まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲を選曲しました(苦笑)。古今東西のポップ・ソングをエピソード、歌詞の和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。みなさんの音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればうれしいです。みなさんからの情報や思い出話などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「サード・タイム・ラッキー(Third Time Lucky)」バーシア(1994)

 おはようございます。

 今日はバーシアの「サード・タイム・ラッキー」です。


Basia - Third Time Lucky (Video)

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First one it's a shock
A second helping not good enough
Third time lucky and you've arrived!
If you have any doubts then try once more...

Maybe i was too impressed...
He flattered i was blushing
He found my joie de vivre so cute and rather touching
Himself so upwardly mobile, so cerebral, clever
Could i ever live up to his dreams
Or would i like to play a part in his scheme?
I don't think so...

I have my plans and brave ambition
Knowing no bounds, no inhibitions
'nd i'm aware there's a lesson in every fall
So next time i'll get closer

 

First one it's a shock
A second helping not good enough
Third time lucky and you've arrived!
If you have any doubts then try one more time

 

Later i met a boy whose inner life was his true passion
We did connect in an exploratory fashion
He claimed what tie us to this mortal coil we should sever
Could i ever live up to his dreams
Or would i like to play a part in his scheme?
Oh i fear not...

 

I have my plans and brave ambition
Knowing no bounds, no inhibitions
'nd i'm aware there's a lesson in every fall
So next time i might get it right

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最初の一回目は衝撃
そのおかわりじゃ、十分じゃないわ
3度目の正直で、あなたはたどり着いたの!
もし、あなたが疑っているなら、もう一回やってみて

 

たぶん、私は感動しすぎた
彼は私が赤面してるって、機嫌をとった
彼は私の生きる喜びをとてもかわいいと思い、
かえって感動してしまった
彼自身はとても上昇志向が強く知的で賢い人
私に彼の夢に応えることができるの
それとも彼の計画に役立ちたい?
それは思わないわ、、

 

私には私の計画と勇敢な野心がある
境界はなく、抑えるものもない
"転んでもタダでは起きない”ってわかってる
だから次はもっと近づいてみせる

 

最初の一回目は衝撃
おかわりでは十分じゃないわ
3度目の正直で、あなたはたどり着いたの!
もしあなたが疑っているなら、もう一回やってみて

 

その後、私は精神に本物の情熱を持つ少年に出会った
私たちは探検的なやり方でむすびついた
彼は私たちを致命的に縛りつけるものを断ち切るべきだと強く言った
私は彼の夢に応えることができるだろうか
それとも彼の計画に参加したい?
ああ、そうじゃないわ


私には私の計画と勇敢な野心がある
境界はなく、抑えるものもない
"転んでもタダでは起きない”ってわかってる
だから次はうまくやれるかもしれない

                (和訳)

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 サード・タイム・ラッキーとは、日本で言う「三度目の正直」のことだそうです。

(ちなみに、歌詞に出てくるセカンド・ヘルピング(second helping)は「おかわり」のこと)

 ただ、「三度目の正直」はサード・タイム・ラッキーの和訳でもなく、また、その逆でもないようで、それぞれの国で自然に言われるようになったことわざのようです。

 「三度目の正直」はことわざの中でも子供たちがすぐに使うもののひとつでしょう。おもちゃ屋でくじを引くとか、遊びで何かやるとき(石投げの水切りとか)は、三回まではなぜかチャレンジしたものです。

 三回というのは、世界的に(?)ちょうどいいんでしょうか。

 すぐに物事をあきらめないための知恵なのかもしれないですね。ただし、ギャンブルなんかは、引き際を決めないと大変なことになる恐れがあります。

 ただ、三度目に「正直な(期待通りの)結果が出る」のと「ラッキーなことがある」というのでは、ニュアンスはちょっと違うような。やはり、国民性なんでしょうか。歌詞に合っているのは、やっぱりラッキーのほうでしょうか。

 

 バーシアは本名をバルバラ・スタニセワ・チェチェレフスカといい、ポーランド出身でイギリスで活躍したシンガーです。1990年代には日本ではシャーデーなどとともに”おしゃれな音楽のアイコン的存在”でした。80年代までは、洋楽というとアメリカのヒットチャート一辺倒でしたが、J-WaveなどのFM局とWAVEや外資系のCDショップが連動することで、幅広いジャンルの洋楽、特に”都市型”の音楽が広まりました。しました。この曲のようにブラジル音楽テイストの曲も人気がありました。

 

 1969年から1970年代にかけてポーランドで音楽活動をしたのち、1981年に彼女はロンドンに移住。その後、音楽誌「メロディメイカー」の広告をきっかけに、ダニー・ホワイト(Key)と知り合い、そこにマーク・ライリー(Vo)が加わり、”マット・ビアンコ”を結成します。そして、デビューシングル「Get Out of Your lazy Bed」がいきなり全英15位ヒットになります。

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  マット・ビアンコはライリーとバーシアの男女ツイン・ヴォーカルでしたが、バーシアがメインをとった「Half a Minute」が全英23位と好結果を残します。

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  この曲の彼女のヴァーカルがアストラッド・ジルベルトを思わせるとたくさんの人から言われたそうで、彼女自身アストラッドの音楽に傾倒していったそうです。

  マット・ビアンコは順調でしたが、バーシアはソロでやりたいという意志が強くなり、彼女をサポートしようと決めたダニー・ホワイトと二人でグループを脱退します。

 そして、1986年にバーシアはアルバム「タイム・アンド・タイド」でソロ・デビューを果たします。当時、彼女はこう語っています。

「私たちは非常に親密なパートナーとして仕事をしています。すべての曲を一緒に書き、プロデュースしています。このバーシアというプロジェクト全体は、本当は2人なんです。ただ、私が前面に出ただけなんです、本当に」

 (JoyZine)

 

 シングルは「Prime Time TV」(全英88位)「Promises」(全英48位)とマット・ビアンコほどの成績は残せませんでしたが、「Promises」をきっかけにだんだんアメリカで火がついていきます。

 

「Nea Day for You」(全米53位、アダルトコンテンポラリーチャート5位)

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「Time and Tide」(全米26位)

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この辺りが世界的にはピークだったかもしれません。セカンド・アルバム『ロンドン・ワルシャワ・ニューヨーク』 からのシングル「クルージング・フォー・ブルージング」

(全米29位、アダルトコンテンポラリーチャート5位)

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 そして、サードアルバム『スウィーテスト・イリュージョン(The Sweetest Illusion)』 からのシングルの一つがこの「サード・タイム・ラッキー」でした。

このアルバムからはもう1曲この曲が日本のラジオからもよく流れていましたね。

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 世界的にはやや失速しましたが、日本ではこの『スウィーテスト・イリュージョン』が彼女の最大のヒットになり、オリコン最高6位、J-Waveの1994年の年間チャートでは「Drunk on Love」が13位、「サード・タイム・ラッキー」が19位とかなりの人気だったことがわかります。

 1990年代前半、彼女やスウィング・アウト・シスタージュリア・フォーダム、他にインコグニートやブランニュー・ヘヴィーズといったアシッド・ジャズの面々などが生み出したのは、その時代らしい都会の音楽だったんだな、と今になって思います。

 

 最後は2004年にマット・ビアンコのオリジナル・メンバーが再集結してアルバムを出していましたので、そこからのシングル「Ordinary Day」を。

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