まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ユー・オン・マイ・マインド(You On My Mind)」スウィング・アウト・シスター(1989)

 おはようございます。

 今日はスウィング・アウト・シスターの「ユー・オン・マイ・マインド」です。

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Friends say I'll get over you soon
Thoughts of you come back to fill me with gloom
Time forgets, but I'm not over you yet
There's no sense in asking why
Until the tears run dry

There's no one but you on my mind
Searching for a perfect ending that we'll never find
If we could make it work this time

Years have flown by since you've been gone
This broken heart of mine's been waiting too long
All alone without you I can't carry on
There's no sense in asking why
Until I'm there by your side

There's no one but you on my mind
Searching for a perfect ending that we'll never find
If we could make it work this time
We could plant tomorrows dreams now together
In a garden to last forever more
And the flowers would grow
From the seeds we'd sow...

 

There's no one but you on my mind
Searching for a perfect ending that we'll never find
If we could make it work this time

 

There's no sense of asking why
Until the tears run dry
I could be there by your side
If you would only change your mind
If we could make it work this time

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友達はすぐによくなるって言うけど

また、あなたのことで頭がいっぱいになって

憂鬱になる

時は忘れ去っても、私はまだあなたを忘れられないの

理由を尋ねてもむだ 涙が乾くまでは


心にはあなた以外いないの

二人が絶対に見つけられない完璧なエンディングを探しながら

もし今度はうまくやることができたら

あなたが去ってしまってから 何年も立ってしまった

私のこの傷ついた心は 長く待ちすぎたの

あなたなしでひとりっきりでやっていけない

理由を尋ねてもむだ 私があなたのそばにいなければ

 

心にはあなた以外いないの

二人が絶対に見つけられない完璧なエンディングを探しながら

もし今度はうまくやることができたら


二人一緒に、永遠に続くように明日の夢を

庭に植えることもできる 

そして二人で蒔いた種から 花が咲くの

心にはあなた以外いないの

二人が絶対に見つけられない完璧なエンディングを探しながら

もし今度はうまくやることができたら

 

 理由を尋ねてもむだ 涙が乾くまでは

あなたのそばにいることもできるわ

あなたが気持ちを変えてさえくれたなら

今度は二人うまくやることができたら    (拙訳)

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 この曲のミュージック・ビデオのカット割りや演出は、スティーヴ・マックィーンフェイ・ダナウェイが主演した映画『華麗なる賭け(The Thomas Crown Affair)」(1968年)をモチーフにしたものでした。

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   1980年代終わりから1990年代初め頃、日本では”渋谷系”のムーヴメントがありましたが、それはロンドンのクラブ・シーンの動きともリンクしていました。

 ロンドンでも1960年代の都会的で洗練されたポップス、ジャズ、映画のサントラなどが再評価されていたんですね。もちろん、それほど大きなムーヴメントではなかったようですが。

 そんな”マニアックな”ムーヴメントを反映させながら、おしゃれさを維持できるギリギリのラインで、大衆にもアピールできる作品を作っていたのが彼女たちだったのだと思います。

 

 そして、世界的なヒットになったブレイクアウト」のあとのセカンド・アルバム「カレイドスコープ・ワールド」からの最初のシングルが、この「ユー・オン・マイ・マインド」でした。

 アルバム全体がサントラ盤のようなムードで統一されていて、「ブレイクアウト」の弾けたポップさから、ややマニアックなアプローチになったという評判もありました。

 

 前作までは3人組だったのですが、ダンス・ミュージックが好きだったドラマーのマーティン・ジャクソンが抜け、ボーカルのコリーン・ドリュリー、キーボードと作曲のアンディ・コーネルのユニットになったことがその大きな要因になったようです。

 

 アンディーはこう語っています。

「グループがやろうとする音が変わったから、マーティンが離れたんだと思う。彼はダンス・ビートの曲作りに興味があるんだ。しかし、今回のはもっと歌をメインにしようということになった。だから、彼は自分の道を進もうと決意したんだ。僕たちと違うね」

 (「カレイドスコープ・ワールド」ライナーノーツ)

 そしてこのアルバムのレコーディング中は、合間にビデオでたくさんの映画を見たり、ジョン・バリーミシェル・ルグランエンニオ・モリコーネバート・バカラックなどをたくさん聴いたそうです。

 

   「ユー・オン・マイ・マインド」のアレンジのヒントになったのはこの曲でしょう。

フィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ(Up, Up and Away)」

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 この曲を作曲しプロデュースしたジミー・ウェッブを彼女たちは敬愛していて、このアルバムで2曲アレンジを依頼しています。

   このアルバムのプロデューサーであるポール・ステイヴリー・オダフィの兄アラン・オダフィは有名なエンジニアで、ジミー・ウェッブがプロデュースしたフィフス・ディメンションのアルバム「Earthbound」(1975)にも関わっていたため、彼を通してジミーとコンタクトが取れたのだといいます。

 スウィング・アウト・シスターのメンバーなど鼻にもかけない様子だったオーケストラの面々がジミーがスタジオに入ってくると一変したと、アンディは回想しています。

 そのうちの1曲が「フォーエバー・ブルー」です。

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