まいにちポップス(My Niche Pops)

令和初日から毎日、1000日連続で1000曲(せんきょく)を選曲(せんきょく)しました。。。古今東西のポップ・ソングのエピソード、洋楽和訳、マニアックなネタ、勝手な推理、などで紹介しています。キャッチーでメロディアスなポップスは今の時代では”ニッチ”なものになってしまったのかなあとも思いますが、このブログを読んでくださる方の音楽鑑賞生活に少しでもお役に立てればと願っています。みなさんからの追加情報や曲にまつわる思い出などコメントも絶賛募集中です!text by 堀克巳(VOZ Records)

「テル・ヒム(Tell Him)」エキサイターズ(1962)

 おはようございます。

 今日は「ツイスト・アンド・シャウト」の作者バート・バーンズが作った曲をもうひとつ。エキサイターズの「テル・ヒム」です。

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I know something about love
You've gotta want it bad
If that guy's got into your blood
Go out and get him
If you want him to be
The very heart of you
Makes you want to breathe
Here's the thing to do

Tell him that you're never gonna leave him
Tell him that you're always gonna love him
Tell him, tell him, tell him, tell him right now

I know something about love
You gotta show it and
Make him see the moon up above
Out and get him
If you want him to be
Always by your side
If you want him to
Only think of you

Tell him that you're never gonna leave him
Tell him that you're always gonna love him
Tell him, tell him, tell him, tell him right now

Ever since the world began, it's been that way for man
And women were created
To make love their destiny
Then why should true love be so complicated, oh yeah?

I know something about love
You gotta take his hand
Show him what the world is made of
One kiss will prove it
If you want him to be
Always by your side
Take his hand tonight
Swallow your foolish pride

Tell him that you're never gonna leave him
Tell him that you're always gonna love him
Tell him, tell him, tell him, tell him right now

Oh, you hafta tell him now (tell him that you're never gonna leave him)
Oh yeah (tell him that you're always gonna love him)
Yeah (tell him, tell him, tell him, tell him right now)

Darling, don't you let him go, now (tell him that you're never gonna leave him)
Oh yeah (tell him that you're always gonna love him)
Yeah (tell him, tell him, tell him, tell him right now)

Take his hand in yours and tell him (tell him that you're never gonna leave him)
Oh yeah (tell him that you're always gonna love him)

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恋愛のことはくわしいの

あなたは欲しくてたまらなくなってしまったのね

もしその男のことがとりついてしまったなら

外に飛び出して、自分のものにするのよ

あなたの生きがいになるような

一番大切な人になってほしいなら

あなたのやるべきことは

 

彼に言うのよ 絶対離れないって

彼に言うのよ いつも愛しているって

言うの、言うの、言うのよ、今すぐに

恋愛のことならまかせてよ

気持ちを伝えて、お月様が上るのを見せなきゃね

出ていって彼のことをものにするのよ
もし彼にいつもそばにいてほしいのなら

もし彼に自分のことだけ思ってほしいのなら

 

彼に言うのよ 絶対離れないって

彼に言うのよ いつも愛しているって

言うの、言うの、言うのよ、今すぐに


世界の始まりからずっと 男はそんな風だったのよ

そして女は 愛を自身の運命にするように神が作ったの
そのうえ、真実の愛はどうしてこんなに面倒臭いの、ねえ?

 

恋愛のことはくわしいの
彼の手をとって 世界は何でできているか

彼に見せなくっちゃいけない
一度のキッスで証明できるわ

もし彼にいつもそばにいてほしいのなら

彼の手を握るの つまらないプライドなんて飲み込んで

 

彼に言うのよ 絶対離れないって

彼に言うのよ いつも愛しているって

言うの、言うの、言うのよ、今すぐに


ああ、今彼に言わなくちゃ

(彼に言うのよ 絶対離れないって)

(彼に言うのよ いつも愛しているって)

(言うの、言うの、言うのよ、今すぐに)


彼を放っておいちゃだめ

(彼に言うのよ 絶対離れないって)

(彼に言うのよ いつも愛しているって)

(言うの、言うの、言うのよ、今すぐに)


彼の手を握って、言うのよ

(彼に言うのよ 絶対離れないって)

(彼に言うのよ いつも愛しているって)        (拙訳)

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 エキサイターズはニューヨークのクイーンズの高校時代に結成された女性4人グループ"マスタレッツ”がベースになっています。当時の大ヒット・プロデューサー・チーム、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラーのオーディションに合格したのち、メンバーが抜け代わりに男性のハーブ・ルーニーが加わり、グループ名もエキサイターズに変更しました。

 そして、リーバー&ストーラーのプロデュースによる「テル・ヒム」は彼らのデビュー・ヒット(全米4位)になりました。

 

   その後、この曲に匹敵するヒットを出せずに終わりますが、興味深いのはマンフレッド・マンの代表曲「Do Wah Diddy Diddy」を最初のリリースしたのはエキサイターズだったということです。オリジナルのタイトルは「Do-Wah-Diddy」でした。

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 「テル・ヒム」の方は、実は彼らがオリジナルではなく、ギル・ハミルトンというシンガーが最初で、エド・タウンゼントという人もエキサイターズより少し早くリリースしましたがいずれもヒットしませんでした。

 しかも、両者とも男性シンガーで、もともとタイトルは「Tell Her」だったんです。

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 この曲を書いたバート・バーンズについても少し。

 本名はバートランド・ラッセル・バーンズといい、この曲では”バート・ラッセル”と表記されています。また、シンガーとしても短い期間ですが活動していたようで、そのときは”ラッセル・バード”という名前で活動していました。

 

 1961年に全米50位になった「You Better Come Home」。「ツイスト・アンド・シャウト」につながるようなラテンのリズムを取り入れています。

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 そして、リーバー&ストーラーのもとで作家、プロデュース行い、彼の曲がイギリスでも人気だったことから、イギリスに渡り、ヴァン・モリソンやLuLuなども手がけています。

  1965年にはアトランティック・レコードの傘下として、自身のレーベル”BANG RECORDS"を立ち上げ、ヴァン・モリソンの「ブラウンアイド・ガール」やニール・ダイアモンドの初期のヒット曲などをリリースしています。

 

 バートは子供の頃に患ったリウマチ熱によって、ずっと心臓にダメージを負っていたそうで、1967年に38歳で亡くなってしまいます

 彼の死後、BANG RECORDSを引き継いだのは奥さんで、「アイ・ゴー・クレイジー」のポール・デイヴィスと契約したのは彼女だったそうです。

 

 さて話を「テル・ヒム」に戻しますが、ダスティ・スプリングフィールドが、まだグループで活動していてカントリーのレコーディングでアメリカにきたときに、通りかかったレコード店でエキサイターズの「テル・ヒム」が流れているのを聴いて、自分がやりたいのはこういう音楽だと思い、ソロでポップスをやる決意をしたそうです。

 それだけ、インパクトの強いヒットだったわけで、カバーもたくさん作られています。

 

 まず僕が感心したのは、フランスで”キング・オブ・アイドル”と呼ばれた、”イエイエ”(Yé-yé)の大スター、クロード・フランソワのヴァージョン。確かにこの曲、フレンチ・ポップスがピッタリ合います。1963年にフランスで1位になったそうです。

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 僕がこの曲を初めて聴いたのは、実は彼らのカバーでした。イギリスのグラム・ロック・バンド”ハロー”。

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 1974年に全英6位になっています。当時、ベイ・シティ・ローラーズの大ブームの流れで知ったので、1974年だっけ?と思ったのですが、日本でヒットしたのは1977年だったそうで、イギリスのアイドル・バンドが競って売れていた時代ですので、そのタイミングで日本独自でリリースしたのでしょう。

 

  他にもソニー&シェール、リンダ・ロンシュタットローラ・ブラニガンなどたくさんあります。

 最後はケニー・ロギンスのヴァージョンで。そこまでやるの?ってくらい”フットルース”味でアレンジしています。

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Tell Him

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テル・ヒム

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”ハロー”のカバー

 

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