おはようございます。
今日はLUAの「SQUALL」です。
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あなたのこころに キスをして はじけた雨粒は 恋の色
どこからか プルメリアの匂いがして 色めき出す
感覚的で 本能的で 煩悩 BUT ほんと LOVE
漠然とした不安なんて 今すぐに解決
さあ ふたりを洗い流して SQUALL SQUALL
ダンスをしようよ 楽しいをもっと INSTALL INSTALL
誰ひとり傘を差さない あの街へ
僕らにしか見えない虹を探しに行こう
あなたの横顔に 恋をして やかましく鳴るのは 僕の音
いつの日も レフアのように燃え盛る 夕焼け空
感情的で 能動的な モーション AND ほんと LOVE
解明されたことなんて 面白くないよね
まるで 恋愛映画みたいな瞬間の SQUALL SQUALL
ライトビールがやたら似合う この街で
僕らにしか乗れないバスを待ち続けよう
観光客のフリしてさ 食べ放題ツアーに しれっと潜り込んで
今日も美味しいねって いたずらな顔で
僕の好きなキラキラで あなたを包むから
もう大丈夫 あなたを守る おまじないさ
Feelin' Good. Feelin' Good. Feelin' Good.
噛み締めて 忘れないように すべてを すべてを
切ない 切ない ストーリーを持ってくるのは この SQUALL
さあ ふたりを洗い流して SQUALL SQUALL
シャウトしようよ 淡い理想を HOPE HOPE
何回だって 巻き戻して 見たいような
僕らだけを濡らす雨が降り続ける
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今年の年明けにもこのブログでご紹介しましたが、僕のレーベル、VOZ Records(ボズレコード)からリリースしているシンガーソングライター、LUA(ルア)の8月4日に配信リリースされた新曲です。
お聴きの通り、この曲はシティ・ポップをモチーフに作った曲です。しかし、シティ・ポップをリアルタイムでは体験していない世代の彼がイメージする”シティ・ポップ”を自由に作ってもらいました。
そして、彼は4歳までハワイのホノルルに住んでいて、その時の記憶の情景を歌の舞台になりました。サウンドはリアルタイムではない世代がイメージするシティ・ポップ、歌詞の舞台は”遠い記憶のハワイ”に現代のラヴ・ストーリーを載せるという風に、サウンドと歌詞の両方ともが、過去と現代が交差するという構造になっています。
それから、この曲の鍵を握っているのがギターのリフ、カッティング。「ギター・マガジン」でシティ・ポップのカッティング・ギターの特集をするほど、こういう音楽にとってギターはすごく重要なものなのです。自分の曲のギタリストでもある彼は本当にいろんなパターンをしつこく試していました。この曲のラストのギターのリフは最後の最後にできたもので、これがエンディングにぴたっとハマったときに、この曲が完成したって思いました
YouTubeのこの動画には、海外の方から”今日は悲しい気分でいたけど、そのハッピーでジョイフルなサウンドのおかげで、たとえ日本語はよくはわからなくても、1日の残りの時間がすごくよくなった”という内容の書き込みがあって、これは本当にうれしかったです。
言葉の力を借りずに、音楽的な要素だけでハッピーな気分になってもらえたということですから。
たとえば、何気なく耳に入った曲に合わせて知らず知らずのうちにリズムを取っていて、曲が終わった頃には、気持ちの目盛りがいくつかあがっている、そういう音楽っていいですよね。僕はそういう音楽をものすごくリスペクトを感じます。
この曲を聴いた国内の方も、爽やかで明るい気分になれたといったコメントがあって、良かったと思います。
これは僕の偏った考えかもしれませんが、今の音楽は言葉を偏重しすぎて、すごく閉塞感を感じるんですよね。僕が若い頃洋楽が好きだったのは、言葉が耳に入ってこないことで、想像力を自由に働かせることができたからのような気がしますし。
だから、シティ・ポップのブームというのは、1980年代の文化、風俗がどうのこうのとかは実はそんなに重要じゃなくて、いまの閉塞的になっていく音楽シーンに対して、歌、サウンド、メロディ、という音楽的要素だけでいい気分になりたいという反動的なアクションとしてとらえる見方も必要じゃないか、とも思えます。
空気がこもってしまった部屋の窓を少し開けてほしがっている人は少なくないんだよ、っていう。
ただ、音楽的要素だけでいい気分になれる音楽というのは、なかなか作るのは大変なもので、今のブームで再評価されているアーティスト、アレンジャー、プレイヤーの人たちっていうのはやっぱりすごいんだなとつくづく思います。