まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「エンド・オブ・ザ・ロード(End of The Road)」ボーイズIIメン(1992)

 おはようございます。

 今日はボーイズIIメンの「End of The Road」です。

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Girl, you know we belong together
I have no time for you to be playin' with my heart like this
You'll be mine forever, baby, you just see


We belong together
And you know that I'm right
Why do you play with my heart
Why do you play with my mind?
Said we'd be forever
Said it'd never die
How could you love me and leave me
And never say goodbye?


When I can't sleep at night without holding you tight
Girl, each time I try, I just break down and cry
Pain in my head, oh, I'd rather be dead
Spinnin' around and around


Although we've come to the end of the road
Still I can't let go
It's unnatural, you belong to me, I belong to you
Come to the end of the road
Still I can't let go
It's unnatural, you belong to me, I belong to you


Girl, I know you really love me
You just don't realize
You've never been there before
It's only your first time
Maybe I'll forgive you, mmm
Maybe you'll try
We should be happy together
Forever, you and I


Will you love me again like you loved me before?
This time, I want you to love me much more
This time instead, just come to my bed
And baby, just don't let me, don't let me down, oh


Although we've come to the end of the road 
Still I can't let go
It's unnatural, you belong to me, I belong to you 
Come to the end of the road 
Still I can't let go
It's unnatural, you belong to me, I belong to you


Girl, I'm here for you
All those times at night when you just hurt me
And just ran out with that other fella
Baby, I knew about it, I just didn't care
You just don't understand how much I love you, do you?
I'm here for you
I'm not out to go out and cheat all night 
Just like you did, baby, but that's alrright
Heh, I love you anyway
And I'm still gonna be here for you 'til my dying day, baby
Right now, I'm just in so much pain, baby 
'Cause you just won't come back to me
Will you? Just come back to me


(Lonely) Yes, baby, my heart is lonely
(Lonely) My heart hurts, baby
(Lonely) Yes, I feel pain too
(Lonely) Baby, please


This time instead, just come to my bed
And baby, just don't let me down


Although we've come to the end of the road
Still I can't let go
It's unnatural, you belong to me, I belong to you
Come to the end of the road 
Still I can't let go 
It's unnatural , you belong to me , I belong to you
Although we've come to the end of the road
Still I can't let go 
It's unnatural, you belong to me, I belong to you 
Come to the end of the road
Still I can't let go 
It's unnatural, you belong to me, I belong to you

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ガール、僕たちはひとつさ
こんな風に僕の心を弄ばせる時間はないんだ
君は永遠に僕のもの、ベイビー、わかるよね


僕たちはひとつ
僕は正しいと君もわかってる
なぜ僕の心を弄ぶの?
なぜ僕の気持ちを弄ぶの?
僕たちは永遠だと言った
決して消えないと
君はなぜ僕を愛したのに、立ち去れるの
サヨナラも言わないで?


君を強く抱きしめないと眠れない時は
ガール、そうしようとするたびに
僕は失望して泣いてしまう
頭が痛くて、ああ、死んだ方がましさ
頭の中がぐるぐる回って


僕たちは道の終わりに来てしまったけど
それでも僕は君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のものだから
道の終わりに来ても
それでも君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のもの

 

ガール、君が本当に僕を愛していることはわかっている
君は気づいていないだけ
君は今までそんな経験がなかった
君にとって初めてのことなんだ
僕は君をを許すかもしれない
君もやれるかも
一緒に幸せになるべきなんだ
永遠に、君と僕で

 

前に愛してくれたように、また愛してくれる?
今度はもっとずっと愛してほしい
今度はかわりに僕のベッドに来て
そして、ベイビー、僕を失望させないで

 

僕たちは道の終わりに来てしまったけど
それでも僕は君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のものだから
道の終わりに来ても
それでも君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のもの

 

ガール、僕は君のためにここにいる
君が僕を傷つけて、他のヤツと逃げ出した
あの夜のことは
ベイビー、僕はわかっていたし、気にしちゃいなかった
僕がどれだけ君を愛しているかを理解していないだけだろ?
僕は君のためにここにいる
一晩中浮気しに行ったりしない
君がそうしたみたいに、ベイビー、だけどいいんだ
とにかく愛してるよ
死ぬ日まで君のためにここにいるよ、ベイビー
今は苦しくてたまらないんだ、ベイビー
だって君は僕のところに戻ってこないんだから
そうだろう?戻ってきてほしい

 


(寂しい) そうさ ベイビー 僕の心は寂しいんだ
(寂しい)心が痛むんだ ベイビー
(寂しい)そうさ、痛みを感じます
(寂しい) ベイビー、お願いだ


今度は僕のベッドに来て
そしてベイビー 僕を失望させないで

 

僕たちは道の終わりに来てしまったけど
それでも僕は君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のものだから
道の終わりに来ても
それでも君を手放せない
それは不自然さ、君は僕のもの、僕は君のもの

                (拙訳)

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 ボーイズIIメンフィラデルフィア創造芸術高校(Philadelphia High School for the Creative and Performing Arts )に通う学生たちで結成されたグループで、憧れはニュー・エディション。グループ名は彼らの「BOYS TO MEN」という曲からつけられました。

 

「BOYS TO MEN」。「If It Isn't Love」が収録されていたアルバム「Heart Break」(1988)に収録されていました。

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  1989年、地元のFM局が主催するコンサートにウィル・スミスのボディ・ガードからもらった一枚の通行証を使いまわして忍び込んだ彼らは、チケットがなかったためコンサートは見れなかったのですが、バックステージでポーラ・アブドゥルやキース・スウェット、シェレールの前で歌を歌うことができました。そして、そこにはニュー・エディションのマイケル・ビヴンズもいたのです。

 

 マイケルは自分の電話番号を彼らに教え、その後メンバーから彼に、自分たちのプロデュースをぜひやってほしいと何度も連絡が来たそうです。

 そして彼はボーイズIIメンのプロデュースとマネージメントを引き受けることになりました。

 

   1991年リリースのデビュー・シングルは”Motownphilly”、60年代のモータウンと彼らの地元を代表するフィラデルフィア・ソウルをミックスした言葉。しかし、サウンドは当時流行りのニュージャック・スウィング。いきなり全米最高3位の大ヒットになります。

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 曲のプロデューサーはダラス・オースティン。当時まだ20歳の新進プロデューサーでこの成功をきっかけに、TLCなどを手がけ、時代を代表するプロデューサーになっていきました。

 

   そして、翌年、エディー・マーフィー主演の映画「ブーメラン」の音楽を手がけることになったベイビーフェイスが、彼らに歌ってもらうことを思いつきます。

 

Boyz II Menに最初に作った曲は「End of the Road」で、これは「ブーメラン」のサウンドトラックを作ったときのものなんだ。それは、僕たちのレーベル(LaFace Records)で行った最初のメジャーなサウンドトラックだった。その映画を見た後、私が書き始めた曲の一つが「End of the Road」なんだ。その曲のデモを作ったときに、Boyz II Menに歌ってもらうのがいいと思った。それで彼らに曲を送ったところ、彼らは「イエス」と言ってくれた。それで、最終的にフィラデルフィアに行って、彼らと一緒に曲を作ったんだけど、彼らはツアーの途中だったので、たぶん3、4時間で終わった。この曲を作ったときは、本当にいい気分だったけど、こんな結果になるとは思ってもいなかったんだ」

         (SONGWRITER UNIVERSE  March 20, 2017)

 

 ”こんな結果”とは、この曲は13週連続全米1位を続け、プレスリーの持っていた記録を36年ぶりに破ったんですね。

 別のインタビューでは、彼はこの曲はフィリー・ソウルのやり方で作ったと語っていて、そこからモータウン・フィリーを歌っていた彼らのことを思い浮かべたのかもしれませんね。

 マイケル・ビヴンズがメンバーにこの曲を聴かせた時の反応は”悪くない”という薄いものだったそうですが、、、。

 

 この「End of The Road」の記録を打ち破り、全米14週連続1位を記録したのが、同じくベイビーフェイス作の「アイル・メイク・ラヴ・トゥ・ユー」でした。

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  この曲をベイビーフェイスはメンバーに対して、デモテープをかけるのではなく、生で歌って聴かせたそうです。

 その場にいたダラス・オースティンはこう回想しています。

「彼が歌い終わった後、Boyz II Menが彼を見て、"ほら、俺たちが話していた通りだ、俺たちにはアンタは必要ない、この曲はひどい "と言ったんだ」

 (SHOEBIZ CHEETSEET  December 7,2020)

 しかし、上が彼らを言いくるめて最終的に歌わせたそうですが、メンバーはのちにこの曲が「エンド・オブ・ザ・ロード」に似すぎていると感じて、若かったのでこの曲のインパクトを理解できていなかった、と語っていたようです。

 

 そして1995年にはマライア・キャリとのデュエット「ワン・スウィート・デイ」が16週連続1位になり、わずか3曲で合計43週1位というとんでもない記録を作ります。

 

 しかし、1997年ごろから彼らは一気に失速していきます。

 その最大の要因は、バックストリート・ボーイズなどの白人ボーカル・グループの大ブレイクだったようです。

 ボーイズIIメンはその保守的なスタイルのおかげで、白人のファンがすごく多かったそうなんですね。そこを奪われてしまったわけです。

 白人ボーカルグループたちも彼らのスタイルを見本にして練習をしていました。

 ニュー・エディションからニューキッズが生まれ、ボーイズIIメンからバックスが生まれた、、、時代は繰り返ものなんですね。

 

 最後は僕の好みで(笑。彼らが歌うベイビーフェイス作品では、「End of The Road」や「I'll Make Love to You」よりこれが好きでした。

 1995年の全米2位「Walter Runs Dry」です。

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