おはようございます。
今日はノーナ・リーヴスの「透明ガール」です。
ポップスのタイトルの中で、僕は「~ガール」というのになぜかすごく魅かれてしまうところがあります。
大瀧詠一、稲垣潤一の「バチェラー・ガール」山下達郎の「高気圧ガール」「ドリーミング・ガール」佐野元春「ジャスミン・ガール」「レイン・ガール」、ビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」、ビーチ・ボーイズの「ディズニー・ガール」もいいですよね。
マニアックなところではパレードの「サンシャイン・ガール」、ネオン・フィルハーモニックの「モーニング・ガール」なんていうのも素敵です。
ノーナ・リーヴスには「ガリレオ・ガール」「BAD GIRL」なんていう曲もあって、ひょっとして、ポップスにおける「~ガール」というネーミングのスペシャル感をちゃんと意識しているんじゃないかな、などと勝手に推測してしまいます。今回はその中で「透明ガール」が一番夏っぽい、という至ってシンプルな理由でセレクトしましたw
ちなみに「透明ガール」の作詞はいしわたり淳治が手掛けています。
「ガレリオ・ガール」
「BAD GIRL」
ちなみに、ノーナ・リーヴスというグループ名の由来はユニークです。
メンバーの西寺郷太が大学時代にバンドを組もうにも理解者が得られず、ソロでやろうと思ったときにグループ名にもとれる”架空の女性シンガー”の名前を妄想し、モータウン好きの彼が敬愛するマーヴィン・ゲイの娘ノーナと、やはり大好きなマーサ&ザ・ヴァンデラスのマーサ・リーヴスのリーヴスをくっつけたのだそうです。
そして、1995年その名前を思いついた西寺のソロ・プロジェクトとしてデモを作ると、メンバー(小松シゲル、奥田健介)が集まり、1996年にはインディーズからデビュー、翌1997年には一気にメジャー・デビューにまで、一気に流れが生まれていったそうです。
それから、僕は西寺郷太をポップスの執筆者としてすごくリスペクトしています。
すでに定番となっている『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』、『マイケル・ジャクソン』、『プリンス論』、どれも面白く、わかりやすく、かつすごく勉強になります。”ワム”を扱った架空小説「噂のメロディ・メイカー」も面白かったです。
研究熱心で理論派でいながら、ちゃんとわかりやすく親やすいフォーマットに着地させているあたりは、彼の音楽性と共通するものを感じます。
彼は自分の音楽のルーツに関してこう語っています。
「日本の男性アイドルポップ、いわゆるジャニーズミュージックと、1980年代の洋楽。当時から本格的なブラックミュージックより、「ブルー・アイド・ソウル」と呼ばれる白人的な感性で黒人音楽への憧れを再構築したアーティストが特に好きでしたね。英国出身の若い音楽家が大活躍していた時期です。なかでも特に心酔したのはWham!のジョージ・マイケルだったんですよ」
「中高生の頃は完全に洋楽志向でした。80年代は、60年代の「モータウン再評価」の時代でもありました(「モータウン」はマイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーが所属した黒人ポップ・レーベル)。その流れから派生して、ジョージ・マイケルはもちろんフィル・コリンズやビリー・ジョエル、Daryl Hall & John Oatesのような、洗練されたコード進行を使っていたり、アレンジを作り込んでいてグルーヴィーな楽曲が大好きだったんです」
(CINRA 2017.12.11)
彼は1973年生まれですが、9歳、10歳くらいには洋楽にハマっていたようです。
そして、あの80'sの洋楽のキラキラ、ワクワクするニュアンスを、日本で今も最も体現しているアーティストのように僕には思えます。