おはようございます。
今日はエルヴィス・コステロの「She」を。
She may be the face I can't forget
A trace of pleasure or regret
May be my treasure or the price I have to pay
She may be the song that summer sings
May be the chill that autumn brings
May be a hundred different things
Within the measure of a day
She may be the beauty or the beast
May be the famine or the feast
May turn each day into a heaven or a hell
She may be the mirror of my dreams
A smile reflected in a stream
She may not be what she may seem
Inside her shell
She who always seems so happy in a crowd
Whose eyes can be so private and so proud
No one's allowed to see them when they cry
She may be the love that cannot hope to last
May come to me from shadows of the past
That I'll remember till the day I die
She may be the reason I survive
The why and wherefore I'm alive
The one I'll care for through the rough and ready years
Me, I'll take her laughter and her tears
And make them all my souvenirs
For where she goes I've got to be
The meaning of my life is she
She. Oh, she
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彼女とは
忘れられない面影のことなのか
喜びか後悔が残した”跡”のなのだろうか
僕の宝物、それとも 僕が払うべき代償なのか
彼女とは
夏が奏でる歌なのかもしれないし
秋がもたらす肌寒さなのかもしれない
何百もの違ったものになれるんだ
たった1日の中でも
彼女は
美女 それとも 野獣
欠乏 それとも 豊かさ
日々を天国にも地獄にも変える
彼女とは
僕の夢を映す鏡
水面が映す微笑
見た目とはきっと違うんだ
殻の中の彼女は
彼女は
大勢の中でいつも幸せそうに見える人
その瞳は謎めいたり 誇り高くもなる
泣いた瞳は誰も見ることはできないけれど
彼女は
続く望みのない恋人
過去の影から僕の前に現れた人
僕は死ぬ日まで 君をおぼえているだろう
彼女は
僕が生き延びる理由
僕がいま生きている根拠
その場しのぎのように過ぎてゆく日々を通して
ずっと大切に思う人
僕は
彼女の笑顔も涙も受け止めて
全部、記念に残したい
彼女が行くところには僕もいなければ
僕の人生の意味 それは
彼女 彼女 彼女なんだ (拙訳)
この曲のオリジナルは、フランスの国民的歌手、シャルル・アズナヴールが1974年に発表したものです。
イギリスの連続テレビ・ドラマ「Seven Faces of Woman」 の主題歌として書かれ、アズナヴールが作曲、彼の作品の英語詞を数多く手がけているハーバート・クレッツマーが作詞をしています。
(クレッツマーはミュージカル「レ・ミゼラブル」の英語版を制作する時(1985年)に英語詞を書いている人です)
アズナヴールはフランスの音楽界最大のスターの一人、トータル・セールスは一億枚を超え、『Time』誌が1998年に全世界を対象にオンラインで、20世紀最高のエンターテイナーの投票を行ったところ、プレスリーやディランを抑えて彼がトップになったといいますから、多くの日本人が想像するよりも凄い人気のアーティストなんですね。
彼の代表作としては、シャンソンの有名曲でもある「ラ・ボエーム」のほか、「帰り来ぬ青春(Hier encore) 」(1964年)はクレッツマーの英語詞版(Yesterday, When I Was Young)がアメリカでも大ヒットし多くのアーティストがカバーしています。日本でも大変人気があってザ・ピーナッツ、弘田三枝子、和田アキ子、尾崎紀世彦、布施明などたくさんの歌手がカバーしています。
僕の好きなグレン・キャンベルもこの曲を取り上げているのでそちらをぜひ。
ちょっと関係ないことですが、来生たかおの「Goodbye Day」はこの曲の影響を受けている気がします。彼はコステロの「She」を聴いて久しぶりにいい新曲だと思ったらカバーだった、みたいな話をインタビューでしていたことがあったので、アズナブールの作風が本質的に好きなのかもしれません。
ちなみに、アズナヴールはイェイェ・ブームにも少し関わっていて、シルヴィ・ヴァルタンの「アイドルを探せ」の作詞を手がけたほか、映画「アイドルを探せ」にも出演しています。
話を「She」に戻します。
「ノッティングヒルの恋人」はアズナヴールの歌っている「She」を使って完成していたそうです。この映画はイギリス制作で、アズナヴールの「She」はイギリスで大ヒットしていて知名度があったわけですから。しかし、アメリカで試写を行った時に観客の誰もアズナヴールの「She」のことを知らず、監督がイメージした演出効果を生んでいないことが判明します。
そこで、新たに誰かに歌わせることにして、急遽その白羽の矢が立ったのがエルヴィス・コステロでした。
彼はパンク・ムーヴメントから出てきたロック・アーティストでしたが、1998年にバート・バカラックとのコラボ・アルバム「ペインテッド・フロム・メモリーズ」をリリースし、映画「オースティン・パワーズ・デラックス」でバカラックと一緒に出演するなど、ロマンティックなシンガーとしての魅力を世の中がまさに認めたばかりのタイミングだったのです。
Burt Bacharach & Elvis Costello I'll Never Fall In Love Again
バカラックとの共演なくして、彼の「She」は生まれなかったはずだと思います。
当初、映画のアメリカ版用として録音されたものだったわけですが、イギリスでもオープニングがアズナヴール版、劇中がコステロ版という風に使われて、イギリスのヒットチャートでトップ20位入りするヒットになりました。

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