まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「あの娘におせっかい(Listen to What the Man Said)」ウィングス(1975)

 おはようございます。

 今日はウィングスの「あの娘におせっかい」です。


Sir Paul McCartney & Wings - Listen To What The Man Said [Remastered] [HD]

 

 ”いつだって いつだって

  人はこういうんだよ 愛は盲目だって

   僕にはわからないけど  愛は思いやりがあるって言うよ

 

   兵隊の男子が女の子にキスをする

   悲劇的な世界を放っておいて

   だけど彼は気にしない 恋をしているから

   そして愛はいいもんだって言うのさ

  

   そうさ、確かに僕らはわかっている

    人はみんな自分の行く道を見つけるって

    あいつが何て言ったって

       僕らが知る限り 愛はいいものさ

    僕らが知る限り 愛は育ってゆくものさ

       それがあいつが言ったこと

  だからあいつの言うことに耳を傾けてくれないか

 

    そうさ、確かに僕らはわかっている

    人はみんな自分の行く道を見つけるって

    あいつが何て言ったって

       僕らが知る限り 愛はいいものさ

     僕らが知る限り 愛は育ってゆくもの

       それがあいつが言ったことさ

  だからあいつの言うことに耳を傾けてくれないか

        

        不思議なときめきを、ベイビー、、、、”    (拙訳)

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Any time, any day
You can hear the people say
That love is blind
Well, I don't know but I say love is kind

Soldier boy kisses girl
Leaves behind a tragic world
But he won't mind, he's in love
And he says love is fine

Oh yes, indeed we know
That people will find a way to go
No matter what the man said
And love is fine for all we know
For all we know, our love will grow
That's what the man said
So won't you listen to what the man said
He said

Oh yes, indeed we know
That people will find a way to go
No matter what the man said
And love is fine for all we know
For all we know, our love will grow
That's what the man said
So won't you listen to what the man said
He said

Oh yes, indeed we know
That people will find a way to go
No matter what the man said
And love is fine for all we know
For all we know, our love will grow
That's what the man said
So won't you listen to what the man said
He said

The wonder of it all baby
The wonder of it all baby
The wonder of it all baby, yeah yeah yeah

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 ロック、ポップス史上で一番の天才は誰?みたいなアンケートを世界中で実施したら間違いなく1位はポール・マッカートニーになるんじゃないでしょうか。

 でも、「軽いヤツ」っていう評判もずっとありましたね。ジョン・レノンとの比較というのが大きかったとは思いますが。

 

 ただ、生涯通じて、その「軽く」て「飄々とする」姿勢がまったくぶれていないので、今では世間もその「軽さ」を天才性の根拠のひとつと認識するに至ったように僕は思います。

 そして、彼は軽快で親しみやすくてポップなんだけど、絶対に他の人間が真似できないような曲をたくさん残しています。

 その中で人生のベイシックは「LOVE」、音楽のベイシックは「LOVE SONG」という彼の信条がこめられているように思います。「心のラブソング(Silly Love Song)」とともに彼のそんな信条がはっきり出ているのがこの「あの娘におせっかい」です。

 

 僕は初めて聴いた時に、邦題から勝手に推測して、若い女の子に口うるさく恋のアドバイスをしている歌だろうと決めつけていましたが、そうじゃないんですね。

 だいたい”あの娘”にあたる存在が出てこないんですから。

 いろいろ言う人もいるかもしれないけど、愛っていいもんだよ、と誰に言うでもなく言っている、ざっくりした歌です。

 

 タイトルを訳せば、”the Man”の言うことを聴こう、ということで、これまたthe Manが誰を指しているのかよくわからない感じもあって、ネットを見てみると、それは神様だ、なんていう説もあります。

 僕は個人的には、もっとざっくり受け手の解釈にはなから任せている、ように思えます。もちろん神様だと感じる人もいれば、特定の誰かを思い浮かべる人もいるでしょう。

 そいつ(その人)がこんなことを言ってたような、だから耳を傾けてみたら、みたいな、ものすごくざっくりしたものを感じます。

 

 昔から気になっていたのですが、冒頭のナレーション

 "All right, OK... very good to see you down in New Orleans, man, yeah, yeah. Reet, yeah, yeah..." 

(オーライ!オーケー わざわざニューオーリンズまで来てくれてうれしいぜ、マン、イエイエ、いいね、イエイエ、、)

 

 これは、ニュー・オーリンズの名ファンク・バンド”ミーターズ”のギタリスト、レオ・ノセンテリのものまねをポールがやったものなのだそうです。

 

 この曲はニュー・オーリンズでレコーディングしたので、きっと二人は会って、レオの喋り方がかなりクセがあって面白いからってレコーディング中ポールは真似して楽しんだのかもしれませんが、いくらなんでもシングル曲の冒頭に入れるにはネタがマニアックすぎますよね。

 でも、それがポール・マッカートニー、って許されてしまうのがポール・マッカートニー

 そして曲は見事全米1位。キャプテン&テニールの特大ヒット「愛ある限り」を蹴落としています。

 

 そんなわけで、僕は彼の音楽を聴くときはいつも

 「おい、あんまり深刻になりすぎるなよ!」

 と言われているような気持ちなります。

 ちなみに、テレビでタモリを見てるときも、そういう気持ちになります(笑。

 僕も、飄々と淡々と生きたいなあと思いますが、あれはやっぱり達人の域なんでしょうね。

 

 

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