まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「想い出のフォトグラフ(Photograph)」リンゴ・スター(1973)

 おはようございます。

 今日も昨日に続いてリンゴ・スター。「想い出のフォトグラフ(Photograph)」です。


Photograph

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Every time I see your face
It reminds me of the places we used to go
But all I've got is a photograph
And I realize you're not coming back anymore

I thought I'd make it
The day you went away
But I can't make it
'Til you come home again to stay

I can't get used to living here
While my heart is broke, my tears I cry for you
I want you here to have and hold
As the years go by, and we grow old and gray

Now you're expecting me to live without you
But that's not something that I'm looking forward to

I can't get used to living here
While my heart is broke, my tears I cry for you
I want you here to have and hold
As the years go by, and we grow old and gray

Every time I see your face
It reminds me of the places we used to go
But all I've got is a photograph
And I realize you're not coming back anymore

Every time I see your face
It reminds me of the places we used to go
But all I've got is a photograph
And I realize you're not coming back anymore

Every time I see your face
It reminds me of the places we used to go
But all I've got is a photograph

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君の顔を見るといつも

二人よく行った場所のことを思い出すんだ

だけど、いま僕にあるのはたった一枚の写真

そして、君はもう戻ってこないって気づいたんだ

 

君が出て行った日 僕はなんとかやっていけると思った

だけどダメなんだ 君がまた帰ってきてくれないと

 

ここの暮らしに慣れることはないよ

心は傷ついたまま 君を思って流れる涙もとまらない

君にここにいてほしい 抱きしめたい

年月が過ぎるとともに 一緒に歳をとって白髪になって

 

君なしに生きていけるなんじゃないかなんて

そんなこと僕が待ち焦がれていることじゃない

 

ここの暮らしに慣れることはないよ

心は傷ついたまま 君を思って流れる涙もとまらない

君にここにいてほしい 抱きしめたい

年月が過ぎるとともに 一緒に歳をとって白髪になって

 

君の顔を見るといつも

二人よく行った場所のことを思い出すんだ

だけど、いま僕にあるのはたった一枚の写真

そして、君はもう戻ってこないって気づいたんだ    (拙訳)

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  昨日このブログでピックアップした「ユア・シックスティーン」の一つ前、アルバム「リンゴ」からの最初のシングルになったのがこの「想い出のフォトグラフ」でした。

 見事全米NO.1、その次の「ユア・シックスティーン」も全米NO.1ですから2曲連続です。

 これはソロとしてジョン・レノンポール・マッカートニージョージ・ハリソンも成し遂げられなかったことなのだそうです。

  しかもソロとして2枚目のシングルから8曲連続全米トップ10入りしていて、これもメンバーの中で最も良い成績です。

 ビートルズ解散後、最初に最もチャートを賑わしたのが、なんとリンゴだったんですね。

 

   ビートルズの「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のリード・ボーカルをとっていたのはリンゴでしたが、彼のソロ活動の成功はまさに友達の”ちょっとした手助け”ならぬ”大きな協力”がもたらしたもののように思えます。それも、また彼の人徳なんでしょう。

  解散して数年しか経ってないのに、ビートルズの他のメンバーが彼のアルバム制作のために全員集まるわけですから。

 

 さて、この「想い出のフォトグラフ」を共作しレコーディングにも参加した”友人”は、ジョージ・ハリスンでした。

 リンゴとジョージは1971年5月、サントロペで行われたミック・ジャガーの結婚式に出席した後、南フランスでカンヌ映画祭の期間に、豪華ヨット”Marala”を借りてその船内でこの曲を書いたと言われています。

 ビートルズがバックアップしたことで知られる女性シンガー、シラ・ブラックもそのヨットに乗っていて、ある夜ジョージがその曲をみんなの前で披露した時に、その場にいた人間が歌詞のアイディアを出したと証言しています。

 また、彼女はリンゴにこの曲をシングルとしてレコーディングしたいと伝えましたが、リンゴは自分が歌う、と返事したそうです。

 

 その後、ジョージはアルバム『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』の制作に入りリンゴもドラムスで参加しますが、その間にこの曲のデモも録ったりしたようです。

 そして、キーボードのニッキー・ホプキンス、ベースのクラウス・フォアマン、ドラムスのジム・ケルトナーなどジョージのアルバムに参加したプレイヤーがこぞって「リンゴ」にも参加しています。

 

 そして、「想い出のフォトグラフ」を一段と魅力的にしているのはアレンジです。

 今月亡くなってしまったフィル・スペクター風のサウンドを効果的に使っています。

フィル・スペクターのアレンジャーとして知られるジャック・ニッチェがオーケストラとコーラスのアレンジで参加しているのです。

 「マイ・スウィート・ロード」などフィル・スペクターの直接のプロデュースで作品を作ったジョージと、フィルの片腕ジャック・ニッチェが揃ったわけですから、そのノウハウがスタジオでも発揮されたことは間違いないと思います。

 

 当時、ジョン・レノンはTV番組でこう語ったそうです。

「ほんとにハッピーだ。リンゴが成功したから、ぼくたちは一線に並ぶことができたと思う」

       (「ビルボード・ナンバー1・ヒット 下1971~1985」)

 こういうことを言わせてしまう、誰からも憎まれないような人間性がリンゴにはあるんでしょうね。

 

 

リンゴ

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