まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「君は完璧さ(Do You Really Want to Hurt Me)」カルチャー・クラブ(1982)

 おはようございます。

 今日はカルチャー・クラブの「君は完璧さ」です。


Culture Club - Do You Really Want To Hurt Me (Official Video)

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Give me time to realise my crime
Let me love and steal
I have danced inside your eyes
How can I be real

Do you really want to hurt me
Do you really want to make me cry
Precious kisses, words that burn me
Lovers never ask you why

In my heart the fires burning
Choose my colour find a star
Precious people always tell me
That´s a step a step too far

Do you really want to hurt me
Do you really want to make me cry
Do you really want to hurt me
Do you really want to make me cry

Words are few, I have spoken
I could waste a thousand years
Wrapped in sorrow, words are token
Come inside and catch my tears

You´ve been talking but believe me
If it´s true, you do not know
This boy loves without a reason
I´m prepared to let you go

If it´s love you want from me then take it away
Everything is not what you see it´s over again

Do you really want to hurt me
Do you really want to make me cry
Do you really want to hurt me
Do you really want to make me cry、、、

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時間をください 僕の罪に気づくまでの

愛し、愛を奪わせてください

僕は君の瞳の中でずっと踊っていたんだ

どうすれば現実的になれるの?

 

本当に僕を傷つけたいの?

本当に僕を泣かせたいの?

大切なキスや言葉が僕を燃え上がらせる

恋人はそれがどうしてかなんて たずねたりしない

 

僕の心の炎は燃えている

その色を選んで その明るさで星を見つけて

大切な人たちはいつも僕に言う

あまりにも遠すぎるって

 

本当に僕を傷つけたいの?

本当に僕を泣かせたいの?

本当に僕を傷つけたいの?

本当に僕を泣かせたいの?

 

言葉もないまま 僕はしゃべった

1000年だって無駄に費やすこともできそうさ

悲しみにくるまって 言葉はしるし

心の中に入ってきて、僕の涙を受け止めて

 

君はしゃべり続けているけど  僕を信じて

もしそれが確かなら、君は知らないんだ

この僕が、理由もなく愛していることを

僕は君を行かせる覚悟はできているんだ

 

もし、君が僕の愛が欲しいなら、さあそうすればいい

すべてのものが君の見た通りとは限らないんだ

また愛は終わってしまったんだ

 

本当に僕を傷つけたいの?

本当に僕を泣かせたいの?

本当に僕を傷つけたいの?

本当に僕を泣かせたいの?              (拙訳)

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 ラジオ番組の企画から生まれた'80sの代表曲

 

 カルチャー・クラブはボーカルのボーイ・ジョージを中心とする4人組。

 ボーイ・ジョージはバンド結成前にセックス・ピストルズを手がけたマルコム・マクラーレンと出会い、彼がマネージメントしているバウ・ワウ・ワウというグループにボーカルで参加することになっていたそうですが、うまくいかず自分でバンドを結成することに決めたそうです。

 ちなみにバウ・ワウ・ワウは日本でも人気のあったアダム&ジ・アンツ(沢田研二がファッションを取り入れましたね)のアダム以外のメンバーを全員引き抜いて結成したバンドでした。

 当時の”お化粧系”のカリスマ二人、アダム・アントとボーイ・ジョージがクロスする瞬間があったんですね(もうひとり、当時の同系のカリスマにデッド・オア・アライヴピート・バーンズもいました)。

 

 さて、カルチャークラブは1982年に「ホワイト・ボーイ」という曲でデビューします。


Culture Club - White Boy (Performance)

 しかし、全英114位とふるわず、次のシングル「アイム・アフレイド・オブ・ミー〜あしたのボクは?」も全英100位で終わります。両方ともロンドンのクラブ・シーンでは大変に人気だったそうですが、そこから外に広まらなかったんですね。

 背水の陣で発表したこの「君は完璧さ」は、ダンスミュージックだった前の2作とうってかわって、レゲエのリズムをベースにしたミディアム・スローの楽曲でした。

 当時はポリス、UB40などレゲエを取り入れた音楽がイギリスでは大人気だったんですね。

   イギリスでは国営放送BBCの主に最新ヒットを紹介する"RADIO 1"、RADIO 1より広いジャンル、年代をカバーしリスナーが一番多い"RADIO 2”といったラジオ局がヒットに大きな影響を及ぼしていました。

 プロデューサーのスティーヴ・レヴィンによると、当時RADIO1では、人気DJの番組で演奏を収録する(事前収録)企画があり、カルチャークラヴも参加し3曲やることになり、シングル2曲に加えて、録音することにしたのがこの「君は完璧さ」でした。この時点ではシングルになることは決まっていなかったようですが、デモを録ったばかりで、本人たちもやりやすかったということもあったようです。

 

 時間の関係でこの曲だけ一発録りに近いやり方になったそうですが、かえってそのほうが出来が良く、ジョージのボーカルがよいことに気づいたため、シングルの録音も同じやり方を選んだそうです。

 そして発売されると、"RADIO 1"じゃなく"RADIO 2”の今週のレコードに選ばれたことがきかっけで、火がつきます。(当時の"RADIO 2”は今より"RADIO 1"に近い選曲だったようです)

 そして、チャートが32位になると、国民的TV番組「トップ・オブ・ポップス」で、エルトン・ジョン(シェイキン・スティーヴンスという説もあります)の出演が急にキャンセルになったため、彼らに声がかかり出演すると、その4週後にはイギリスでナンバー・ワンになりました。

 

 曲が良くラジオで広まり、TVに出演するとビジュアルにインパクトがあるわけですから、まさに理想的な展開ですよね。

 アメリカでは前年にMTVが開局していたので、彼らは最初からビジュアル込みで大ブレイクします。

 

 ボーイ・ジョージはこの曲についてこのように語っています。

「あれはカルチャー・クラブのドラマーで当時のボーイフレンドだったジョン・モスについて書いた曲だ。ただジョンだけでなく、あの頃つき合っていたすべての男性のことでもあるんだ。僕はいつもああいうぎこちない恋愛をしていた、それは他人が関わったときに限って気まずくなるということなんだ」

  (Flashback: October 1982(The Guardian))

 

参考:IN THE MIX – ‘DO YOU REALLY WANT TO HURT ME’(NEWSOUNDS)

 

「君は完璧さ」の次のシングル「タイム」。僕は彼らの曲ではこれが一番好きです。


Culture Club - Time (Clock Of The Heart)

 

君は完璧さ

君は完璧さ

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