おはようございます。
今日はリンダ・ロンシュタットの「悪いあなた」です。
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Feeling better now that we're through
Feeling better 'cause I'm over you
I learned my lesson, it left a scar
Now I see how you really are
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
I'm gonna say it again
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
I broke a heart that's gentle and true
Well I broke a heart over someone like you
I'll beg his forgiveness on bended knee
I wouldn't blame him if he said to me
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
I'm gonna say it again
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
I'm telling you now baby and I'm going my way
Forget about you baby 'cause I'm leaving to stay
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
I'm gonna say it again
You're no good
You're no good
You're no good
Baby you're no good
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今は気分が良くなったの あなたと別れたから
気分が良くなったわ だってあなたのことをふっきれたから
私は学んだわ 傷は残ったけど
今は、あなたが本当はどんな人なのかわかるわ
あなたはダメな人、あなたはダメな人
ベイビー、あなたはダメな人よ
もう一度言うわね
あなたはダメな人、あなたはダメな人
ベイビー、あなたはダメな人よ
私は優しくて嘘のない心を傷つけてしまった
あなたのような誰かの心を傷つけてしまった
私はあなたの許しを請うわ
あなたが何を言っても私はとがめない
あなたはダメな人、あなたはダメな人
ベイビー、あなたはダメな人よ
もう一度言うわね
あなたはダメな人、あなたはダメな人
ベイビー、あなたはダメな人よ
ねえ ベイビー 私は自分の道を行くわ
あなたのことを忘れるわ 私らしくいるために出て行くから
あなたはダメな人、あなたはダメな人
ベイビー、あなたはダメな人よ (拙訳)
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”大きな耳”を持つ、1970年代アメリカ最高の歌姫
昨日このブログに登場したJ.D.サウザーは、イーグルスのグレン・フライとドン・ヘンリー、ジャクソン・ブラウンなどとコラボしてきましたが、彼が自分にとって最も重要なコラボ相手だったと語っているのがリンダ・ロンシュタットです。
1970年代半ばから80年くらいにかけて、アメリカの”歌姫”と言えば彼女でした。彼女の特徴は”選曲耳”。古いフォークソング、R&R、R&Bなどを蘇らせ、J.D. サウザーをはじめとして、ウォーレン・ジヴォン、カーラ・ボノフなどの優れた作家たちの曲を世に出すきっかけになりました。イーグルスの名曲「デスペラード」も彼女がカバーすることで有名になったものでしたし、ジャクソン・ブラウンの「ロック・ミー・オン・ザ・ウォーター」も彼女のほうが早くシングルでリリースしています。アメリカのアーティストとしてエルヴィス・コステロの曲(「アリスン」)をいち早くカバーしたのも彼女でした。
J.Dはこう語っています。
「(音楽の知識が豊かで)僕が話題に持ち出して、彼女がそのことを知らないなんてことは未だにない。彼女を僕が若い頃に年上のジャズ・プレイヤーが『大きな耳』と呼んだものだ。彼女は最高の音楽だけを聴いて、その中の最高のものを聴きとる。そして何故かを説明できる。」
(「ジャクソン・ブラウンとカリフォルニアのシンガー・ソングライターたち」)
そういえば、ビリー・ジョエルが自分が作った「素顔のままで」がどうも気に入らずアルバムから外そうとした時に絶対に入れろと言ったのが彼女(とフィービー・スノウ)でした。音楽の聴き手としてもずば抜けていた人だったんですね。
アリゾナ州ツーソンで生まれた彼女は、様々な音楽に満ちた環境で育ち、14歳で兄と妹とグループを結成し音楽活動を始めます。そして、18歳で本格的なキャリアを目指すべくロサンゼルスに移住し、同郷の知り合いだったボブ・キンメルと彼の曲作りのパートナーだったケニー・エドワーズと「ストーン・ポニーズ」を結成、メジャー・デビューを果たします。
彼らはアルバムを3枚リリースしヒットしませんでしたが、シングルが1曲だけ全米13位のヒットになっています。「Different Drums」という曲です。
そして1969年からソロ活動を開始した彼女が、念願のブレイクを果たしたのがこの「悪いあなた」でした(1975年全米1位)。
僕はこの曲はカーリー・サイモンの「うつろな愛」(1972年)のラインを狙ったものなのかなと当初は思っていましたが、「悪いあなた」はもっと前に書かれていた曲のカバーでした。
オリジナルはディーディー・ワーウィック。ディオンヌ・ワーウィックの2歳下の妹ですが、彼女が1963年にリリースしたデビュー曲がこの「悪いあなた(You're No Good」」でした(全米117位)。プロデュースしたのはドリフターズなどを手がけた、ジェフ・リーバー&マイク・ストーラーです。
Dee Dee Warwick - You're No Good - The original version!
同じ年にすかさずこの曲をカバーしたのがベティ・エヴェレット。シカゴで活動していた彼女はシカゴのレーベル”Vee-Jay”からこの曲をリリースし全米51位まであがっています。
イギリスではスウィンギング・ブルージーンズのカバーが1964年に全英3位になっています。
Swinging Blue Jeans - You`re No Good
さて、彼女はストーン・ポニーズの仲間だったケニー・エドワーズからこの曲をカバーするよう勧められライヴで歌うようになっていました。
彼女の作品のプロデューサーであるピーター・アッシャーは1960年代に”ピーター&ゴードン”というデュオで活躍していました。イギリス人である彼はスウィンギング・ブルージーンズのヴァージョンでこの曲を知り好きだったので、アルバムに収録することにします。
そして、ピーターはディー・ディーやベティのようなR&Bじゃなく、スウィンギング・ブルージーンズに近いブリティッシュ・ビートに近いサウンドにしようと考えたようです。
レコーディング中、リンダはこのサウンドについて最初は「ビートルズみたいで好きじゃない」と言っていたそうですが、しばらく聴いていくうちに「私が間違っていた、素晴らしいわ」と同意そうです。膨大な曲を聴き込んできた彼女の耳が、冷静な判断を導きだしたのでしょう。
そして、この曲は見事に全米1位になる大ヒットになったわけです。
その後は、彼女のどんなジャンルにも対応できる選曲耳と、どんなジャンルにも対応できる歌の技能を持って、そしてチャーミングなビジュアルも合わせて、全米で最も人気のある女性シンガーの座へとのぼりつめていきました。
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