まいにちポップス(My Niche Pops)

令和元年初日から毎日更新中〜1日1ポップス。エピソード、歌詞の和訳、謎解き、マニアックな捜査、勝手な推理、などで紹介していきます。text by 堀克巳(VOZ Records)

「アリソン(Alison)」エルヴィス・コステロ(1977)

 おはようございます。

 今日はエルヴィス・コステロの「アリソン」です。

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Oh, it's so funny to be seeing you after so long, girl
And with the way you look, I understand that you were not impressed
But I heard you let that little friend of mine
Take off your party dress

I'm not gonna get too sentimental
Like those other sticky valentines
'Cause I don't know if you are loving somebody
I only know it isn't mine

Allison, I know this world is killing you
Oh, Allison, my aim is true

Well, I see you've got a husband now
Did he leave your pretty fingers lying in the wedding cake?
You used to hold him right in your hand
But it took all that he could take

Sometimes I wish that I could stop you from talking
When I hear the silly things that you say
I think somebody better put out the big light
'Cause I can't stand to see you this way

Allison, I know this world is killing you
Oh, Allison, my aim is true
My aim is true
My aim is true
My aim is true,,,

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こんな久しぶりに君に会うなんておかしなものさ

その様子を見ると、そっちは何とも思ってないようだね

だけど、君はオレの知ってるヤツにパーティー・ドレスを脱がせたんだってな

 

オレは恋愛に執着するヤツらみたいに

そんなにセンチメンタルになる気はないさ

だって、君に誰か好きなヤツがいるかは知らないけど

オレじゃないことだけは確かだから

アリソン、この世界がキミをうんざりさせるんだね

オレの推測は当たっているさ

 

そうか、キミには今旦那がいるんだね

キミのきれいな指を

ウェディングケーキに乗せたまま 彼は放っておいたんだな?

キミはその手で彼をしっかり抱いていたこともあったんだろう

きっと、彼は得られものは全部手にいれてしまったんだ

時々キミのおしゃべりを止めることができたらって思う

そんな馬鹿げた話をするのを聴いてしまうと

誰かがそのデカい灯を消したらいいのにな

こんなキミを見るのは、オレには耐えられないから

 

アリソン、この世界がキミをダメにする

ああ、アリソン、オレの見当は間違っちゃいない

間違っちゃいない、、

 

(拙訳)

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  当時は「アリスン」という表記だったと記憶していますが、検索してみたら今は「アリソン」になっているみたいですね。

 

 この曲に出てくる「My aim is true」というフレーズは、そのまま彼のデビュー・アルバムのタイトルになるくらい重要で有名なものですが、僕はその意図が把握できないままで来たので、ここいらでしっかり把握したいと和訳に挑んでみましたが、やっぱり、ちゃんとは理解できませんでした、、(笑。

 

 ”aim"は「狙い」「見当」「目標」。

 久しぶりに会ったアリソンの様子を見て、主人公はあれこれ推測するので、その推測が見当違いじゃない、とするのがやっぱりよさそうです。しかし、曲の最後に「My aim is true」と延々と繰り返していくと、My aim(オレの目的)とはアリソンのことで、その気持ちは偽りのない本当のものだった、ただ主人公はそんなセンチメンタルじゃないと強がる男ですから「My love is true」なんて言い回しは絶対にしない、、なんて深読みが止まらなくなってしまいます。

 まあ、歌は発表されてしまえば”聴き手のもの”、それぞれが一番しっくりする解釈で聴くのでいいのでしょう。

 

 さて、この曲はニック・ロウがプロデュースし、ヒューイ・ルイスが在籍していたバンド”クローヴァー”の演奏で作られたデビュー・アルバム「マイ・エイム・イズ・トゥルー」に収録されていました。

 1977年のイギリスといえばパンクの真っ盛りで、そのムーヴメントのニュー・フェイスとして日本でも紹介されたことをおぼえています。

 

 しかし、彼の曲が他のパンク・バンドと一味も二味も違うことは、はっきりしていました。

 この曲を書いたとき、彼はまだ22歳でした。この若さで、しかもデビュー・アルバムで、人生の苦味を見事に歌にしていたわけですから。

 

 彼はこの曲についてこのように語っています。

 

「これは誰かを失望させてしまうことについて歌なんだ。愛と憎しみの間のきわどい境界線(a thin line between love and hate)さ、パースエイダーズの歌にあるみたいに」                    (Rollingstone)

 

「『アリソン』は地元のスーパーマーケットで美しいレジ係を見た後に書いた、僕はみんなに話してきた。船に名付けられるような名前がぴったりな顔だった。かつて悪党どもが、彼女の名誉を守るため霧に中で決闘したかもしれない。

 今では彼女はレジで豆の缶の値段を打ち込んでいて、あたかも、彼女の青春の希望や夢は流れ去ってしまったようだ。あと残されたものは全部、彼女に適当な嘘を言って、もっとだまそうとするごろつきにすぐに浪費されてしまうんだ」

            (『Unfaithful Music & Disappearing Ink』)

 

 

 この曲をいち早くカバーし有名にしたのがリンダ・ロンシュタット。1978年発売ののアルバム「ミス・アメリカ (Living In The U.S.A.)」に収録され、シングルになりました。彼女の若い才能や楽曲を見抜く才能は相当なものです。アルバムは200万枚以上売れ、そのおかげでコステロの数年間の生活はその印税で支えられたといいます。

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最後は1983年の彼のライヴパフォーマンスで。

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