まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「嵐の恋(No Matter What)」バッドフィンガー(1970)

 おはようございます。

 今日はバッド・フィンガーの「嵐の恋」を。


Badfinger - No Matter What - Promotional Film (Music Video) - HQ

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No matter what you are
I will always be with you
Doesn't matter what you do girl, oh girl with you
No matter what you do
I will always be around
Won't you tell me what you found girl, oh girl won't you


Knock down the old gley wall, and be a part of it all
Nothing to say, nothing to see, nothing to do
If you would give me all, as I would give it to you
Nothing would be, nothing would be, nothing would be


No matter where you go
There will always be a place
Can't you see in my face girl, oh girl don't you


Knock down the old brick wall, and be a part of it all
Nothing to say, nothing to see, nothing to do
If you would give me all, as I would give it to you
Nothing would be, nothing would be, nothing would be


No matter what you are
I will always be with you
Doesn't matter what you do girl, oh girl with you
Oh girl, you girl, want you
Oh girl, you girl, want you

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” 君がどんな人だって 僕はいつも一緒にいるよ

  何をしようとかまわないのさ ガール 君と一緒さ

  君がどんなことをしたって  いつもそばにいるよ

  何を見つけたのか僕に教えてくれないの ガール ねえ?

 

   古いグレーの壁を倒して  その一部になるんだ

   言うことは何もない 何も見えない 何もすることもない

   もし君が僕にすべてをくれたら 僕がそうするみたいに

   それだけでいい 他に何もない 何もない

 

 君がどこに行こうとも いつもちゃんと場所はある  

 僕の顔を見ればわかるだろ ガール そうじゃない?

 

 古いグレーの壁を倒して  その一部になるんだ

   言うことは何もない 何も見えない 何もすることもない

   もし君が僕にすべてをくれたら 僕がそうするみたいに

   それだけでいい 他に何もない 何もない

 

   君がどんな人だって 僕はいつも一緒にいるよ

   何をしようとかまわないのさ ガール 君と一緒さ

   ガール 君が欲しいのさ             ”  (拙訳)

 

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 ”パワーポップ”というジャンルがあります。

ウィキペディアでは

「ポップなメロディライン、力強いギターサウンドが特徴的」

「一般的には1960年代のビートルズ等に代表されるブリティッシュロックから派生」

したとあります。

海外のウィキペディアを見ると

The Whoビートルズビーチ・ボーイズ、バーズなどのバンドの初期の音楽をベースにしたポップロックの一つの形態」

とあります。

 

 ジャンルなんていうものは主観的なものなので、はっきりと線引きはできないですが、パワー・ポップは世界共通に使われているジャンル名なのは確かです。

 

 そして、このバッドフィンガーこそ”元祖パワー・ポップ”と呼ばれているバンドです。アメリカのケーブルTV”VH-1”が選んだ”エッセンシャル・パワー・ポップ・トラック20” の見事1位に輝いていたのが彼らの「嵐の恋」でした。

 

 

 バッドフィンガーはビートルズのアップル・レーベルと契約した最初のグループ。

 共にソング・ライターとしての才能もあるピート・ハムとトム・エヴァンズを中心に結成されました。はじめはアイヴィーズという名前でしたが、ビートルズの "With a Little Help from My Friends"の仮タイトルだった"Bad Finger Boogie"にちなんでバッドフィンガーという名前がつけられたと言われています。

 

 ちなみにアイヴィーズ時代の2枚のシングルとアルバムのうち数曲はデヴィッド・ボウイTレックスのプロデューサーとして知られるトニー・ヴィスコンティが手がけていました。

 アイヴィーズのデビューシングル「メイビー・トゥモロウ」。歌っているのが曲の作者でもあるトム・エヴァンズ。左の長身のギターがピート・ハム。


The Iveys Maybe Tomorrow

 

 そして、バッドフィンガーに改名して1969年にリンゴ・スターも出演していた映画「マジック・クリスチャン」のためにポール・マッカートニーが書いた「マジック・クリスチャンのテーマ」で再デビューし、大ヒットになりました(全米7位全英4位)。


Come and Get It

 キャッチーで素晴らしい曲です。しかし、あまりにポール・マッカートニーっぽ過ぎますが、、

 

 そして、そのあとに出したのがこの「嵐の恋」でした。曲を書いたのはメンバーのピート・ハム。彼がとても優れたソングライターだということを証明した1曲でもありましたが、この曲を気に入らなかったレーベル側と戦って、ようやく説得してシングル・リリースにこぎつけたそうです。

 やはりピートが書いた次のシングル「デイ・アフター・デイ」も大ヒット(全米4位全英10位)しますが、その後トーンダウンしてゆき、所属するアップル・レコードが倒産したのをきかっけに、バンドは一気に不運な方向に向かっていきます。

 諸悪の根源は、悪質なマネージメント。そのために長い間一文も収入を得られなかったというピートは追い込まれたあげく、まだ27歳の若さで自ら命を絶ってしまいます。

 その8年後トムも、バンドのメンバー間の印税をめぐるトラブルが起因となってやはり死を選んでしまいました。ピートが亡くなってからは、彼はずっとふさぎ込みがちだったと言われています。

 

  以来彼らには”悲劇のバンド”といった呼び名がついてまわるようになってしまいましたが、彼らがどんな歩みをしたにしろ(No Matter What)、彼らの楽曲のいくつかは50年もたった今の時代聴いても素晴らしい、それしか言えないように思います。 

 

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