四枚目のアルバム「Midnight Cruisin'」(1982)に収録されていたもので、今のシティポップ再評価ブームの中で海外からの人気は彼の曲の中ではダントツの人気を誇っています。当時は、シングルにもなっていないのですが、そういうところがこのブームの面白いところでもあります。

 

  そして、注目したいのがアメリカ・ウィスコンシン州のトラックメイカーEngelwoodがこの曲をサンプリングした「Crystal Dolphin」という曲です。


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 この動画を作ったのはインドネシアのArdhira Putraという人らしく、鈴木英人っぽい感じとヴェイパー・ウェイヴっぽさが混じった、海外から見たシティポップ感がよく伝わってくる映像になっています。

 YouTubeでは165万回再生ですが、中国のビリビリ動画では359万、中国のTikTokでは500万回を超えているそうです。

 中国にもシティポップが火がつき始めているんですね。

 また、3年前に映画「夜明け告げるルーのうた」と「Crystal Dolphin」をシンクロさせた動画がYouTubeアップされていて、見たらなんと4600万回再生を記録していて、シティポップ・ブームはもはや、僕にはちょっとわけがわからない感じになっています(苦笑。

 しかも、Spotifyを見たら浜田省吾より濱田金吾の方がリスナーが全然多いです。

 40年経って、ハマダといえばキンゴです、という時代が来たということなのでしょうか。

 このブームの追い風を感じたのでしょう、彼は2010年代後半からまたライヴ活動を再開しています。

 

 最後は、今のシティポップ・ブームの流れとは違いますが、当時、高校生だった僕が”大人の歌だなあ〜”と思った彼の曲を。

 1981年のサードアルバム「Gentle Teavelin'」に収録されていた「裏窓」。

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