まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ミスティー・レディー」山本達彦(1979)

 おはようございます。

 今日は、昨日ピックアップした「真夜中のドア」(松原みき)と同じ日(1979年11月5日)に発売されたシングル、山本達彦の「ミスティー・レディー」です。

 


山 本 達 彦【 ミスティー・レディー 】

 

 昨日のブログの続きみたいになってしまいますが、昨今のCITY POP再評価の動きを見ていて、僕が疑問に思ってしまうことのひとつは彼があまりにフィーチャーされていないということです。

 リアルタイムではCITY POPの中心人物のひとりだったように思うのですが、、。

 このブログを見ればわかる通りなんですが、僕は大瀧詠一山下達郎をすごく好きで聴いていたのですが、当時彼らをCITY POPっていう風には思ってなかったです。「ロンバケ」や「FOR YOU」は”街”より”海”を連想させる感じでしたし。

 

 彼自身はこのような言葉を残している。

「ちなみにこのころ(1982年ころ)、シティポップスという言葉がさかんに使われ、自分の音楽もそう呼ばれる中に含まれていた。東京に生まれ、東京に育った、根っからの東京人、都市生活者である自分がつくりだす音楽は、シティポップスと名付けられることに、もちろん何の意義もない」

                        (「夜のピアノ」)

 

 なるほど、僕がリアルタイムで接していたのは”シティポップス”のほうで、”CITY POP”とは別物だったんだ、と思い当たるわけです。

 "CITY POP”とは新旧のマニアが、過去の中からけっこう偏った嗜好性で再構築したものなのでしょう。時代性や当時の感覚などはきっと関係ないんですね。

 

 とは、いいながら、山本達彦はもうちょっと再評価してもいんじゃない?と思います。確かにあの貴公子然とした佇まいは、当時オタク男子が毛嫌いしそうな感じはあったと思いますし、実際圧倒的に女性ファンが多かったわけですが。

 

 でも僕は、特に彼のフォノグラム時代、ファースト・アルバムからサード・アルバムが結構好きなんです。

 洗練された都会的な男性シンガー・ソングライター、いわば”男ユーミン”的な佇まいを感じます。

 特にこの「ミスティー・レディー」が入ったセカンド・アルバム「メモリアル・レイン」は曲も粒ぞろいで(伊達歩伊集院静の歌詞が曲の重心をしっかりまとめています)、松任谷正隆井上鑑というCITY POPの重要人物がアレンジした曲が中心ですし、細野晴臣高橋幸宏松原正樹林立夫など演奏陣も充実しています。

 

 しかし、今再評価されているようなサウンドが思いっきり前面に出ているものではなく、あくまでも、詞曲を味わう都会派シンガー・ソングライターの作品という感じではあります。

 

 さて、この「ミスティー・レディー」はもともと山本が、かまやつひろしの「Walk Again」(CITY POPとして再評価されています)というアルバムの為に書いて収録された曲で、「ストレンジャー」というタイトルでしたが、自身で取り上げることになったときに、新たに松本隆に歌詞を依頼したというものです。

 アレンジャーは瀬尾一三中島みゆき吉田拓郎、長渕などフォークのイメージが強い人ですが、”シティポップス”系ではこの当時は「海風」(風)「オリビアを聴きながら」(杏里)なども手がけています。

 

 最後に、アルバム「ミスティ・レイン」から、僕の好きな曲「バースデー」を。アルバム音源がアップされてなかったので、2008年のライヴ音源で。


山本達彦 - バースデイ

 

 

Memorial Rain

Memorial Rain

  • 発売日: 2014/11/05
  • メディア: MP3 ダウンロード