まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ストロベリー・レター23(STRAWBERRY LETTER 23)」シュギー・オーティス(1971)

 おはようございます。

 今日は「ストロベリー・レター23」です。

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Hello, my love, I heard a kiss from you
Red magic satin playing near, too
All through the morning rain I gaze, the sun doesn't shine
Rainbows and waterfalls run through my mind
In the garden, I see
West purple shower, bells and tea
Orange birds and river cousins dressed in green


Pretty music I hear, so happy and loud
Blue flower echo from a cherry cloud

Feel sunshine sparkle pink and blue
Playgrounds will laugh, If you try to ask, "Is it cool?"
If you arrive and don't see me
I'm going to be
With my baby
I am free
Flying in her arms
Over the sea

Stained window, yellow candy screen
See speakers of kite  With velvet roses diggin' freedom flight

A present from you

Strawberry letter 22
The music plays
I sit in for a few

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ハロー、愛するキミ、君からのキスが聞こえた
そばで赤い魔法のサテンのきぬ擦れもするね
朝の間中降り続ける雨の中じっと見ているけど
太陽は姿を見せないんだ
僕の頭を虹と滝がよぎってゆく
庭の中で見えるのは
西の方の紫の雨、鐘とティー・セット
オレンジ色の鳥と緑の服を着た川のかえるたち

きれいな音楽が聞こえる、とても幸せに大きな音で
桜色の雲から青い花が響く

 

太陽の光がピンクとブルーに輝くのを感じる
もし僕がカッコいい?とたずねようとすれば
遊び仲間たちは笑うだろう

君が着いた時に僕の姿がなかったら
僕は彼女と一緒に出かけているのさ
僕は自由さ
彼女の腕の中で
海をこえて飛んでゆくんだ

 

ステンド・グラスの窓に、黄色いキャンディの包み紙
おしゃべりなトンビを見てごらん

そのまわりをベルベットのバラが自由な飛行を楽しんでいる

 

キミからのプレゼント

ストロベリー・レター22
音楽が流れると
僕は少しの間腰を下ろすんだ

                    (拙訳)

 

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 この曲はブラザース・ジョンソンのカバー(1977年全米5位)の方が有名で、そちらで書こうと思って聴き直したら、なぜかオリジナルのほうに気持ちが惹かれたので急遽変更しました、、。

 

 シュギー・オーティスは、ギリシア系の白人でありながら“R&B界のゴッドファーザー”と呼ばれ、ミュージシャンだけではなく、プロデューサー、興行師、DJ、テレビタレント、など多方面で活躍したジョニー・オーティスの息子です。

  シュギーは彼の母親がつけたニックネームで”Sugar"をもじった造語でした。彼は2歳でギターを弾き始め、11歳のときには父親のバンドでプロとして演奏していました。ナイトクラブで父親のバンドと一緒に演奏する際には、未成年であることを隠すため、しばしば黒眼鏡と付け髭で変装していたそうです。

 

 レコードデビューは1969年、天才ギター少年と評判をとっていた彼をアル・クーパーが「クーパー・セッション」というアルバムでゲストで迎えたのです。録音当時、シュギーはまだ15歳だったといいます。

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 そして翌1970年に、父親のジョニー・オーティスのプロデュースでソロ・デビューします。

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 そして、天才ギタリストの枠を超えた才能を発揮し始めたのが、次のアルバム「フリーダム・フライト」でそこに収録されていたのが、この「ストロベリー・レター23」でした。

 ちなみに、このアルバムの鍵盤は、ジョージ・デュークが弾いています。

 

「ある日ピアノで適当にコードを弾いていたとき、このちょっとしたメロディに行き着いてね。ギターのハーモニーがあの曲のフックっぽくなってるけど、書いたのはピアノなんだ」

  (ヨットロック)

「この曲は実際おたがい手紙を送り合う男の子と女の子の歌なんだ。だから、22通目の手紙が女の子から男の子から届いたので、ストロベリー・レター23という曲を書いたのさ」

 (NEW SOUNDS)

「僕が曲を書きながら想像したのは、女の子が彼氏にピンクの封筒を手渡すときのことさ」

 (Songfacts)

 

 歌詞はカラフルで幻想的で和訳もちゃんとできてるか不安ですが、ネイティヴにも理解が難しいもののようです。

「どういう意図で書いた?これはどういう意味?ただ言葉に耳を傾けて、それに合わせてノレばいいんだよ。わかる?(笑)それだけでいいんだ。世の中には”意味”なんていういろんな種類の馬鹿げたものがある。いったい誰がそんなくだらないものを作ったんだ?」

「僕が考えていたのは、あらゆるものがただクールなザナドゥ桃源郷)みたいな場所さ、そこには何の問題もないんだ」

 (indeep music archive)

 

 そして、この曲がひょんなことから売れるきっかけをつかむことになります。

「ブラザーズ・ジョンソンのジョージ・ジョンソンは、オーティスのいとことつき合っていて、そのいとこがジョンソンに『フリーダム・フライト』のコピーを渡した。彼はすぐに、"Ice Cold Daydream "と "Strawberry Letter 23 "が気に入った。後者は、弟のルイス・ジョンソンの結婚式で、入場時で演奏された。ルイスはこの曲を、彼らのプロデューサーであるクインシー・ジョーンズにアルバム曲として提案した」

 (All Music)

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 さて、アルバム「フリーダム・フライト」のあと、ローリング・ストーンズのツアーメンバーだったビリー・プレストンから、参加しないかと声をかけられたのですが断ってしまったそうです。

 

 そして、彼はたまたまレコーディング・スタジオで一緒になったスライストーンがリズム・マシーンを使っているのに興味をひかれ自分でも購入し、あれこれ実験しながら3年もかけて、ほとんどの楽器を自分で演奏したアルバム「Inspiration Information」を1974年にリリースしています。

 当時は大したヒットにはなりませんでしたが、現代では彼がスライ・ストーンやプリンスと比較されるようなクリエイターだったと再評価されるきかっけになっています。

 

 彼は30年ほどのブランクの後、活動を再開し、2018年には「Inspiration Information」以来になるオリジナル・アルバムをリリースしています。

 

 最後は「Inspiration Information」から”手紙シリーズ”第2弾(?)「Island Letter」を。夏のまどろみながら聴くのにぴったりな曲です。

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