まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「In A Hurry」ポール・マッカートニー(2019)

  おはようございます。

  今日はポール・マッカートニーの新曲を。

 


Paul McCartney - In A Hurry (Audio)

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She was always in a hurry
Never took the time to look around
She was always one to worry and fret
Staring at the ground


Every minute, she'd be rushing
Someone always breathing down her neck
Felt like everyone was pushing her down
Keeping her in check


How could she leave? She's gotta stay
Somebody has to sit and wait
Deep in a dream, she hears a voice
"It's not too late to celebrate"


Uncontrollable laughter
Running 'round in her head 
This is what she was after
Not too late, not too late

 

It's never too late to celebrate
No one said you've got to wait
Allow me to congratulate you, baby
Yeah, yeah

It's never too late to celebrate
And no one said you had to wait
Allow me to congratulate you, baby


Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late, never too late

Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late, never too late


Now she doesn't have to hurry
She can do exactly what she wants
Ask her why she doesn't worry or fret
This is her response:

 

Uncontrollable laughter
Running 'round in her head
This is what she was after
Not too late, not too late


It's never too late to celebrate
No one said you've gotta wait
Allow me to congratulate you, baby
Yeah

It's never too late to celebrate
Allow me to congratulate
It's never too late to celebrate you, baby


Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late to celebrate
Never too late, never too late、、、、

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彼女はいつも急いでいた
周りを見る余裕もない
いつも心配で思い悩んでいた
地面をじっと見つめて


1分ごとに、彼女は急いでいる
いつも誰かがいつも彼女を監視しているんだ
みんなが彼女を抑えつけるために
押し倒そうとする気がする

 

どうやったら彼女は去れるのか?
彼女は居なければならない
誰かが座って待たなきゃいけない
深い夢の中で 彼女は声を聞く
"お祝いするのに遅すぎることはない"


抑えきれない笑い
頭の中をぐるぐると回って
これが彼女が求めていたものなんだ
遅くはない、遅くはない

 

お祝いするのに遅すぎることはない
誰も待てなんて言ってないよ
おめでとうを言わせてほしんだ、ベイビー


お祝いするのに遅すぎることはない
誰も待てなんて言ってないよ
キミを祝福させてほしいんだ、ベイビー


お祝いするのに遅すぎることはない、、、

 


今、彼女は急がなくてもいいんだ
彼女は自分のやりたいことができる
彼女に聞いてみるといい、なぜ心配して悩まないのかと
これが彼女の答えさ

 

抑えきれない笑い
頭の中をぐるぐると回る
これが彼女の求めていたもの
遅すぎることはない、遅すぎることはない


お祝するのに遅すぎることはない
誰も待てなんて言ってない
おめでとうを言わせてくれ、ベイビー


祝うのに遅すぎることはない
祝福させてほしいのさ
あなたを祝うのに遅すぎることはない、ベイビー


お祝いするのに、遅すぎることはない
祝杯をあげるのに、遅すぎることはない
お祝いをするのに、遅すぎることはない
遅すぎることはない、遅すぎることはないのさ、、、

   (拙訳)

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 この曲はアメリカのブラック・フライデー(11月29日)にあわせて行われた”レコード・ストア・デイ”の限定アイテムとしてピクチャー・ディスクのシングルとしてリリースされたそうです。それに先駆けて、デジタル配信もされています。

 

 曲は今年発売されて大きな反響があった彼のニュー・アルバム「エジプト・ステーション」のセッション時に作られ、アルバムには収録されていなかったものらしいです。なんでボツにしたの?と疑問に思うくらいいい仕上がりです。

 77歳にしてこんな曲をバリバリ書いているなんて、もう、ただただひれ伏すしかない感じですね。アデル、ベック、レディ・ガガフー・ファイターズ、シーアなどを手掛けている現在のNO.1プロデューサー、グレッグ・カースティンの手腕もすごいということでしょう。プロデューサーの力でこれだけ良くなるんだという証明でもあると思います。

 

 この曲のメッセージはいたってシンプルです。

 

  ”Never too late to celebrate”

 お祝いするのに遅すぎることはない。”celebrate”は「祝う」ですが、クール&ザ・ギャングの「セレブレーション」あたりから、もっと大雑把に、思いっきり盛り上がろう、みたいな感じのニュアンスで使われることも多くなったように思います。

 

 ですから、言い換えれば<今からでも遅くない、楽しく生きようよ!>というメッセージなんだと僕は思います。

 

  思えば、彼の音楽は、そして彼の姿勢、立ち振る舞いまで含めて、昔からずっと一貫して

  ”人生難しく考えないで、楽しもうよ”

 というメッセージを送ってきたような気がします。

 

  そのスタイルをず~っと貫徹している、そんなアーティストは、世界中探しても他にいないでしょう。昔は、その飄々とした佇まいのせいで、ちょっと軽んじられた時期もありましたが、そのぶれなさ加減は今となってはもはや神々しい(?)とすら感じられます。

 

 さて、「In A Hurry」は両A面シングル(懐かしい表現!)ですので、もう1曲も紹介します。

 


Paul McCartney - Home Tonight (Audio)

 ”今夜君を家に連れていくよ 君が大丈夫か確かめたいんだ

 冷たい風が吹き始めたから、君のコートは薄すぎるから 

 今夜君を家に連れていくよ”

 

  2曲ともクリスマス・シーズンにぴったりの内容なんですね。

 

 さて、”難しいことはいいから、ただ楽しもうよ”という彼らしいメッセージが、最もシンプルに表現された有名なクリスマス・ソングもアップしておきます。

 くり返されるフレーズが"Simply Having a Wonderful Christmas Time"。

 メロディとサウンドも、クリスマス・ソングにありがちな、意図的に演出された情感やドラマ性はいっさいなし。ただただ、心が軽快になってゆく、これぞポール・マッカートニー、だと思います。

 


Paul McCartney - Wonderful Christmastime

 

 

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