まいにちポップス(My Niche Pops)

毎日好きな曲を聴いて気持ちを整えながら、なんとか人生をやってこれた筆者が、古今東西のポップ・ソングを、意外なエピソード、マニアックなネタ、拙い対訳、勝手な推理、などを交えて紹介しています。みなさんの音楽生活に少しでもお役に立てればうれしいです。text by 堀克巳(VOZ Records)

「恋することのもどかしさ(Maybe I'm Amazed)」ポール・マッカートニー(Paul McCartney)(1970)

 おはようございます。今日はポール・マッカートニーの「恋することのもどかしさ(Maybe I'm Amazed)」です。

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Baby, I'm amazed at the way you love me all the time
And maybe I'm afraid of the way I love you
Maybe I'm amazed at the way you pulled me out of time
You hung me on a line
Maybe I'm amazed at the way I really need you

Baby, I'm a man
Maybe I'm a lonely man who's in the middle of something
That he doesn't really understand
Baby, I'm a man
And maybe you're the only woman who could ever help me
Baby, won't you help me to understand?

Baby, I'm a man
Maybe I'm a lonely man who's in the middle of something
That he doesn't really understand
Baby, I'm a man
And maybe you're the only woman who could ever help me
Baby, won't you help me to understand?

Maybe I'm amazed at the way you're with me all the time
And maybe I'm afraid of the way I leave you
Maybe I'm amazed at the way you help me sing my song
You right me when I'm wrong
Maybe I'm amazed at the way I really need you

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ベイビー、僕は驚いているんだ
君がいつも僕を愛してくれるその姿に
そして、たぶん君を愛する自分が
怖いのかもしれない

たぶん、僕は驚いているんだ
時間に閉じこもっていた僕を引っ張り出して
君が外の世界に吊るしてくれたことを
たぶん、僕は驚いているんだ
自分がこれほど君を必要としていることに

ベイビー、僕はただの男さ
たぶん、自分でもよくわかっちゃいない何かの
真っ只中にいる ただの孤独な男なんだ
ベイビー、僕は一人の男さ
そして、僕を救うことができる女性は
君一人かもしれない
ベイビー、僕が理解できるようにしてくれないか?

ベイビー、僕はただの男さ
たぶん、自分でもよくわかっちゃいない何かの
真っ只中にいる ただの孤独な男なんだ
ベイビー、僕は一人の男さ
そして、僕を救うことができる女性は
君一人かもしれない
ベイビー、僕が理解できるようにしてくれないか?

たぶん僕は驚いているんだ
君がいつも僕と一緒にいてくれるその姿に
そして、たぶん君から離れてしまうことが
怖いのかもしれない

たぶん僕は驚いているんだ
僕が歌を歌う手助けをしてくれるその姿に
僕が間違っている時は君が僕を正してくれる
たぶん僕は驚いているんだ
本当に君を必要としている自分に   (拙訳)

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 この「恋することのもどかしさ(Maybe I'm Amazed)」は当時結婚したばかりの妻リンダ・マッカートニーのために書いた曲だったそうです。

 曲が書かれた1969年、ジョン・レノンの脱退によってビートルズは解散しました。そして、ポールはグループを空中分解させた”戦犯”として世間から非難されていたんですね。当時の彼は、そういった混乱と騒動の中でスコットランドの農場に引きこもり、酒に溺れ、今後の方向性を見失っていたといいます。

 その中で彼の支えとなった女性がリンダ・イーストマンでした。彼女は写真家であり、動物愛護活動家でもあり、菜食主義を啓蒙する活動もするなど、自分の人生とキャリアをしっかり持った強い芯のある女性でした。

 二人が出会ったのは1967年5月。リンダが写真の仕事でロンドンを訪れた際、ナイトクラブでポールと出会い、その後、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の発売記念パーティーで再会し、意気投合した二人は一晩中語り合いましたが、彼女はニューヨークへ帰り、しばらく連絡は途絶えてしまいます。

 それから一年が経ち、ずっと彼女のことを忘れられないポールは、ニューヨークに行った時に彼女と再会し、その数ヶ月後、彼女はポールと一緒に過ごすためにロンドンへとやってきました。そして、1969年3月に彼らは結婚しました。”リンダ・マッカートニー”となった彼女は、ポールのバンドのメンバーとしても彼を支え続け、公私ともに常に二人は行動を共にしていました。

 

 「恋することのもどかしさ」の原題である Maybe I'm Amazed=たぶん僕はびっくりしているんだ、というのはラブソングのタイトルとしては珍しいものだと思いますが、ビートルズの解散騒ぎの中で混乱した精神状態だったポールが、同時に強くリンダのことを思っている、という真逆のベクトルの感情が交差している、そんな心情が率直に現れた言葉なんだなと思うと納得できる気がします。

Baby, I'm a man
Maybe I'm a lonely man who's in the middle of something
That he doesn't really understand
Baby, I'm a man
And maybe you're the only woman who could ever help me
Baby, won't you help me to understand?

ベイビー、僕はただの男さ
たぶん、自分でもよくわかっちゃいない何かの
真っ只中にいる ただの孤独な男なんだ
ベイビー、僕は一人の男さ
そして、僕を救うことができる女性は
君一人かもしれない
ベイビー、僕が理解できるようにしてくれないか?

 これはもうビートルズの解散騒ぎで悪者にされ完全に孤立してしまった自分のことを表現し、リンダに助けを求めていますね。僕はポールの歌詞をたくさん訳しているわけじゃないので断言はできませんが、これほどまで率直な言い回しは彼の作品としては珍しいんじゃないでしょうか。

 また、この曲のレコーディングに関しては、エンジニアを務めたアラン・パーソンズがこう語っています。

「彼はあらゆる楽器を奏で、ボーカルもすべて自分で行いました。リンダがわずかに一箇所だけ参加していますが、それが『Maybe I’m Amazed』という曲でした。彼は最初から最後まで、ベース、ドラム、ギター、キーボード、すべてをたった一日でやり遂げたのです。そのことに、すごく、すごく感銘を受けたのを覚えています」(beatlesbible.com)

 この曲はリリース当時から大変評判が高かったのですが、シングルにはなっていません。ポールはこう回想しています。

「時々、僕らは少し間が抜けていることがあるんだ。ちょっとファンキーな組織というか、アルバムからどの曲をシングルにするか、なんてことにあまり詳しくなくてね。当時は『Maybe I’m Amazed』が良い曲だと思ったし、シングルにするべきだったのかもしれない。実際そうすべきだったんだろう。でも、結局そうしなかったんだ」(beatlesbible.com)

 ファンキーな組織というのは、この曲をリリースした、ビートルズのレーベル、アップル・レコードのことなんでしょう。

 しかし、1976年にリリースされたポール率いるウィングスのライブ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』に収録されたライブ・ヴァージョンがシングルカットされ、1977年に全米10位のヒットになりました。僕もリアルタイムではこのライブ・ヴァージョンでこの曲を知りました。邦題は「ハートのささやき」でした。

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 ライブ・ヴァージョンといえば、ロッド・スチュワートやロン・ウッドが在籍したバンド、フェイセズが1971年発売のアルバム「ロング・プレイヤー」にこの曲をカバーしたライブテイクを収録していましたので、そちらを最後に。

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