まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ワンダフル・クリスマスタイム(Wonderful Christmastime)」ポール・マッカートニー(1979)

 おはようございます。

 今日はポール・マッカートニーの「ワンダフル・クリスマスタイム」です。


Paul McCartney - Wonderful Christmastime

 

  ”月がきれいで 気分もアガって

   今夜みんなが集まった それで十分

        シンプルに過ごしている 素晴らしいクリスマスのひとときを

   シンプルに楽しんでいる  素晴らしいクリスマスのひとときを

 

   パーティは盛り上がって   味わっている

  一年のこの時にしか やってこない この気分を

 

   シンプルに過ごしている 素晴らしいクリスマスのひとときを

   シンプルに楽しんでいる   素晴らしいクリスマスのひとときを

 

  聖歌隊子供たちが 歌っている ディンドンディンドン、、

 

        僕たちはシンプルに楽しんでいる 素晴らしいクリスマスのひとときを

  シンプルに楽しんでいる 素晴らしいクリスマスのひとときを

 

  この言葉を街中みんなが言っている

  グラスをあげて ああ、うつむいたりしないで

        シンプルに楽しんでいる 素晴らしいクリスマスのひとときを

 

       聖歌隊子供たちが 歌っている 

       一年中練習したんだ ディンドンディンドン、、

 

   月がきれいで 気分もアガって

   今夜みんなが集まった それで十分

        シンプルに過ごしている 素晴らしいクリスマスのひとときを

   シンプルに楽しんでいる  素晴らしいクリスマスのひとときを ” (拙訳)

 

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The moon is right
The spirits up
We're here tonight
And that's enough
Simply having a wonderful Christmastime
Simply having a wonderful Christmastime

The party's on
The feelin's here
That only comes
This time of year

Simply having a wonderful Christmastime
Simply having a wonderful Christmastime

The choir of children sing their song
Ding dong, ding dong
Ding dong, ding ooo
Ooo ooo toot toot toot toot toot toot

We're simply having a wonderful Christmastime
Simply having a wonderful Christmastime

The word is out
About the town
To lift a glass
Ah don't look down

Simply having a wonderful Christmastime

The choir of children sing their song
They practiced all year long
Ding dong, ding dong
Ding dong, ding dong
Ding dong, ding dong, dong, dong, dong, dong

The party's on
The spirits up
We're here tonight
And that's enough

Simply having a wonderful Christmastime
We're simply having a wonderful Christmastime

The moon is right
The spirits up
We're here tonight
Oh and that's enough

We're simply having a wonderful Christmastime
Simply having a wonderful Christmastime
Simply having a wonderful Christmastime

Oh oh  Christmastime

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 曲の冒頭の歌詞が"The moon is right”じゃなくて”The mood is right”だとするものもあって、そっちのほうがしっくりする気もしたのですが、ポールのファンサイトはThe moonを採用していたので、そちらにしてみました。

 

 この曲は1979年の”うだるような”暑い日に書かれたそうです。世に出ているクリスマス・ソングはリリースまでを逆算すると、だいたい真夏にレコーディングされることが多いですね。

 (最近は、制作からリリースまでの様々な工程が簡略化されているので、もうちょっと後でも間に合いそうですが)

 

 この時期のポールは二枚目のソロアルバム「マッカートニーII」の制作に入るところでした。

 それまで彼がやっていたバンド”ウィングス”のアルバム「バック・トゥ・ジ・エッグ」がリリースされたことで一区切りつけ、自分一人で全楽器を演奏して作品を作ることにしたのです(奥さんのリンダはコーラスなどで手伝いましたが)。

 

 というわけでこの曲も彼が、歌、キーボード、シンセサイザー、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、全部自分で演奏しています。

 

 発売当時は、このひょうひょうとした軽やかさが、強いメッセージをこめたジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」とあまりに対照的であるために、ポールの”軽い”イメージをよりくっきりさせるようなところはありましたが、時が経つとともに、全く古びることのないクリスマスの定番曲のひとつになりました。

 

 この曲の歌詞は”味気ない”と思ってしまうほど、クリスマスらしい”いかにもな演出”を徹底的に排除していますが、そこにこそポール・マッカートニーらしいプライドとこだわりがあったのかな、と僕は思うようになってきました。

 

 言葉の力やアレンジの力に寄りかかって大げさな演出をしないのが、生涯一貫した”マッカートニー流”だと僕は感じていて、ただの馬鹿げたラヴソングのどこがいけないんだい?”という「心のラヴ・ソング(SILLY LOVE SONGS)」はそれがよく表れている曲だと思います。

 この「ワンダフル・クリスマスタイム」もSINMPLY HAVING (シンプルに楽しんでいる)と、あえてSINMPLYという言葉を使っていて、これは「心のラヴ・ソング」のSILLYという言葉の使い方と共通するものを僕は感じます。

 

 みんな大げさにクリスマスにとらえているけど、

 シンプルにクリスマスを楽しんでどこがいけないんだい?  と。

 

 確かにこの曲のように、いつもと変わらないクリスマスだけど、でもちょっと気分は浮き立つみたいなときにぴったりなものは他になかなかありません。

 ポール・マッカートニーだから作れる曲だったんでしょうね。

 

 さて、「マッカートニーⅡ」から40年ぶりに、ポールが一人で演奏したアルバム「マッカートニーⅢ」が1週間後の18日に発売されますね。

 

 

 

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