まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「98.6」キース(KIETH)(1966)

 おはようございます。

 今日はキースの「98.6」です。

 


98.6 - Keith

 

 ”おはよう、太陽。輝いてる君に会えて嬉しいよ

  彼女が君を連れて来てくれたんだね

     彼女は昨日キスをしてくれたんだ ハロー 銀色の光(希望の兆しの意)

   君のおかげで僕の中に春と夏が駆け抜けていったような気分だ

 

     ヘイ!98.6 君が戻って来てくれてうれしいよ

  ヘイ!98.6  彼女の愛は僕を救った薬さ

  彼女を愛してるんだ

 

  ヘイ!通りをゆくみんなが笑顔を浮かべてるのは

  僕に彼女ができたからにきまってる

  彼女はまた別のハイウェイに僕を連れていってくれた

  その道が導くままに 僕は行くのさ

 

     ヘイ!98.6 君が戻って来てくれてうれしいよ

  ヘイ!98.6  彼女の愛は僕を救った薬さ

  彼女を愛してるんだ                                        "   (拙訳)

  

 

 彼女ができて、なんかもう、おめでたいくらいに、むちゃくちゃ元気になった男の歌です。

 

「98.6」は華氏の温度。摂氏にすると37度くらいなので、人の平熱です。

 彼女のおかげでやっと平熱が戻って来たよ、まともな感じに戻れたよ、

ということなんでしょう。

 それまでは、冷えきった気持ちで生きていたのでしょうか。

 恋で熱に浮かされる、という表現はよくありましたが、恋して平熱に戻って来たという表現は新鮮ですね。

 

   キースはこの歌がヒットするとは微塵も思わなかったようで、レコーディング後にガールフレンドに

”自分でも信じられないんだけど、人間の体温に関係した歌を録音して来たんだよ”

  と話したのだそうです。

 

 作詞したのはトニー・パワーズ。作曲はジョージ・フィショフ。スパンキー&アワ・ギャングの「LAZY DAY(青空は恋の色)」もこのコンビが手がけています。

popups.hatenablog.com

 

 キースはフィラデルフィア出身。同じくフィラデルフィアで活動していたプロデューサーのジェリー・ロスと出会い、”キース&アドミレイションズ”というグループ名でジェリーのプロデュースでコロンビアから一枚シングルをリリースしています。

   表題曲「Caravan of lonely men」はラファイエッツというグループのカバーで、ジェフ・バリーが作者に名を連ねています。アレンジはジミー・ワイズナー。ちなみに、日本でも克美しげるが「夜霧のロンリー・メン」なるタイトルでカバーしています。

 カップリングの「Dreams」はジェリーとジョー・レンゼッティが作者に名を連ね、アレンジはジョーが担当しています。


TEEN GROUP Keith and The Admirations - Caravan of lonely men


Keith and The Admirations - Dream - Nice 4 Seasons Style Doo Wop

 

 その後、ジェリーがマーキュリー・レコードのA&Rになったときに、彼がキースをソロにして一緒に連れて行ったわけですね。

 

 

 

 また、キースの作品に影響を受けたのが山下達郎で、その代表的な曲が「パレード」なんですが、その「パレード」の収録されたアルバム「ナイアガラ・トライアングルVOl.1」には、キースやプロデューサーのジェリー・ロス、ジミー・ワイズナー、ジョー・レンゼッティ、キースに捧げる、とクレジットされています。

 

 

 こちらが、「98.6」の前のシングル「Ain't Gonna Lie」(邦題「嘘はつかない」)。「パレード」に一番近いのはこれでしょう。やはり、トニー・パワーズ&ジョージ・フィショフの作です。


Keith - Ain't Gonna Lie

 シングルにはなっていませんが、パワーズ&フィショフものをもう1曲。


Sweet Dreams (Do Come True)

 

 

98.6

98.6

 

 

98.6~ベスト・オブ・キース

98.6~ベスト・オブ・キース

  • アーティスト:キース
  • 発売日: 1996/04/10
  • メディア: CD