まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ラスト・サマー(Last Summer)」ロッド・スチュワート(1978)

 おはようございます。

 ”意外なアルバムに入っていた夏のメロウ・チューン”。今日はロッド・スチュワートの「ラスト・サマー」を。

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Sipping a sangria with a girl named Julia
Hot Jamaican sand beneath our feet
She purred like a cat in a Panama hat
She said my passport picture was unique
I said I did impersonations  Would you like to see
Turned around to buy her one more round

Then suddenly she disappeared
Like I feared with another guy
Love always seems to let me down
Can be found anywhere around

The carnival had passed
And my heart was beating fast
All these married women, it ain't fair
Nervously I said would you like to come to bed
A cold silence pierced the evening air
Instantly she recognized my insecurities
Changing subjects quickly I agreed

 

Then suddenly she disappeared
Like I feared with another guy, oo baby
Love always seems to let me down
Can be found anywhere around
Nowhere around

 

The tourist had all gone, winter's coming on
The hotel chambermaid didn't seem to care
Sharing a pina colada we broke into laughter
I'll never know how we made it up the stairs
We spent the night together
And she woke up in my arms
Kissed me tenderly and said goodbye

Then suddenly she disappeared
Like I feared with another guy, oo baby
Love always seems to let me down
Can be found anywhere around
Nowhere around

Love always seems to let me down
Maybe I'll wait until next year, next year, next year

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ジュリアって名前の女の子とサングリアを飲んでいる
二人の足元にはジャマイカの熱い砂
彼女はパナマ帽をかぶって猫のようにのどを鳴らした
彼女は僕のパスポートの写真がユニークだと言った
僕は役になりすましたんだと言った  見てみたいかい?
彼女にもう一杯おごるために振りかえった

 

すると、突然彼女は消えた
他の男との関係をおそれたみたいに
愛はいつも僕をがっかりさるようだ
まわりのどこでも見つけられるものさ

カーニバルは通り過ぎていった
そして僕の心臓は高鳴っていた
みんな人妻ばかり フェアじゃないな
緊張しながら僕は言った”ベッドにおいでよ?”
冷たい沈黙が夜の空気を貫いた
すぐに彼女は僕の不安に気づいて
すぐに話題を変えると 僕は同意した

すると、突然彼女は消えた
他の男との関係をおそれたみたいに
愛はいつも僕をがっかりさせるようだ
まわりのどこでも見つけられるものさ どこにもないよ

 

旅行客はみんな帰ってしまった  冬がやってくる
ホテルの客室係は気にしていないようだった
ピニャコラーダを一緒に飲みながら 僕らは笑いあった
どうやって階上に行けたのかわからないけど
一緒に夜を過ごして
彼女は僕の腕の中で目を覚ました
優しくキスをすると、さよならを言った

 

すると、突然彼女は消えた
他の男との関係をおそれたみたいに
愛はいつも僕をがっかりさるようだ
まわりのどこでも見つけられるものさ どこにもないよ

愛はいつも僕を失望させるみたいさ

多分僕は待つよ、来年まで、来年まで、、

             (拙訳)

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 この曲はロッド・スチュワートの1978年の大ヒット・アルバム「スーパースターはブロンドがお好き(Blonds Have More Fun)」に収録されていました。

 このアルバムといえば、なんといってもこの曲「アイム・セクシー」。

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 この曲の印象的なベース・ラインを弾いていて、このMVにも登場する小柄なアジア系のベーシスト、フィル・チェン。彼がロッドとの共作で「ラスト・サマー」を書いていたのです。

 

 「アイム・セクシー」は当時大流行していたディスコを大胆に取り入れたことで話題になりましたが、アルバム「スーパースターはブロンドがお好き」自体はディスコ・アルバムというわけではなく、”マギー・メイ”調や ”ホット・レッグス”調など彼の過去のヒット曲を踏襲した曲で手堅くまとめていました。

 その中でこの「ラストサマー」はさりげない曲ですが、少し異色に思えました。

 

 「ラストサマー」はジャマイカでのアバンチュールの歌です。フィル・チェンは中国系ですが、ジャマイカキングストンで生まれ育っているので、それが歌詞に反映されているかもしれません。

 

  彼がベーシストとして名をあげたのがジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」でした。

 

 「She's A Woman」(原曲はビートルズ)、ちょっとレゲエ・フィーリングが入っていますね

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 そして、彼は1977年のアルバム「明日へのキック・オフ(Foot Loose & Fancy Free)」のタイミングで、ロッド・スチュワートのバンドメンバーになり、アルバムに収録されていた「ユアー・インセイン」という曲をロッドと共作していました。 

 

 さて、「明日へのキック・オフ」発売後、「アイム・セクシー」発売前の1978年にロッドはサッカーW杯スコットランド代表の応援ソング「Ole Ola (Mulher Brasileira)」をシングルでリリースし、全英4位になっています。

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 大のサッカー好きで知られる彼ですから、当然の企画でしょうが、このサンバ曲をロッドと一緒にアレンジしたのがフィルでした。彼はファンキーなベーシストですが、こういう南国テイストも求められていたのかもしれません。

 

 二人がどういう分担でこの「ラスト・サマー」を書いたのかは不明ですが、フィルがいなければできなかったものなのは間違いなさそうです。

 

 ちなみに、バリバリのロックンローラーが歌う”サマー・メロウ・チューン”ということで、僕はこの曲と同じ年にリリースされた矢沢永吉の「時間よ止まれ」とセットで記憶しています、、。

 

 

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