まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト (A Prisoner of the Past)」プリファブ・スプラウト (1997)

 おはようございます。

 今日はプリファブ・スプラウトの「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト」です。


Prefab Sprout - Prisoner Of The Past

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I'm a ghost to you now, I'm someone you don't really wish to see
I'm a ghost to you now, a shadow since you turned your back on me
Maybe you'll learn why it was I shook
Baby your turn to wear the haunted look

This ghost is here to stay
I survived the blast
Get ready, get ready to pay
I'm taking you at last
A prisoner of the past
This ghost is here to stay
He survived the blast
Get ready, get ready to say
I've found my niche at last
A prisoner of the past

Anywhere that you go, I'm going to be the welcome there for you
Everywhere that you go, be certain that the table's set for two
Maybe you'll learn, there's nowhere you can go
Baby you'll turn, as white, as white as snow

This ghost is here to stay
I survived the blast
Get ready, get ready to pay
I'm taking you at last
A prisoner of the past
This ghost is here to stay
He survived the blast
Get ready, get ready to say
I've found my niche at last
A prisoner of the past

This ghost is here to stay
I survived the blast
Get ready, get ready to pay
I'm taking you at last
A prisoner of the past

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今では僕は君にとってゴーストさ

本気で顔も見たくないと思っているヤツさ

今では僕は君にとってゴーストさ

君が僕に背を向けたから、ただの影さ

たぶん君は僕が震えた理由がわかるだろう

ベイビー、今度は君が幽霊のようになる番なのさ

 

ゴーストはここにいるよ

僕は攻撃から生き延びた

ツケを払う準備をするんだ 最後は君をつかまえるよ

君も過去に囚われた人間さ

ゴーストはここにいるよ

ヤツは攻撃から生き延びた

こう言う準備をするんだ とうとう自分の居場所を見つけたと

過去の囚人として

 

君がどこに行こうとも 僕はそこで歓迎するよ

行く先々で 二人のテーブルが間違いなくある

たぶん君は知ることになる もうどこにも行く場所はないことを

ベイビー、振り返った君の顔は血の気が引いて 雪のように白いだろう

 

ゴーストはここにいるよ

僕は攻撃から生き延びた

ツケを払う準備をするんだ 最後は君をつかまえるよ

君も過去に囚われた人間さ

ゴーストはここにいるよ

ヤツは攻撃から生き延びた

こう言う準備をするんだ とうとう自分の居場所を見つけたと

過去の囚人として           (拙訳)

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 プリファブ・スプラウト はイギリス、ニューカッスル近郊ダーラム出身のパディ・マクアルーンを中心に結成さたバンド。

  パディはまず弟のマーティンと1977年にバンドを結成、よく1978年にはバンド名をプリファブ・スプラウトとします。

 

 prefab=「プレハブ」sprout=「芽」とは奇妙な名前ですが、このバンド名についてパディはこう語っています。

 

「名前のことを何度も聞かれるので、よく話を作っていたよ。事実は、僕がただ作り出したってこと。その頃はどのグループも何かを意味しているような名前をつけていて、フルーツフルデッドとかティラノサウルス・レックスとかね。君が13歳だとしたら、その名前には深い意味があって、何か秘密があるだろうと思うはずさ。僕はそういうアイデアが気に入っていたので、2つの奇妙な言葉を思い浮かべてそれを組み合わせて、今もその名前を変えていない、基本的には、そのことが、かつて僕がどんな風に物事を見ていたかを思い出させてくれるからね」

                         (sproutlogy)

  彼らは1982年にデビューし、1985年リリースのセカンド・アルバム「スティーヴ・マックィーン」が日本でも評判になります。

 

 数々のアーティストがカバーしている代表曲「When Love Breaks Down」


Prefab Sprout - When Love Breaks Down (Official Video)

 そして、彼らがセールス的に最も成功したのはサード・アルバム『 ラングレー・パークからの挨拶状 (From Langley Park to Memphis) 』でした。

  全英7位のヒットになった「The King of Rock'N'Roll」


Prefab Sprout - The King of Rock 'N' Roll

 

 そして、この「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト」は5枚目のアルバム『 ヨルダン: ザ・カムバック (Jordan: The Comeback) 』(1990)から7年のブランクを経てリリースされたアルバム「アンドロメダ・ハイツ」からのシングルで全英30位になっています。

 その7年間にパディは世界史の中のある瞬間を取り上げ、それを曲にするという壮大なコンセプト(アダムとイブ、からアームストロング船長、エルヴィス・プレスリーなど)を元にアルバム7~8枚分にあたるほどの曲を書き、同時にあらたなコンピューターのレコーディング機材を学んでいたそうです。そして、そこからシンプルによりポップスにフォーカスした作品を作る方向にシフトしたそうです。

 特に、この「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト」ではフィル・スペクターサウンドに挑んでいます。これは1989年ごろに書いた曲だったそうです。

 

「実際、「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト」はフィル・スペクターみたいなサウンドをイメージした書いた曲なんだ。ライチャス・ブラザースやスコット・ウォーカーのようなボリュームがあって濃厚なシンガーが歌うような。ウォール・オブ・サウンドみたいな音でレコーディングしたいと思いながらアルバムの全部を曲を書いたんだ。「ア・プリズナー・オブ・ザ・パスト」について言えば、僕ヴァージョンの「リバー・ディープ・マウンテン・ハイ」を作りたかった。だけど僕が目指すところまでには届かなかった。頭の中ではスペクターの真似をするのは面白いだろうなと思ったけど、実際は大変だったよ。まず、僕が使ったレコーディング・スタジオは小さすぎたんだ。スペクター・サウンドを作り上げるためには、とてつもない量の反響音をまわすために大きな部屋が必要なんです。ミュージシャンの人数にも問題があった。このように全部がきちんとととなわないと、スペクター・サウンドを生み出すことは不可能なんだ。だから当分の間、フィル・スペクターに挑戦するのはやめたんだけど......まあ、大きなブースにドラマーを入れて、たくさんのミュージシャンを一度に集めるチャンスがあれば、また挑戦してみようかなと思っているよ」

 (sproutlogy   〜   "Dig”2000年のインタビュー記事より)

 

 また、彼は幼い頃にグレン・キャンベルの「ウィチタ・ラインマン」を聴いて以来、ジミー・ウェッブのファンだったそうで、そういうかつてのポップス黄金期のクリエイターたちの影響が「アンドロメダ・ハイツ」というアルバムにはストレートに反映されています。

 

 

 この曲が目指した「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」 

popups.hatenablog.com

パディ・マクアルーンに影響を与えた「ウィチタ・ラインマン」

popups.hatenablog.com

 

 

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