まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「ビートでジャンプ(Up,Up and Away)」フィフス・ディメンション(1967)

 おはようございます。

    今日はフィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ」です。

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Would you like to ride in my beautiful balloon?
Would you like to ride in my beautiful balloon?
We could float among the stars together, you and I
For we can fly (we can fly)


Up, up and away
My beautiful, my beautiful balloon


The world's a nicer place in my beautiful balloon
It wears a nicer face in my beautiful balloon
We can sing a song and sail along the silver sky
For we can fly (we can fly)


Up, up and away
My beautiful, my beautiful balloon


Suspended under a twilight canopy
We'll search the clouds for a star to guide us
If by some chance you find yourself loving me
We'll find a cloud to hide us
We'll keep the moon beside us


Love is waiting there in my beautiful balloon
Way up in the air in my beautiful balloon
If you'll hold my hand we'll chase your dream across the sky
For we can fly (we can fly)


Up, up and away
My beautiful, my beautiful balloon
Balloon...


Up, up, and away
Up, up, and away
Up, up, and away...

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私の美しい気球に乗ってみませんか?
私の美しい気球に乗ってみませんか?
私たちは一緒に星の間に浮かぶことができる、あなたと私は
だって、私たちは飛べるから

高く、高く、彼方へ
私の美しい、私の美しい気球


私の美しい気球では、世界はもっといい場所になる
私の美しい気球では、もっと素敵な顔になる
私たちは歌を歌って、銀色の空を渡ることができる
私たちは飛べるから


高く、高く、彼方へ
私の美しい、私の美しい気球


黄昏の天蓋にぶらさがって
雲の中に私たちを導く星を探そう
もし万が一、あなたが私を愛していると気づいたら
私たちを隠してくれる雲を見つけよう
月を傍らに置いたまま


愛はそこで待っている 私の美しい気球の中で
とても幸せを感じる 私の気球の中で
あなたが私の手を握ってくれれば
あなたの夢を追いかけて空を駆けるわ
だって、私たちは飛べるから


高く、高く、彼方へ
私の美しい、私の美しい気球、、、

              (拙訳)

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「君の瞳に恋してる」「デイドリーム・ビリーバー」「エイント・ノー・マウンテン・ハイ」「グルーヴィン」など、このブログでピックアップしました、今もなお人気の高いポップスの大定番曲の多くがこの1967年にリリースされています。

  その名曲揃いの年のグラミー賞でレコード・オブ・ジ・イヤーとソング・オブ・ジ・イヤーをかっさらったのがフィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ」なんです。

 

 フィフス・ディメンションは男女混成の黒人コーラス・グループ。

 1963年に、ラモンテ・マクレモア、マリリン・マックー、ハリー・エルストン、フロイド・バトラーの4人で結成したハイ-ファイズ(Hi-Fis)というグループが元になっていますその後、ハリーとフロイドが脱退し、フローレンス・ラルー、ロン・タウンソン、ビリー・デイビスJr.が加入しヴァーサタイルズ(Versatiles)と名乗り、レコード契約を機にフィフス・ディメンションという名前になります。

 最初はモータウン風のR&Bナンバーをリリースしましたが、プロデューサーのボーンズ・ハウの発案で、そのころ流行っていたコーラス・グループのスタイルに変え”黒いママス&パパス”というコンセプトに変えたことが功を奏しました。

 この「ビートでジャンプ」を書いたのがジミー・ウェッブ。作詞、作曲だけじゃなく編曲も手掛けています。彼がひとりでアレンジをした初めての楽曲がこの「ビートでジャンプ」だったそうです。

 彼は友人がラジオ局の宣伝で気球に乗ったことからこのテーマを思いついたそうですが、熱気球の歌というのもめずらしいですよね。CMソングみたいです(ちなみに、この3年後に航空会社のCMでこの曲が使われたそうです)。

 ジミー・ウェッブは美しいメロディを書き、素晴らしい編曲家でもありますが、独自の視点を持つ個性的な作詞家でもあります。「恋はフェニックス」「ウィチタ・ラインマン」「マッカーサー・パーク」など彼の代表作はメロディーも素晴らしいですが、歌詞のオリジナリティも抜きんでています。

 

 ヒットチャートでは最高7位だったそうですが、発売と同じ年と翌年に、ダイアナロスとスプリームスディオンヌ・ワーウィックビング・クロスビーアンディ・ウィリアムスナンシー・シナトラなど一気にたくさんのカバーが生まれて、瞬く間にスタンダード曲になりました。日本では2017年にMay.Jとゴスペラーズが共演してこの曲をカバーしています。

 

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