おはようございます。
今日は「Just The Two of Us」と同じ作者が書いた「恋人は何処に(Where is the Love)」です。
Where is the love
You said you'd give to me
soon as you were free
will it ever be
Where is the love?
You told me that you didn't love him,
and you were gonna say goodbye
but if you really didn't mean it,
why did you have to lie?
Where is the love,
you said was mine all mine, till the end of time
was it just a lie
where is the love
If you had had a sudden change of heart
I wish that you would tell me so
don't leave me hangin on the promises
you've got to let me know
Oh how I wish I never met you
I guess it must have been my fate
to fall in love with someone else's love
all I can do is wait
(that's all I can do)
Where is the love,,,
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愛はどこにあるの?
自由になればすぐあげるよって
あなたは言ったのに
いったいそれは その愛はどこにあるの?
君は彼のことは愛していないと言ったね
さよならを告げるって
だけど本気でそのつもりじゃなかったなら
どうして嘘をつかなきゃいけなかったの?
愛はどこにあるの?
あなたは言ったわ、
私のものだと、全部私のものだって、永遠に
それはただの嘘だったの?
その愛はどこにあるの?
急に心変わりしたのだったら
そう言ってくれたらよかったのに
私を約束にしがみついたままで、取り残さないで
ちゃんと教えてくれなきゃいけないわ
君に出会わなければよかった
誰かの恋人と恋に落ちるなんて
それが僕の運命だったんだね
僕には、ただ待つことしかできない
その愛はどこにあるの、、、、 (拙訳)
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「恋人は何処に(Where Is the Love)」ヤマハぷりんと楽譜
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フィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ(Up, Up and Away)」をイメージして書かれた曲
この曲はグローヴァー・ワシントン・ジュニアの「Just The Two of Us」を書いた
パーカッショニストのラルフ・マクドナルドと彼のパートナーでベーシストのウィリアム・サルターによって書かれた曲です。
ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイのデュエット・アルバム『ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ』からのシングルとして、全米第5位の大ヒットになりました。
ロバータ・フラックはこのように回想しています。
「”恋人は何処に”はラルフ・マクドナルドが書いている。彼は私のバンドにいて一緒に世界中を回ったわ、それで彼が私のところに来て言ったの”ロバータ、曲があるんだ”って。彼はそれを、信じられない声の持ち主のヴァレリー・シンプソンと録音していたのよ。彼は彼女が歌っている”恋人は何処に”の音源を聞かせてくれて、私はその頃聴いた中では、最高で、新しくて、一番素敵なR&Bだと思ったわ。それで、やってみたいと思ったの。この曲やってみるわと私が言うと、彼は誰と一緒にやる?って訊いてきたわ。デュエットするべき曲だから。私はダニーと言うと、彼はダニー?と言ったわ。ラルフは本当は別のアイディアがあったのだと思う、でも彼は嫌々同意して、ダニーと私はスタジオに行ってレコーディングしたのよ」
(「 Never My Love : The Anthology」ブックレットより)
この曲のデモをアッシュフォード&シンプソンのヴァレリー・シンプソンが歌っていたんですね。ロバータよりも歌がキリッとしている感じがイメージできますね。
またラルフはこの曲を作ったときは、フィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ(Up, Up and Away)」をイメージしていて、彼らに歌ってもらおうと考えていたそうです。
さて、この曲をデュエットしているロバータとダニー・ハサウェイは同じレコード会社(アトランティック・レコード)でソロ・アーティストとして契約していました。もっと遡ると、彼らは同じ大学(ワシントンDCにあるハワード大学)出身で、顔見知りでした。しかし、年齢はロバータが8歳上で、ダニーが大学生のときには彼女は大学院生として学びながら教員をやっていたようです。
二人にデュエットさせようというのは、彼らが所属するレーベル”アトランティック・レコード”のプロデューサー、ジェリー・ウェクスラーのアイディアだったと言います。
ジェリーはR&B(リズム・アンド・ブルース)という言葉を作った人でもあります。
ロバータは当時ジェイムス・テイラーを崇拝していて、「君の友だち」を自分でカバーしていました。それを聴いたジェリー・ウェクスラーがレコーディングすることに同意し、相手にダニー・ハサウェイが選ばれたわけです。
その後もロバータはラルフ・マクドナルドとウィリアム・サルターの作品を取り上げていきます。
大ヒットアルバム「やさしく歌って」(1973)では2曲、次の「愛のためいき」(1975)でも2曲採用しています。特に「愛のためいき」ではグローヴァー・ワシントン・ジュニアが同じ年に出した初ヒット「ミスター・マジック」をすかさずカバーしています。グローヴァーのオリジナルはインストでしたので作者はラルフのみ、ロバータの歌う歌詞の入ったヴァージョンはウィリアム・サルターの名前が作者として加わっていますので、基本的にこのコンビは曲がラルフ、歌詞がウィリアムが担当していたのでしょう。
最後にウィリアム・サルターが一枚だけ残しているソロ・アルバムをご紹介します。 1977年リリースのアルバム「It Is So Beautiful To Be」。
ラルフ・マクドナルドの人脈で、スティーヴ・ガッド、アンソニー・ジャクソン、エリック・ゲイル、リチャード・ティーなどものすごいメンツがバックをつとめています。その筋(?)では人気の高い作品のようで、日本でもちゃんとCDで再発されています。
全曲がラルフと彼の作品です。ヘタウマなちょっと心もとないヴォーカルですが、そこがまたいいかも、と思わせてくれます。
WILLIAM SALTER - It Is So Beautiful To Be (1977) *Ralph MacDonald, Patti Austin, Gwen Guthrie