まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「青空は恋の色(Lazy Day)」スパンキー&アワ・ギャング(1967)

 おはようございます。

 今日はスパンキー&アワ・ギャングの「LAZY DAY」。当時は「青空は恋の色」という邦題がついていましたが、今は日本でも原題の「LAZY DAY」のほうで定着しています。


Lazy Day

 

 " 青い空 太陽の光 

 公園を歩くには まさにぴったりな日

 アイスクリーム デイドリーム 

 空が星のブランケットに変わるまで夢の中

    デイジーを摘むには なんてぴったりな日 

 たくさんの赤い風船もお似合いな日

 手を握るには なんてぴったりな日

 一緒に過ごすのに うってつけの日

 

 まさに、リラックスして過ごす最高の休日の歌です。(あっ、今日は月曜でした、、)

 ちなみに僕は、ネイティヴじゃなくて、日本の学校で英語を学んだので、”Lazy”を”怠惰な”という意味で覚えていました。怠惰な、は”勤勉を美徳とする”日本人には、悪い意味しかないですが、Lazyは、やらなくちゃいけない物事から解放されている気ままさ、みたいないいニュアンスもあるんだな、とこの歌を聴いて思いました。

 

 

 1960年代に南カリフォルニアをベースとして起こった、メロディアスでノスタルジックな楽曲をコーラス・ワークで聴かせるようなポップスを”サンシャイン・ポップ”と呼び、このブログでもハーパーズ・ビザールやロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・フレンズなどを紹介しましたが、彼らもまたそのカテゴリーに含まれるバンドです。

  しかし、彼らはアメリカ中西部イリノイ州出身ですので、実際にはアメリカ西海岸のポップ・シーンとは関連のないグループです。

 ちなみに、この曲を書いたジョージ・フィショフとトニー・パワーズ、そしてプロデューサーのジェリー・ロスは、以前にこのブログでも紹介しましたキースの「98.6」も手がけています。 

popups.hatenablog.com

  アレンジャーのジミー・ワイズナーはジェリー・ロスにとっての ”飛車角”のひとり(もうひとりはキース「98.6」のアレンジャー、ジョー・レンゼッティ)。

 

 アーティストも制作陣も、アメリカ西海岸とは関係ないので、厳密には”サンシャイン・ポップ”ではないのですが、当時の流行のスタイルではあったので、近似性があるのでしょう。

 でも、サウンドをよく聴くと、スパンキー&アワ・ギャングは、西海岸勢の開放的な感じとは異なり、少しナイーヴで都会的な感じが強いように思えます。

 

 その都会的なナイーヴさがよく出ている曲が「Like to Get to Know You」。山下達郎のフェイヴァリット・ナンバーとして知られていて、僕も彼のラジオ番組で何度か聴いたことがあります。

 


Like To Get To Know You Spanky & Our Gang {Stereo}

 

 ”スパンキー”とはグループの女性ヴォーカリスト、エレイン・マクファーレンのニックネーム。”アワ・ギャング”はそのバッキングを務める男性陣。ちなみに”アワ・ギャング”とは喜劇映画のパイオニア、ハル・ローチという人が1920年代から40年代にかけてプロデュースしてアメリカで大人気だった、わんぱくなちびっ子が主役の喜劇映画のシリーズの名前だそうです。

 

 ちなみに、当時の国内盤のレコードを見ると彼らは「スパンキーとギャング」という表記でした。ジャケット写真は紅一点のヴォーカルに帽子をかぶった男たち。もしや?と思って調べて見ると、「恋の季節」のピンキーとキラーズは、彼らの名前をもじって作曲家のいずみたく命名したそうです。

 

 

 

Lazy Day

Lazy Day