まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ホールド・ミー・ナウ(Hold Me Now)」トンプソン・ツインズ(1983)

 おはようございます。

 今日はトンプソン・ツインズの「ホールド・ミー・ナウ」です。

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I have a picture
Pinned to my wall
An image of you and of me and
We're laughing, we're loving it all
But look at our life now
All tattered and torn
We fuss and we fight
And delight in the tears
That we cry until dawn

Hold me now
Warm my heart
Stay with me
Let love be the start
Let love be the start

You say I'm a dreamer
We're two of a kind
Both of us searching
For some perfect world
We know we'll never find
So perhaps I should leave here
Yeah, yeah, and go far away
But you know that there's nowhere
That I'd rather be
Than with you here today

 

Hold me now
Warm my heart
Stay with me
Let love be the start
Let love be the start, whoa
Hold me now, whoa
Warm my heart
Stay with me
Let love be the start
Let love be the start

You ask if I love you
Well, what can I say?
You know that I do
And that this is just one
Of those games that we play
So I'll sing you a new song
Please don't cry anymore
I'll even ask your forgiveness
Though I don't know
Just what I'm asking it for

Hold me now, (hold me in your loving arms) 
Warm my heart (warm my cold and tired heart)
Stay with me (stay with me)
Let love be the start
Let love be the start
Hold me now, (hold me in your loving arms) 
Warm my heart (warm my cold and tired heart)
Stay with me (stay with me)
Let love be the start
Let love be the start
Hold me now, (hold me in your loving arms) 
Warm my heart (warm my cold and tired heart)
Stay with me (stay with me)
Let love be the start
Let love be the start
Hold me now, (hold me in your loving arms) 
Warm my heart (warm my cold and tired heart)
Stay with me (stay with me)
Let love be the start
Let love be the start
Hold me now, (hold me in your loving arms) 
Warm my heart (warm my cold and tired heart)
Stay with me (stay with me)
Let love be the start
Let love be the start

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部屋の壁にピンでとめられた写真がある 

写っているのは君と僕 そして、僕らは笑っている

二人のお気に入りの写真さ

だけどいま僕らの人生を見つめてみると

みんなボロボロに引き裂かれて

イライラして喧嘩して

朝まで泣き明かして涙に喜びを見つけている


僕を抱きしめて、さあ

この心をあたためて

一緒にいてほしい

愛を最初からやり直そう 

 

僕は夢想家だって君は言う

僕らは似た者同士なんだよ

ふたりとも、完璧な世界を探していて

それが見つからないこともわかっている

だからたぶん、ここを離れたほうがいいのさ

そうさ、遠くに行くんだ

だけど君はわかっているのさ

今日ここで君と一緒にいる以上に

僕がいるべき場所などどこにもないことを

 

僕を抱きしめて、さあ

この心をあたためて

一緒にいてほしい

愛を最初からやり直そう 

僕を抱きしめて、さあ

この心をあたためて

一緒にいてほしい

愛を最初からやり直そう 

 

君はたずねる 僕が君を愛しているかって

なんて言えばいいんだろう?

僕が愛していることも

これが僕たちがやって来たゲームの一つに過ぎないことも

君はわかっているのさ

だから、僕は新しい歌を歌おう

どうか、もう泣かないで

君に許しを請いもしよう

なんのために僕はそれを求めているのかわからなくても

 

さあ僕を抱きしめて(君の愛しい腕の中で)

この心をあたためて(僕の冷え疲れた心をあたためて)

一緒にいてほしい(一緒にいてほしい)

愛を最初からやり直そう 、、、

 

           (拙訳)

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  1983年に全米3位、全英4位の大ヒットを記録、大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」のアレンジのヒントになった曲として、このブログでも以前にふれていました。

 

 ”トンプソン・ツインズ”とはベルギーの漫画家エルジェ作の「タンタンの冒険」に出てくる、双子でもないのに顔も名前もそっくりなインターポールの刑事デュポンとデュボン (Dupond et Dupont)にちなんでつけられました。彼らの英語名が<トムソンとトンプソン>二人合わせて<トンプソン・ツインズ>と呼ぶそうです。

 ちなみに、2011年にスピルバーグが「タンタンの冒険」を映画化した時には、<トンプソン・ツインズ>を『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』でコンビを組んだイギリスのコメディ俳優、サイモン・ペッグニック・フロストが演じていました。

 

 さて、トンプソン・ツインズは1977年、トム・ベイリーを中心にシェフィールドで結成され、その後ロンドンに拠点を移しました。当初は、いわゆるニュー・ウェイヴ・バンドで1980年に自主制作盤をリリースし、1981年にはデビュー・アルバムをリリースしています。

 彼らの最初のブレイクのきっかけを作ったのが、プロデューサーのスティーヴ・リリーホワイトでした。U2ピーター・ガブリエル、シンプル・マインズなど1980年代を象徴するUKロックのサウンドを作った彼がプロデュースすることにより彼らのサウンドが劇的に変わったのです。

 1982年のシングル「In The Name Of Love」は全英チャートに初めて入り(46位)、アメリカのダンスチャートでは見事1位に輝きました。

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 そして、その次のアルバムからは当時グレイス・ジョーンズのプロデューサーだったアレックス・サドキンが手がけるようになり、大きくブレイクすることになるのです。

 ちなみに、アレックス・サドキンは、日本のテクノバンド”プラスチックス”の「ウェルカム・バック」(1981年)のプロデュースとミックスを手がけていて、当時プラスチックスのメンバーで、のちにBOØWYGLAYジュディマリなどを手がけ日本を代表するプロデューサーになる佐久間正英はプロデューサーとしての師匠は彼だったと語っています。

 7人組だったトンプソン・ツインズはアレックス・サドキンがプロデュースするときには、トム・ベイリーと、彼の恋人でもあるアラナ・カリーとジョー・リーウェイの三人組になっていました。

 サドキンはサウンドをデザインすることに興味がある人物で、それが当時のトムの考えとぴったりだったといいます。

 「僕たちは7人組バンドから離れて、コンピューターとシンセサイザーからアイディアとそれを一つにまとめる方法をデザインする一人の男になったんだ。僕たちが同じ波長だと気づいたとき、ツインズは独自の存在となり、本当に何ものかになった瞬間だった」

 (Classic Pop)

 トム・ベイリーはこの「ホールド・ミー・ナウ」についてはこう語っています。

「感情的には、この曲は、アラナと僕の間で解決されたある口論の結果として書かれたんだ。僕たちは、これは興味深くて感情的なテーマなのだとはっきり決めたんだ。別れた後に再びよりを戻すのはどんな感じなのか、そこからそんな考えが生まれるのか、感情と肉体的なものがどうにか一緒になってゆくその方法とか」

 (Songfacts Interview)

 また、サウンド的には正確なドラムマシーンのリズムに合わせて、タンバリンやカウベル、シンバル、マリンバティンパニーなどの生のパーカッションを正確なリズムではなく、時にはルーズに演奏することでいい感じになり、それが当時の自分たちの技術的な秘訣になっていたとも語っています。

 「ホールド・ミー・ナウ」のように単純に反復している曲というのは、飽きさせずに聴かせることができたら、知らず知らずに耳に刷り込まれてしまう確率が高いので、それはすなわちヒット曲になる可能性が高いということなのかもしれませんね。

 

 その後彼らはトムとアラナの二人組になり、90年代には彼らにもう一人メンバーを加えて”Babble”というバンドを組んだりしますが、活動はトーンダウンしていき、トムは歌うことをやめインストをメインに作るようになっていきました。

 しかし、2014年トム・ベイリーは27年ぶりにトンプソン・ツインズの曲を演奏し、来日公演も行い、2018年にはカルチャー・クラブとThe B-52sとツアーをしています。そして同じ年に初めてとなるのソロ・アルバムもリリースしています。

 

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