まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「ポップス・ウィ・ラブ・ユー(Pops , We Love You)」ダイアナ・ロス、マーヴィン・ゲイ、スモーキー・ロビンソン、スティーヴィー・ワンダー(1978)

 おはようございます。

 今日はモータウン・レーベルの創立者ベリー・ゴーディーの父親が亡くなった時に捧げられた曲です。

 彼はレーベルのお目付け役的な存在だったらしく、アーティストとも交流があって、特にマーヴィン・ゲイは彼を慕っていたようです。

 

 はじめてこの曲を聴いた時には、僕は単純な”ポップス賛歌”だと思っていたのですが、彼のニックネームが”ポップス”だったことから作られたようです。ちなみに”ポップス”はジャズのルイ・アームストロングのニックネームでもあって、父親のインフォーマルな呼び名のひとつなのだそうです。

 

 ともかく、父親が亡くなったことでベリー・ゴーディは彼のトリビュート作品を作ってほしいと、古くからモータウンで仕事をしているソングライター、マリリン・マクロードとパム・ソーヤーに依頼したことからこの曲は生まれました。

 ちなみに二人とも女性(名前でわかりますね、、)、マリリンは黒人で作曲家、パムは白人で作詞家、このコンビの代表曲はダイアナ・ロスの「ラブ・ハングオーバー」で1976年に全米NO.1になっています。

 


Diana Ross - Love Hangover

 そして、モータウンのTOP4、ダイアナ・ロスマーヴィン・ゲイスモーキー・ロビンソンスティーヴィー・ワンダーが集められます。

 この顔合わせは当然初めてで、誰もが大ヒット間違いなしと思ったようです。

しかし、全米チャート最高59位という悲しい結果に、、。

 シンプルでわかりやすい曲ですが、1978年と言えば「サタデーナイト・フィーバー」、「YMCA」にドナ・サマー、ロッドの「アイム・セクシー」などインパクトの強いディスコ曲が目白押しでしたから、ちょっと”普通に”聴こえたのかもしれませんね。まあ、後からだったら何とでもいえるのですが、、(苦笑。

 有名なシンガーを集めるだけでは、ヒットにはならない、ということなんでしょう。

 

 しかし、これだけ長い年月が経ってから聴き直すと、黒人のレーベルでありながら自分たちの音楽を決して”ソウル”と呼ばずにポップを目指し続けたという、モータウンというレーベルの”社歌”のように僕には思えてしまいます。 

 

   もっとも、ポップス、という音楽のジャンルがあるのは日本だけで、欧米ではPOPでSはつきません。

 昨日のこのブログで引用した宇多田ヒカルの言葉は

「悪いポップはコビだけど、良いポップは思いやりだから。」

 でしたが、ふつう日本人は「悪いポップスは、、良いポップスは、、)」と言ってしまいますが、彼女はネイティヴなので正確な使い方をしていたわけですね。

 この曲もネイティヴには「パパ、愛してる」って聴こているはずです。「ポップス最高!」という歌に勘違いしてしまうのは日本人だけなのでしょう。まあ、そういう勘違いもまた楽し、ということで。

 

 

 

 

 


Marvin Gaye, Diana Ross, Stevie Wonder, Smokey Robinson - Pops, We Love You